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〔第29問〕(配点:2)
行政代執行法による代執行に関する次のアからウまでの各記述について,正しいものに○,誤っているものに×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。(解答欄は,[№59])
ア.市が所有する土地に権原なく工作物が設置された場合,市長は,当該土地の所有権に基き
代執行により当該工作物を除却することができる。
イ.市が庁舎の一部屋の使用許可を市の職員組合に与えていたが,当該使用許可の期限が経過した後も組合員が立ち退かない場合,同部屋からの組合員の退去について代執行をすることはできない。
ウ.行政罰は,間接的に行政上の義務の履行を確保する機能を果たすことから,行政罰が適用できる場合,代執行以外の手段によってその履行を確保することが困難とはいえないため,代執
行をすることはできない。
1.ア○ イ○ ウ○ 2.ア○ イ○ ウ× 3.ア○ イ× ウ○ 4.ア○ イ× ウ× 5.ア× イ○ ウ× 6.ア× イ× ウ○ 7.ア× イ○ ウ○ 8.ア× イ× ウ×
検討
行政代執行は条文プラスαをテキストで読んだくらい。なので、「行政代執行」の文言から推察して考えていく。
アについて、行政代執行は行政がその目的のために代わりに執行する制度だから、私権である「所有権」を根拠にすることはできないはず。
なので、多分間違い。
イについて、組合員の退去はその組合員しかできないことだから、「代」わりに執行することはできないはず。
なので、多分正しい。
ウについて、行政罰を課してもそのまま居座られたらどうしようもない、履行を確保できたとは言いがたい。
なので、多分間違い。
以上から、☓、○、☓の5が正解になる。
この問題は、条文をよくよく読んでいてもそこからは明確に答えを出しにくい問題。だから、そもそもこの制度はなんのための制度なのかというのを制度の名前から推論して、答えを出していくのも方法の一つ。
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司法試験短答過去問検討
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〔第22問〕(配点:3)
建築基準法が同法所定の接道義務について条例による制限の付加を認めていることを受け,東京都建築安全条例(以下「条例」という。)は,接道義務を厳格化している。条例の定める安全認定(以下「安全認定」という。)は,接道義務の例外を認めるための制度であり,接道要件を満たしていない建築物の計画であっても,適法に安全認定を受けていれば,建築確認申請手続において,接道義務の違反がないものとして扱われることとなる。安全認定が行われた上で建築確認がされている場合に,建築確認の取消訴訟において安全認定の違法を主張することの可否について判断を示した最高裁判所の判決(最高裁判所平成21年12月17日第一小法廷判決,民集63巻10号2631頁)に関する次のアからエまでの各記述について,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからエの順に[№45]から[№48])
ア.この判決は,安全認定に処分性が認められないことを前提として,建築確認の取消訴訟において安全認定の違法を主張することができるとしたものである。[№45]
イ.この判決は,周辺住民には安全認定の取消訴訟の原告適格が認められないことを考慮して,建築確認の取消訴訟において安全認定の違法を主張することができるとしたものである。[№46]
ウ.この判決は,建築確認における接道要件充足の有無の判断と,安全認定における安全上支障の有無の判断は,避難又は通行の安全の確保という同一の目的を達成するために行われるものであることを考慮して,建築確認の取消訴訟において安全認定の違法を主張することができるとしたものである。[№47]
エ.この判決は,安全認定の適否を争うための手続的保障がこれを争おうとする者に十分に与えられているというのは困難であることを考慮して,建築確認の取消訴訟において安全認定の違法を主張することができるとしたものである。[№48]
検討
この判例については全く知らなかった。なので、推論で解いていく。
アについて、問題文の柱書を見ると、安全認定は建築確認を得るために必要な接道義務の要件を満たす代わりになるものだと推察できる。
とすると、安全認定は、建築できるか否かの重要な前提になる建築確認の為の行政の判断なのではないかと考えられる。
そこで、「安全認定に処分性が認められない」とするのは理屈に合わないのではないかと考えることができる。
