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〔第16問〕(配点:2)
根抵当権に関する次の1から5までの各記述のうち,誤っているものを2個選びなさい。(解答欄は,[№17],[№18]順不同)
1.手形上又は小切手上の請求権を根抵当権の被担保債権と定める場合においても,第三者がふり出し,債務者が裏書した手形上又は小切手上の請求権を根抵当権の被担保債権とすることはできない。
2.根抵当権の元本の確定前に根抵当権者から債権を取得した者は,その債権について当該根抵当権を行使することはできない。
3.元本確定前において根抵当権の担保すべき債権の範囲及び債務者についての変更は,後順位抵当権者がいる場合は,その承諾を得なければすることができない。
4.元本確定前に根抵当権者が死亡して相続が開始した場合において,根抵当権者の相続人と根抵当権の設定者との間でその根抵当権を承継する相続人を合意しなかったときは,その根抵当権の担保すべき元本は,根抵当権者の相続開始の時に確定する。
5.元本確定後の根抵当権は,極度額を限度として,元本のほか,利息及び遅延損害金がある場合には,2年を超える利息及び遅延損害金についても行使することができる。
検討
1について、根抵当権の範囲が限られるという話は知識と知っているが、手形小切手の債務が含まれるかは知らない。だけど、文章が含まれることを前提に書いてあるので先に進む。
ここで、振り出しについては被担保債権になるのに、裏書での債務についてはそうならないとするのは感覚的におかしい。なので、多分間違い。
2について、元本確定前につては随伴性がないのは知識として知っている。
なので、正しい。
3について、承諾を得ないといけないのは債権の範囲や債務者の変更ではなく極度額。
なので、間違い。
4について、相続では原則として元本が確定するのは知識として知っていた。
なので、正しい。
5について、極度額の範囲内なら元本や利息が全て含まれる。
なので、正しい。
以上から、誤っているのは1と3.
プロパー的な知識ではあるが、聞いている内容は普段使っているテキスト(コンパクトディバイス)の中に赤字で強調してあるレベルの内容。無理に逐条解説のような細かい本で勉強する必要はないと思う。
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司法試験短答過去問検討
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〔第8問〕(配点:3)
法律上の要件としての善意又は悪意に関する次の1から5までの各記述のうち,誤っているものはどれか。(解答欄は,[№8])
1.相続開始の1年前の日より前にされた贈与は,それがされた当時に当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知っていたとき,その価額が遺留分算定の基礎となる財産の価額に算入される。
2.Aが所有する不動産をBが占有する場合において,Bが,10年間の占有を継続したことを理由として,この不動産の所有権を時効により取得するためには,Bは,占有を開始した時に善意無過失であればよく,その後にBが悪意になっても,Bの時効取得の成否に影響しない。
3.善意の占有者が本権の訴えにおいて敗訴したときは,その訴え提起の時から悪意の占有者とみなされる。
4.判例によれば,Aが所有する不動産を7年間継続して占有したBから,この不動産を買い受けて引渡しを受けたCが更に4年間継続して占有する場合において,Cが,10年間の占有を継続したことを理由として,この不動産の所有権を時効により取得するためには,Bが占有を開始した時に善意であれば,Cの占有開始時にCが善意である必要はない。
5.Aに対する債権者Bが,AからCへの不動産の贈与を詐害行為を理由に転得者Dを被告として取り消す場合,その請求が認められるためには,その贈与がBを害することを,AC間の贈与の当時,Dが知っていたことが必要である。
検討
1から4までは省略。
5について、AC間の贈与の時に転得者Dが知っていないとBがDに詐害行為取消権を行使できないというのはあまりにも変。なので、5が間違い。
旧司法試験の択一ほどではないが、分量とややこしい話の組み合わせとで受験者を引っ掛ける典型的な問題。ストレスに負けて、飛ばし読みしないことが重要。
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〔第6問〕(配点:2)
条件,期限及び期間の計算に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[№6])
ア.条件が成就しないことが法律行為の時に既に確定していた場合,その条件が解除条件であるときは無条件の法律行為となり,その条件が停止条件であるときは無効な法律行為となる。
イ.不法な条件を付した法律行為は無効であるが,不法な行為をしないことを条件とする法律行為は有効である。
ウ.条件の付された権利は,その条件の成否が未定である間は,相続することができない。
