|
夕暮れの甲府盆地をスーパーあずさ28号は時速130キロで走り続けています。石和温泉駅を通過すると富士川水系・笛吹川の橋梁を渡ります。ブドウ畑の広がる勝沼の斜面を抜けると、列車は笹子トンネルに突入します。笹子トンネルは甲府盆地東端の塩山と、相模川水系の笹子を結ぶ長大トンネルで、上り列車のスーパーあずさ28号は1965年に、中央本線の複線化の際に新設された「新笹子トンネル」を走ります。
笹子トンネルを出ると、カーブが連続する山岳区間の中を走ります。相模川水系の笹子川に沿った深い渓谷の中をスーパーあずさ28号は車体を傾かせながら走行します。中央本線の線路の近くには中央自動車道の高架橋と、国道20号線の道路が平行して走っています。初狩駅を通過すると渓谷の幅が広くなり、山梨県の大月市へと入ります。
富士急行線大月線が分岐しているJR大月駅を通過中です。行きに乗ったスーパーあずさ1号はこの大月駅には停車しましたが、上りの28号は通過します。夕暮れの大月駅ホームには中央快速線の10両編成の列車が停車していました。首都圏から中央快速線の列車はほとんどが高尾駅までですが、中には相模湖、大月まで来る列車も設定されています。
大月を出ると再び渓谷に沿ったカーブの多い線路を走ります。上の写真は鳥沢駅付近を通過中に撮影しました。夕暮れから夜へ移り変わりつつあります。
夕暮れが深くなると、空と山の稜線の境界が段々見分けがつかなくなってきます…。
スーパーあずさ28号に使用されているJR東日本E351形列車はカーブの多い区間を高速で走行することができる制御式振り子装置を装備しています。塩尻〜新宿駅間の中央本線は山間部でカーブが非常に多いので、振り子装置は威力を発揮します。曲線通過時に車体傾斜をコンピュータ制御する「制御式自然振り子式」を採用しています。車体の傾斜角度は約5度となっていて、半径400メートルの曲線で本則+25Km/hでの走行が可能です。
相模湖駅を通過すると小仏トンネルに突入します。東京都と神奈川県の県境に位置する小仏峠を全長2574メートルの小仏トンネル(上り線専用。下り線は複線化工事で完成した「新小仏トンネル」を使用)を時速130キロで走ります。平行して走っている中央自動車道にも同名の小仏トンネルがあります。中央道の小仏トンネルは上り線が上り坂に位置しているために、激しい渋滞が頻繁に発生します。
小仏トンネルを抜けると多摩川水系の南浅川に沿ってしばらく走ります。19時02分、八王子駅にスーパーあずさ28号は滑り込みます。八王子駅は西東京の中心地で、全ての「あずさ」「スーパーあずさ」「かいじ」が停車します。八王子駅ではJR横浜線やJR八高線の始発駅であり、神奈川や埼玉方面へ向かうことができるターミナル駅です。8号車からは10人以上が下車しました。
続いて19時11分、JR立川駅に到着します。新宿方面からやってきた電車から降りる人々で、立川駅は通勤ラッシュの真っ最中です。8号車からはかなりの人が下車し、乗車率は30パーセントほどとなりました。立川駅は南武線や青梅線が発着する西東京一の駅です。立川駅を出ると新宿までノンストップで走ります。
立川駅から新宿駅までは中央快速線の線路を時速95キロで軽快に走っていきます。前方にはオレンジ色の帯の快速列車が走っているので、スーパーあずさ28号は減速したり、線路上に一時停止ながら走ります。中野駅を過ぎると案内放送が流れ始め、新宿駅到着となります。
19時35分、スーパーあずさ28号は新宿駅の10番線ホームに到着します。お隣の中央快速線ホームでは通勤ラッシュの真っ最中ですが、特急列車から降りた乗客の人たちがいなくなった10番線ホームは、特急列車専用のホームなので閑散としています。これで吹雪の上高地のレポートは終了です。次回は6月の中旬、「新緑の上高地」を予定しています!!! |
11.上高地4・5月
[ リスト | 詳細 ]
|
16時58分、スーパーあずさ28号 新宿行きの列車は松本駅を静かに発車します。松本駅前にそびえ立っているビジネスホテル・「ホテルブエナビスタ」の建物を左手に見ながら、奈良井川の支流・田川の橋梁を渡ります。橋を渡ると列車は一気に加速し始めます。しばらく列車はJR篠ノ井線の線路を走ります。
松本盆地を南北に縦断しているJR篠ノ井線の直線の線路をスーパーあずさ28号は時速130キロで軽快に走行していきます。JR村井駅の広大な貨物ターミナルが見えてくると案内放送が流れ、広丘駅を通過すると一気にブレーキがかかります。