なので、アの肢は誤りと推定する。
イについて、ここでも安全認定は建築確認のための前提となるものであるという点から考えると、建築確認では被処分者のみならず周辺住民についても原告適格が認められるのではないかと推論できる(建築されることで、日当たりの問題や下手をすると倒壊の危機もあり周辺住民に迷惑がかかるから)。
そうすると、周辺住民に安全認定の取消について原告適格が認められないのは変。
なので、イの肢は誤りと推定する。
ウについて、安全認定は接道要件の代わりという点から考えると、別の目的を持っているとは考えにくい。
なので、ウの肢は正しいと推定する。
エについて、周辺住民は建築確認の申請がされた段階や建築確認が出た段階でそれらの手続きがされていたことを知ることが多いのではないかと推論できる。
また、安全認定は建築確認の前提手続きなので、周辺住民はその手続がされている段階ではあまり知り得ないのではないかとも推論できる。
なので、エの肢は正しいと推定する。
以上から、2,2,1,1になる。
この判例を知っていても、記憶しているのは全体のなんとなくの流れと違法性の承継を認めたと言う部分くらい。知識勝負で解くのは現実には難しい。
そこで、わざわざ判例をまるまる1問で聞いていることから原告の請求を認めるような判断をしたのではないかと言う推論や、問題文の柱書を見るかぎり安全認定は接道要件の代わりとなるものなのではないか、などの部分から推論して一応の結論を出のが良いかと思う。
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〔第18問〕(配点:2)
違憲判決の方法に関する次のアからウまでの各記述について,最高裁判所の判例の趣旨に照らして,正しいものには○,誤っているものには×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。(解答欄は,[№34])
ア.選挙権の平等に反する定数配分規定を是正するための合理的期間が経過したにもかかわらず,現行規定のままで選挙が施行された場合,判決確定により直ちに当該選挙を無効とすることが相当でないとみられるときは,選挙を無効とするがその効果は一定期間経過後に初めて発生するという内容の判決をすることも許される。
イ.国籍法第3条第1項を全体として違憲無効とせず,同項の規定の一部である準正要件を違憲
無効とすることで,日本国民である父と日本国民でない母との間に出生し,かつ,その後に父から認知された子は,準正要件を除いた所定の要件を満たすときには,日本国籍の取得が認められる。
ウ.公務員の政治的行為の禁止を定める国家公務員法第102条第1項及び人事院規則14−7それ自体は憲法第21条に違反しないとしても,当該公務員の行為のもたらす弊害が軽微なものについてまで一律に罰則を適用することは,必要最小限の域を超えるものであって,憲法第21条及び第31条に違反する。
1.ア○イ○ ウ○ 2.ア○ イ○ ウ× 3.ア○イ× ウ○ 4.ア○イ× ウ× 5.ア×イ○ ウ○ 6.ア×イ○ ウ× 7.ア×イ×ウ○ 8.ア×イ×ウ× 検討
アについて、将来効判決のことをいっている。将来効判決は芦部本にできるかもみたいなことを書いてあったけど、「判例の趣旨」から考えると判例が言ったのはあくまでも事情判決まで。
なので、多分間違い。
イについて、国籍法違憲判決は結論は知っているがその内容についてはよく覚えていない。しかし、婚姻要件があることを意見としたならばその要件がなくても国籍が認められるのは理屈に合っている。
なので、多分正しい。
ウについて、猿払の判決は政治活動を広く禁止しても憲法に反しない、としていたから「一律に刑罰を適用することは・・・31条に反する」等とするわけがない。
なので、誤り。
以上から、☓、○、☓になるので正解は6。
解いている時に、アの肢を芦部憲法に書いてある事をあやふやに記憶していて○にしてしまった。
聞いているのはあくまでも「判例の趣旨」からなので、そこを飛ばして考えないようにしないとけない。
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〔第14問〕(配点:2)
次のaの①及び②は憲法第9条第1項についての見解であり,bの③及び④は同条第2項についての見解であ。また,次のアからウまでの各記述は,それらの見解を組み合わせて考えた場合に,憲法第9条による戦争放棄の範囲等がどのように帰結されるかを述べたものである。アからウまでの各記述について,正しいものには○,誤っているものには×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。(解答欄は,[№24])
a.
