司法試験短答過去問検討

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〔第21問〕(
次のアからエまでの各記述について,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。

ア.法律による行政の原理の下においては,国が補助金の交付を行う場合には,法律によって補助金交付の根拠を定めなければならず,補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律がこれを定めている。
イ.厚生労働大臣は,隔離を要する疾病が発生した場合には,厚生労働省設置法第4条第4号,第19号に基づき,隔離を要する疾病に罹患した患者について,強制隔離の措置を執ることができる。


(参照条文)厚生労働省設置法
第4条   厚生労働省は,前条の任務を達成するため,次に掲げる事務をつかさどる。
一〜三   (略)
四   原因の明らかでない公衆衛生上重大な危害が生じ,又は生じるおそれがある緊急の事態への対処に関すること。
五〜十八   (略)
十九   感染症の発生及びまん延の防止並びに港及び飛行場における検疫に関すること。
二十〜百十一   (略)
2   (略)


ウ.民法第177条は,本来,私人間の法律関係を規律するものであるから,公権力の行使や公の行政活動については,これが直接適用されることはない。

エ.行政機関が定立する定めであっても,国民の権利義務に直接関係しない行政規則は,行政機関が法律の根拠なくして定立することができる。

アについて、法律による行政が必要なのは、普通は国民の権利利益を侵害する場合と考えているので、補助金と言う利益を与える場合は、法律の根拠は必要ないはず。
また、後段の「予算の執行の適正化に関する法律」についても、文字面だけ見れば、適切に補助金を出しなさいよ、と言っている法律に過ぎないはず。
よって、誤り。

イについて、参照条文を読んでみても、つかさどる事務は「緊急事態への対処」とか「検疫」としか書いていない。
とすると、「強制隔離」みたいな厳しい措置は文言から見て別途条文ない限り不可能なはず。
よって、誤り。

ウについて、177条が租税滞納処分での差し押さえの際、適用されたと言う事はテキスト(Wセミ、基礎行政法)にも書いてある。
よって、誤り。

エについて、その通り。

以上から、アからウまでは2で、エは1。

〔第9問〕
酒類販売の免許制が憲法第22条第1項に適合するか否かについて判示した最高裁判所の判決(最高裁判所平成4年12月15日第三小法廷判決,民集46巻9号2829頁)に関する次のアからウまでの各記述について,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。

ア.この判決は,許可制の場合には重要な公共の利益のために必要かつ合理的措置であることを要するとする一方で,租税法の制定に当たっては立法府の政策的・技術的な裁量的判断が尊重されるべきであるとして,許可制の必要性と合理性についての立法府の判断が政策的・技術的裁量の範囲を逸脱した著しく不合理なものでない限り,合憲であるとした。
イ.この判決は,酒類販売の免許制は,酒類が致酔性を有する嗜好品であることから,酒類の無秩序な販売による国民の健康安全に対する弊害を防止するために必要な規制であるとしつつ,消費者への酒税の円滑な転嫁のため,これを阻害するおそれのある酒類販売業者を酒類の流通過程から排除するための規制でもあるとして,規制の目的を複合的なものと判断した。
ウ.この判決は,酒類販売の免許制は,経済的弱者保護という意味での積極目的による規制とは異なるとした上で,免許の許否が実際に既存の酒類販売業者の権益を擁護するような運用になっているか否かに着目すべきであるが,そのような運用がなされていない限り酒税法の立法目的を明らかに逸脱するものであるとはいえず,合憲であるとした。


アの肢にに付いて、この判例は許可制だから厳しく審査すべきだと思うだろうけど、租税関係は立法の裁量が大きいので緩やかな審査基準で行くべきだろうし、酒は趣向品だから緩く審査しても構わないよね、と言っていたと記憶していて、その記憶から考えて特に間違った事はいっていないので、多分正しい。

イの肢に付いて、この肢のような事を言っていかそうでないかは記憶にないが、仮に健康被害への予防などと言う事を言っていれば、芦部本にそれに付いて書いてあるはず。しかし、そのような記述があったとは記憶していないので、多分誤り。

ウの肢に付いて、経済的弱者保護云々に付いてはよく解らない。しかし、酒販売業者の保護のくだりに付いては明らかにおかしい。なので、多分誤り。

以上から、アは1でイとウは2になる


有名な判決ではあるが、そんな判決でも事細かに記憶する事は不可能。なので、知っている基本的な部分(芦部本に書いている程度)から推論を働かせて、問題を解いていく。

〔第16問〕
次の文章は,最高裁判所平成10年12月1日大法廷決定(民集52巻9号1761頁)の中で,裁判官に対する懲戒と憲法第82条第1項との関係について論じた部分を要約したものである。次のアからウまでの各記述につき,この見解に対する批判となり得る場合には○を,批判となり得ない場合には×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。