17時07分、JR塩尻駅に停車します。塩尻駅は中央本線から篠ノ井線が分岐する駅です。塩尻駅から先は中央本線の線路を走ります。塩尻駅でも数人くらいのお客さんが8号車に乗ってきました。
塩尻駅を発車すると列車は中央分水嶺の稜線を貫く「塩嶺トンネル」を時速130キロで通過します。塩嶺トンネルは1983年10月に開通した中央本線のトンネルで、塩尻駅と岡谷駅を短縮して結ぶ複線トンネルで、全長5994メートルです。この新トンネルができる前は、特急あずさ号は塩尻駅から「大八廻り」と呼ばれる迂回ルートを通っていました。
塩嶺トンネルを抜けると中央本線の旧線・飯田線の線路が合流します。上空に長野自動車道・岡谷高架橋が見えてくると岡谷駅に停車します。岡谷駅は諏訪湖畔の環境を生かした、精密機械工業が盛んな街で、諏訪地方の中心地でもあります。岡谷駅には17時15分に到着、すぐに発車し、諏訪湖に沿った単線の線路を時速100キロで走ります。
下諏訪駅を通過すると甲州街道(国道20号線)に沿って走ります。諏訪湖の東岸に広がる上諏訪温泉のホテルや旅館の建物が見えてくるとブレーキがかかり始めます。
17時22分に上諏訪駅に到着します。今年の2月に上諏訪の町を訪れた時には駅のホームの中にある足湯の温泉に入った記憶があります。上諏訪駅には新宿と松本を結ぶ全ての特急列車が停車します。駅の西側には上諏訪温泉と諏訪湖が広がっています。駅の東側には諏訪市の中心街が広がっていて、甲州街道上諏訪宿の宿場町の跡があります。
上諏訪駅を出発するとすぐにお隣の茅野駅に到着します。茅野駅にも全ての特急「あずさ号」「スーパーあずさ号」の全列車が停車します。この茅野駅から霧ヶ峰方面へ向かう路線バスが出ていて観光利用が多いのですが、この日はほとんどお客さんはいませんでした。茅野駅を出発すると長野県と山梨県の県境である「信濃境」を走ります。
全国のJRで標高が高い(小海線の開通まで)「信濃境」を走っています。右手には八ヶ岳、左手には南アルプスの稜線を眺めています。しばらく走ると車窓が枯れ木の白樺の原生林の中を走り始めます。この白樺の原生林は、また新緑の時期に見てみたいです。
JR信濃境駅を通過すると長野県から山梨県へと入ります。JR長野支社の管轄から八王子支社の管轄する線路をスーパーあずさ28号は走ります。17時40分、白樺の原生林の中にあるJR小淵沢駅に到着します。小淵沢駅ではJR小海線と接続しています。八ヶ岳や野辺山、清里から戻ってきた観光客の人たちが数人乗りこみました。小淵沢駅を出発すると甲府駅まではノンストップで走ります!!!
右手に南アルプスの稜線を眺めながら、釜無し川に沿ってスーパーあずさ1号は緩い下り坂を走り続けます。甲府市街地がはるか遠くに見える頃には辺り一帯は夕暮れの様相を呈してきました。JR竜王駅を通過すると速度が落ち始め、甲府市民の通勤・通学ラッシュが始まっている18時04分、スーパーあずさ28号は甲府駅に滑り込みます。 |
|
アルピコ交通(松本電鉄)上高地線の全線を走り、16時35分に松本駅に到着しました。松本電鉄のホームから3番線ホームに移動すると、16時58分発の特急スーパーあずさ28号 新宿行きの列車がホームで待機しています。松本駅では通学・通勤ラッシュが始まっているのか、到着する列車には多くの利用者が乗っています。3番線ホームではこれから甲府・新宿方面へ向かう出張帰りの人や観光客の人が列を作っています。
スーパーあずさ28号に使用される車両はJR東日本E351系(量産車タイプ)で8両+4両の12両編成です。車体の塗装はアースベージュをベースに、「気品・優雅」を表しているグレースパープルの帯と、「未来・優雅」をイメージしているヒューチャ―バイオレットの帯を配しています。上高地の中を流れている梓川の清涼なイメージに合っている列車です。
新宿方の前から4号車・5号車は貫通扉の付いた先頭車同士が連結しています。松本方の8両編成の列車は松本駅からさらに先、JR大糸線の南小谷駅まで直通運転してたのですが、2010年3月のダイヤ改正で全てのスーパーあずさ号が松本発着となり、大糸線での運用が終了しました。
スーパーあずさ28号の車体の側面には、梓川をイメージしたシンボルマークが描かれています。
編成の真ん中にある9号車はグリーン車となっています。グリーン車の座席は普通席と同じ2列+2列の配置ですが、シートがひとまわり大きく、足周りも広くなっています。読書灯やフットレストが装備されているなど、普通車との差別化が図られています。