①.第1項は,戦争と,武力による威嚇又は武力の行使を,国際紛争を解決するための手段として放棄したもであり,自衛目的によるものは放棄していない。
②.およそ戦争とは全て国際紛争解決の手段として行われるものであり,その目的のいかんを問わず,戦争と武力による威嚇又は武力の行使は,第1項により一切放棄されている。
b.
③.「前項の目的を達するため」とは,第1項による戦争放棄の目的を達するためという意味であり,第2項はそのための戦力の保持を禁止したものである。
④.「前項の目的を達するため」とは,戦争を放棄するに至った動機を一般的に示すものであり,第2項は一切の戦力の保持を禁止したものである。
ア.①及び③の見解を前提とすると,自衛のための戦争は認められるので,そのための戦力保持は許されることになる。
イ.①及び④の見解を前提とすると,一切の戦力の保持が禁止される結果として,自衛のための戦争も放棄されることになる。
ウ.②及び④の見解を前提とすると,侵略戦争はもとより,自衛のための戦争も認められず,そのための戦力の保持も一切許されないことになる。
1.ア○ イ○ ウ○ 2.ア○イ○ ウ× 3.ア○イ× ウ○ 4.ア○ イ×ウ× 5.ア×イ○ ウ○ 6.ア×イ○ ウ× 7.ア×イ× ウ○ 8.ア×イ× ウ× 検討
アについて、①の見解は侵略目的の戦争のみ放棄したと考え、③の見解は「目的」は1項の目的を受けたものだから、両者を組み合わせると侵略戦争目的の戦力を保持したことが禁止されていいると考えている。
なので、アの見解は正しい。
イについて、④の見解は「一切の戦力の保持を禁止」していると考えているので、①と②のどちらをとってもすべての戦争を放棄することになる。
なので、イの見解は正しい。
ウについて、②の見解から自衛戦争も認められず、④の見解から一切の戦力の保持も認められない事になる。
なので、ウの見解は正しい。
正答率は50%台の問題。しかし、9条の条文をなんとなく知っていれば後は単純な国語問題。
芦部憲法に条文も載ってあるので、六法で条文を素読をする必要も特にない。
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〔第12問〕(配点:2)
天皇又は皇室に関する次のアからエまでの各記述について,正しいもの二つの組合せを,後記1から6までの中から選びなさい。
ア.天皇は,精神若しくは身体の疾患又は事故があるときは,国事行為を委任することができる。この場合には,摂政が天皇の名で国事行為を行う。
イ.皇室に財産を譲り渡し,又は皇室が財産を譲り受け,若しくは賜与することは国会の議決に基づかなければならない,というのが憲法の定める原則である。
ウ.皇位の継承について,大日本帝国憲法は,「皇男子孫之ヲ継承ス」と定めていたが,日本国憲法は,男系男子主義までも求めるものではない。
エ.国務大臣の任免,法律の定めるその他の官吏の任免の認証は,天皇の国事行為とされている。認証は,これらの行為の効力要件である。
1.アとイ2.アとウ 3.アとエ 4.イとウ 5.イとエ 6.ウとエ 検討
アについて、よくわからないのでとりあえず保留。
イについて、憲法の条文のまま。正しい。
ウについて、日本国憲法には世襲とまでは書いてあるが男系男子までは書いていないので、正しい。
エについて、知識ではわからないが、天皇に国政に関する権能を有しないとしている憲法の理屈からすると効力要件なわけがない。なので誤り。
アは△にしたもののイとウについては正しいといえるので、正解は4。
正答率が50%の問題だが、芦部憲法に書いてある条文知識+αで正解にたどり着く。
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