「憲法第82条第1項は,裁判の対審及び判決は公開の法廷で行わなければならない旨を規定しているが,右規定にいう『裁判』とは,現行法が裁判所の権限に属するものとしている事件について裁判所が裁判という形式をもってする判断作用ないし法律行為のすべてを指すのではなく,そのうちの固有の意味における司法権の作用に属するもの,すなわち,裁判所が当事者の意思いかんにかかわらず終局的に事実を確定し当事者の主張する実体的権利義務の存否を確定することを目的とする純然たる訴訟事件についての裁判のみを指すものと解すべきである。/そして,裁判官に対する懲戒は,裁判所が裁判という形式をもってすることとされているが,一般の公務員に対する懲戒と同様,その実質においては裁判官に対する行政処分の性質を有するものであるから,裁判官に懲戒を課する作用は,固有の意味における司法権の作用ではなく,懲戒の裁判は,純然たる訴訟事件についての裁判には当たらないことが明らかである。したがって,分限事件については憲法第82条第1項の適用はないものというべきである。」

ア.裁判官に対する懲戒の裁判が行政処分の実質を有するとすれば,被処分者は裁判を受ける権利に基づきそれに対し不服の裁判を提起することができ,その裁判の対審及び判決は公開法廷で行われなければならない。
イ.裁判官に対する懲戒の裁判を非公開にすることは,裁判官の身分保障の弱体化を招き,司法権の独立が侵害されるおそれがある。
ウ.裁判官に対する懲戒の裁判が,固有の意味における司法権の作用ではないとしても,これを公開することで裁判の公正・中立に対する国民の信頼が確保されることを見過ごしている。

1.ア○   イ○   ウ○  2.ア○   イ○   ウ×  3.ア○   イ×   ウ○
4.ア○   イ×   ウ×  5.ア×   イ○   ウ○  6.ア×   イ○   ウ×
7.ア×   イ×   ウ○  8.ア×   イ×   ウ×

「 」の内容より先に、アからウまでを先に読む。

「 」の内容は、裁判官の分限裁判は「裁判」(憲法82条)にあたらないとする判例である事は、問題文の柱書やアからウまでの記述で解るので、最初からは読まないで「そして」の部分から読んでいく。

次に、アから検討していく。

アについては、たしかに、不服の裁判に付いては公開法定ですれば足り、懲戒の裁判そのものに付いては公開でする必要はないのではないか、よって批判にならない、とも読めそうだが、現在に付いてはそのようの不服の訴えを被処分者たる裁判官する事が出来ない。
とすると、不服の裁判のない現行では懲戒の裁判そのものを公開とすべきではないか、と後に理屈がつながっていくものと推論できる。
よって、アの見解は、批判となりうる。
明確に批判と言えるかは疑問だが、問題文は「批判となりうるか」を聞いているので、あまり深く考えない。

イに付いては、裁判官の身分保障のためには懲戒の裁判を公開すべき、と言う話なので、批判になりうる。

ウについては、国民の信頼の為に懲戒の裁判を公開すべき、と言う話なので、批判になりうる。

以上から、全て批判になりうるので、正解は1になる。

過去問検討で鍛錬すべき実践的な思考方法に付いて、文書化してみました。


〔第3問〕
民法第900条第4号ただし書前段をめぐる最高裁判所の決定(最高裁判所平成7年7月5日大法廷決定,民集49巻7号1789頁)に関する次のアからウまでの各記述について,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。


ア.法定相続分の嫡出性に基づく別異の取扱いの合憲性に関して,多数意見は当該取扱いが「著しく不合理」であるか否かを検討する。それに対し,反対意見は,そもそも,立法目的と手段との間の合理的関連性の存否を審査すべきだとする。

イ.多数意見によれば,法定相続分の嫡出性に基づく別異の取扱いは民法が採る法律婚主義から生じるものであって,不合理な区別ではない。それに対し,反対意見によれば,生まれてきた子供には何の責任もないし,自らの意思や努力によって変えることができない属性に基づく差別である。

ウ.多数意見は,相続制度が総合的な立法政策によるものであることと法定相続分規定の補充性を理由に,相続制度の法定に関する広い立法裁量を帰結する。それに対し,反対意見は,立法裁量にも憲法上の限界があるとした上で,そのような限界として個人の尊厳を挙げる。


この判例で、すぐに記憶喚起できる内容は、非嫡出子相続分は嫡出子より少ないとする法令の合憲性を争った事件であり、最高裁は合憲判決をくだした、と言うことぐらい。
記憶でとくのは無理なので、他の方法で解いていく。

まず、アに付いては、記憶では解けないが、多数意見に付いてはそんなにおかしなことろはないと思う。しかし、反対意見の「合理的関連性の存否を審査すべき」であると言う意見に付いては、関連性の判断は合憲判断をくだした多数意見でも審査すべきことであるので、反対意見だから特に審査すべきと言う関係にはないはず。
そこで、多分誤りとする。

次にイについては、多数意見の法律婚主義云々に付いてはそんな事は言っていたし、反対意見に付いても特におかしい事はない。
そこで、多分正しい。

ウに付いては、法定相続分の補充性云々に付いては法律上もその通りだし、判例も言っていたよう気がする。反対意見に付いても特におかしい事はない。
そこで、多分正しい。

以上から、アは2、イは1、ウは1にする。


本試験では正答率55%くらいの問題。

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