今回私が指定席を確保してあるのは、グリーン車の隣にある8号車です。早速入ってみます。ドアの横には号車を示すステッカーが貼られているので、どの号車に乗ればいいのか、迷わずに済みます。ちなみにJR東日本の新幹線・特急列車は2007年の3月から健康増進法によって全車禁煙となっています。
E351系列車はスーパーあずさ号の運用に就くことがほとんどなので、沿線にスキー場が多く、スキーの板を置くことのできるスペースがデッキに設置されています。
8号車・普通車の車内の様子です。座席が2列+2列で定員は64名です。車体断面はタマゴ型をしており、天井に向かって引き締まる形状となっています。天井には直接照明が設置されていて、シックな雰囲気となっています。
普通車の座席は前後間隔(シートピッチ)970mmのリクライニングシートが2列+2列で配置されています。座席の背面にはカップホルダーとゴム式のマガジンラックが設けられています。マガジンラックの中にはJR東日本の通信販売雑誌である「トレインショップ」のパンフレットが一冊入っています。
この普通車の座席は日本の特急列車の中で「表皮一体成形」なる工法を初採用しています。滑らかな曲線を描く座席の開発に成功しています。背面テーブルは設置されていないので、肘掛内蔵式テーブルを備えています。また座席の背もたれの通路側には取っ手が付いてるので、通路を歩く際の転倒防止に役立っています。
客室とデッキの間は壁で仕切られていて、騒音が客室内に入ってこないようになっています。自動ドアが装備され、ドアに近づくだけで開くことができます。自動ドアの上にはLED式の案内表示機と号車案内板が設置されています。16時58分、スーパーあずさ1号はドアが閉まり、定刻に発車します。出発時点で8号車には6人ほどが乗車していました。 |
|
少し新島々駅を探検してみます♪
2011年4月1日に「松本電鉄」から「アルピコ交通」の持ち物となった新島々バスターミナルです。駅舎と同じ建物の中にバスターミナルの施設が入っていて、電車と路線バスは一体化して運用されています。新島々バスターミナルからは電車の到着に接続する形で、上高地、乗鞍高原・白骨温泉、畳平への路線バスの基点となっています。それ以外に新島々BT発着ではありませんが、松本バスターミナルと平湯温泉、新穂高温泉、高山を結ぶ特急バスが新島々BTを経由しています。
左側の入り口が電車の改札口です。その右側には窓口と券売機があります(鉄道用)。電車が到着すると社員の方が路線バスの案内を始める感じで、完全に鉄道とバスが一体的に運用されています。お盆や紅葉の最盛期にはこのバスターミナルには長蛇の列ができますが、この日は閑散としていました。
新島々駅の背後には山の稜線と、発電所の建屋が建っています。屋根の付いている待ち合わせ場所と広大な停車スペースが設置されています。お盆や紅葉の多客期には、路線バスに乗りきれないお客さんなどが発生した場合には、お隣にある営業所から臨時バスをすぐに手配する体制になっているそうです。
通行量の多い国道158号線を挟んで、新島々営業所の敷地が広がっています。上高地や乗鞍高原へ進入する低公害バスタイプの路線バスが整然と並んでいます。この営業所の裏側には梓川が流れています。
16時06分発の松本行きの列車の改札が始まりましたので、電車に乗ろうと思います。この「アルピコカラー」と呼ばれている鮮烈な塗装はいつ見ても釘づけになってしまいます。「松本電鉄上高地線」から「アルピコ交通上高地線」と変わりましたが、車両にはまだ「松本電鉄」の表記が残っています。
新島々駅から先には線路が続いています。この先に土砂崩れで寸断された場所まで歩こうと思えば歩けるのでしょう。
「Highland Rail」…。標高が高いアルプスを行く鉄道のことですね。
列車は2両編成で、ワンマン運転です。
お客さんは私を含めて3人(!!!)でした。開山明けの上高地の帰りですと、仕方がありませんね…。2010年のお盆明けに来た時は20人以上は乗っていました。 |
|
稲核橋(いなこきばし)
松本市稲核地区の街中を路線バスは抜けると、梓川の右岸側から再び左岸側へと移ります。梓川の水面から上空50メートルの地点に架かっている稲核橋を渡ります。1965年に完成した上路アーチ橋の構造です。天気は完全に晴れ間が広がっています。上の写真には写っていませんが、稲核橋の上流側には「安曇三ダム」の最下流側にある稲核ダムのアーチ式コンクリートダムの堤体が広がっています。
明ケ平洞門