エ.判例によれば,不法行為による損害の賠償を請求する債権の消滅時効の期間の計算については,被害者が損害及び加害者を知った時が午前零時でない限り,初日は算入しない。
オ.契約の一方当事者に債務不履行があった場合において,催告期間内に履行しなければ契約を解除する旨の意思表示を他方当事者がしたときは,その催告期間内に履行がなければ,改めて解除の意思表示をしなくても,解除の効果は発生する。
1.ア イ 2.ア オ 3.イ ウ4.ウ エ 5.エ オ 検討
アについて、これは正しい。
イについて、不法な条件については、することしないことの条件どちらも無効な法律行為になるので間違い。
ウとエについて、知識としては持ち合わせていないが、条件成就未定だと一身専属権になって相続できないのは感覚的におかしい。
エについては、午前零時に知った時も初日を参入しないというのは丸々一日特をすることになるので何となく正しい肢と思われる。
なので、比較考慮してウを間違いにする。
正解は3になる。
正答率は50台の問題。
エの判例について全く知らなくても常識的に考えて正しいものと推察できる。大体において判例は常識外れなことは言っていないので、知識で持ち合わせがない場合は自分の常識で判断して処理すると、そんなに外れはない。
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〔第37問〕(配点:2)
次のアからウまでの各記述の下線部について,最高裁判所の判例に照らし,正しいものに○,誤っているものに×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。(解答欄は,[№79])
ア.固定資産税の納税者は,固定資産税の登録価格について不服がある場合,地方税法に基づく審査の申出及びその決定に対する取消しの訴えによってのみ争うことができるとされている。
したがって,当該納税者がこれら手続を経ることなく,登録価格が過大であったとして,国家賠償法に基づき固定資産税の過納金相当額の損害賠償請求をすることはできない。
イ.不動産の強制競売事件における執行裁判所の処分については,民事執行法に定める救済の手続により是正することができる。こうした手続が予定されているから,執行裁判所自らその処分を是正すべき場合等特別の事情がある場合を除き,権利者がその手続による救済を求めることを怠ったため損害が生じたとしても,国家賠償法に基づき損害賠償請求をすることはできない。
ウ.犯罪の被害者は,公訴提起により利益を受けることから,検察官の不起訴処分の違法を理由として,国家賠償法に基づき損害賠償請求をすることができる。
1.ア○ イ○ ウ○ 2.ア○イ○ ウ× 3.ア○イ× ウ○ 4.ア○ イ×ウ× 5.ア×イ○ ウ○ 6.ア×イ○ ウ× 7.ア×イ× ウ○ 8.ア×イ× ウ× 検討
アについて、これは公定力と損賠請求は別の話、というやつ。だから、請求できないことはないので、間違い。
イについて、知識としてはよくわからないが、民事執行法での救済が認められているのだから損賠請求を認めるのは常識的におかしい。
なので、多分正しい。
ウについて、被害者は公訴提起により利益を受けないことはないだろうけど、常識的に考えて公訴提起は公益的要請。損害を認める余地はないはず。
なので、多分間違い。
答えは6
正答率が4割後半だい。しかし、アは基本的な知識だし、イ、ウについても常識的な判断で足りる。
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〔第32問〕(配点:2)
抗告訴訟における判決の効力に関する次のアからウまでの各記述について,正しいものに○,誤っているものに×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。(解答欄は,[№65])
ア.処分の取消判決が確定した場合,処分行政庁は,判決の拘束力により当該処分を取り消さなければならない。
イ.義務付け訴訟において請求を認容する判決が確定した場合,当該処分がされたのと同様の効果が生ずる。
ウ.課税処分を取り消す判決が確定した場合,当該課税処分を前提とする滞納処分としての差押処分がそのまま維持されることはない。
1.ア○イ○ ウ○ 2.ア○ イ○ ウ×3.ア○ イ×ウ○ 4.ア○イ× ウ×5.ア×イ○ ウ○6.ア× イ○ウ× 7.ア×イ×ウ○ 8.ア×イ×ウ× 検討
アについて、取り消しを命じる判決ならいざしらず、取消判決(処分を取り消す判決)なのでその判決が確定したら処分庁が取り消す必要はないはず。
なので、多分間違い。
イについて、請求が認容されると義務付ける判決だから、行政庁は何らかの手続を進めないとけないはず。とすると、当該処分がされたとの同様の効果は生じないはず。
なので、多分間違い。
ウについて、課税処分を取り消したらその処分を前提とする滞納処分は根拠がなくなるはず。
なので、多分正しい。
以上から、☓、☓、○の7が正解。
正答率が20%台の問題だから別に捨て問にしても良レベル。しかし、民訴の基本的な知識と国語力で正解にもっていけないこともない。
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