梓川の左岸側へ移ると10パーミールの下り勾配がしばらく続きます。下り勾配の国道158号線には多くのスノーシェッドが造られています。道路も山の稜線に合わせてぐねぐねと曲がっているので、路線バスは減速しながら走行していきます。
2つ目の洞門の名前は失念しました(>З<)
国道158号線は松本市街地と安房峠(安房トンネル)を介して飛騨高山地方を結ぶ一級国道ですが、平行して走る自動車専用道路の建設が計画されています。「中部縦貫自動車道」という名前の高速道路で、長野自動車道松本インターチェンジ付近から分岐して、波田、中ノ湯、安房トンネル、平湯温泉を経由して、東海北陸自動車道飛騨清見インターチェンジまで結ぶ高規格道路です。これが完成すると、松本市街地から上高地までの所要時間が劇的に改善されます。
宮沢洞門
3つ目の洞門は「宮沢洞門」です。
トンネルナンバー無し 三本松トンネル 全長370メートル
国道158号線最後のトンネルを走ります。このトンネルが完成したのは1994年3月と比較的新しいのが特徴です。片側2車線+歩道付きの高規格なトンネルとなっています。開通以前にはこのトンネルの右側に道路が斜面にそって伸びていて、「猿なぎ洞門」という名前のスノーシェッドがあったのですが、1991年10月に大規模な土砂崩れが発生、猿なぎ洞門は一部を残して梓川へ叩き落とされました。梓川の対岸に架設道路を敷設し、すぐに新しいトンネルが建設されたのです。
島々橋(しましまはし)
学校前 停留所 15:38
三本松トンネルの下り坂を抜けると島々の街中へと入ります。松本私立安曇中学校の前を通過すると国道158号線は島々谷川を渡る島々橋の手前の交差点を左折し、国道158号線の旧道へ入ります。島々橋が現在の本線となっていますが、橋の完成以前の2003年までは島々の街中を国道が通っていました。
島々谷川と梓川
安曇支所前 停留所 15:38
島々 停留所 15:39
2003年以前まで国道158号線の本線であった島々の街中の道路を走ります。島々谷川は常念山脈の霞沢岳 周辺の稜線の水が集まってできている川で、島々の集落のあたりで梓川に合流しています。ここ島々から霞沢岳付近を経由して、上高地へ入ることも可能です。上の写真は島々の停留所そばの橋から撮影した島々谷川です。この辺りの桜の満開のピークは4月の下旬なのですね。
野沢 停留所 15:40
発電所前 停留所 15:40
再び国道158号線に合流すると、路線バスは梓川に沿った道路を走ります。このあたりには発電所が多く、対岸には「竜島発電所」の導水管トンネルが斜面に沿って設置されています。道路は落石防止ネットが斜面に沿って延々と続いています。
松本電鉄上高地線 島々駅跡地 大野田 停留所 15:41
斜面が開けると松本市波田(合併前の波田町)へと入っていきます。大野田停留所辺りには松本電鉄バスの車庫がありますが、かつてここには島々駅がありました。現在のアルピコ交通上高地線の終点は1983年までは新島々駅ではなく、この辺りにあった島々駅だったのです。台風の襲来によって発生した土砂崩れによって線路が寸断、その後復旧されることなく廃止され、新島々駅が終着駅となったのです。
前渕 停留所 15:41
島々駅と新島々駅の間のあたり、上の写真の辺りで台風に伴った土砂崩れが発生したのです。道路の右側の斜面を見てみると、朽ち果てた橋梁が残っています。
アルピコ交通(松本電鉄バス) 新島々営業所
新島々バスターミナルへの到着の案内放送が流れてくると、国道158号線の左側にカラフルな色で塗装されているバスが何台も停まっている車両基地が見えてきます。上高地バスターミナルと、道路を挟んで隣接している新島々営業所です。新島々バスターミナルから上高地・白骨温泉・乗鞍高原方面へと走る路線バスを担当している営業所です。
対向車線に車がいなくなることを確認して…。
アルピコ交通 新島々駅・新島々バスターミナル
新島々バスターミナル 到着 15:45
新島々駅に併設されている新島々バスターミナルの敷地へと入ります。新島々駅の駅前広場がバスターミナルとなっていて、バスターミナルの敷地内に松本電鉄バスの営業所の駐車場も置かれています。 上高地バスターミナルを出発して1時間5分で新島々バスターミナルに到着しました。電車の発車時間まで約20分ほどあるので休憩します。バスターミナル内には休憩室が設置されており、自動販売機やベンチが利用できます。電車の発車時間が近づくと、駅社員の方が案内放送をしてくれます。
乗ってきたバスは折り返して再び上高地へ向かうようです…。 |



