橋詰雅博の焦点

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          (著者の安田浩一さん)
 
 会員1万2000人を超える保守・右翼団体の中では最大規模
日本ジャーナリスト会議(JCJ)出版部会は、今年度のJCJ賞と講談社ノンフィクション賞のダブル受賞となった「ネットと愛国 在特会の『闇』を追いかけて」(講談社)の著者・安田浩一(48)さんの講演を11月30日(金)夕方、岩波セミナールームで行った。安田さんは週刊誌や月刊誌の記者を経て2001年からフリーになった。著書に「ルポ 差別と貧困の外国人労働者」(光文社新書)、「外国人研修生殺人事件」(七つ森書館)、「JALの翼が危ない」(金曜日)などがある。事件や労働問題を中心に取材と執筆活動を続けている。
 「在日コリアンなど外国人が日本で不当な権利を得ている」と主張
単行本「ネットと愛国」の主人公は「在日特権を許さない市民の会」と名付けられた市民団体。通称「在特会」と呼ばれ、2007年にスタートし、「在日コリアンなど外国人が日本で不当な権利を得ている」と主張するこの団体は、インターネットの掲示板で入会を呼びかけ、朝鮮学校無償化反対、外国籍住民への生活保護支給反対、不法入国者追放など排外主義的なメッセージを掲げ、全国各地でデモを行い集会も開いている。現在、会員は1万2000人を超えるそうで、保守と右翼の団体の中では最大規模の〝市民保守団体〟だ。安田さんは外国人労働者の実態を取材しているうちにネット上で外国人排斥を強烈に訴える「在特会」を見つけ、「殺せ」「抹殺しろ」などと過激な言葉を口にするメンバーの実像を知りたいという動機がきっかけで、09年に取材に踏み込む。取材は約1年半に及んだ。
非正規労働者が中心、支援幅広く小額カンパで1000万円集める
安田さんが言う。
「醜悪で品性下劣な悪口を言いまくる在特会メンバーは、近所にいたら付き合いたくない人々。しかし、取材で会うと、私のような平凡、普通の人たちだったからビックリした。ネット上で登録すれば、だれでも会員になれてボクも会員。非正規労働者が中心だが、高校生、大学生、主婦、エリートサラリーマンもいます。いろんな人が交じっている。正しい愛国路線が違うと右翼から嫌われ、もちろん左翼からも相手にされないが、街頭デモをやると人は集まる。高速バスに乗って地方からくる高校生もいる。デモ参加者は強制されたのではなく、自分の金を使ってくる。政治的やスポンサーの背景はまったくなく、特定のだれかから金をもらわずにやっている純粋な草の根運動です。在特会の預金通帳を見せてもらったことがあるが、500円とか700円とか小額カンパがたくさん振り込まれている。デモ行進の際に1000円札を参加者にそっと渡すおばさんもいる。そうしたことで収入は1000万円にもなっている。そんな市民団体が日本にありますか。そこがこの団体の強み。隙間にあらわれた不気味な動き。今の日本のひとつの現象です。日本の気分というか、体温というべきかそんなものが表れている」
        敵視する相手は大阪の橋下市長とシンクロする
安田さんは在特会広報担当者に「何を獲得したいのか何が目的なのか」を尋ねたことがあるという。これについてその担当者は「私たちは階級闘争をしている。外国人によって奪われた日本、壊されつつある日本、被害者による抵抗だ」と答えた。在日コリアンなどの外国人に対する日本人はしばしば上から目線で見下すが、在特会は下から見上げる視点に立ち外国人を始め教師、公務員、マスメディアを敵視する。立場はともかく大阪の橋下市長もこうした相手を敵視しており、そういう意味では在特会と橋下市長の考えはシンクロしている。
       気にいらないと「反日勢力」と決めつけ標的に
在特会のデモ行進でもっとも大規模で団体の名前を高めたのが11年8月の「フジテレビ抗議デモ」。幼児をベビーカーに乗せた若い母親や日章旗を持った若者など6000人が集合。〝韓流ドラマ偏重〟を批判し、「日本の正しいドラマを放送しろ」「フジテレビをつぶせ」とシュプレヒコールを繰り返したのだ。
「竹島の領土問題がクローズアップされると、コリアタウンの新大久保でデモを行い、〝竹島は日本もの〟〝コリアンは日本から出て行け〟とシュプレヒコールを叫び、化粧品を売る在日コリアンの若い女性にからみ〝正義も名のもとに闘っているんだ〟と罵声を浴びせていた。旧日本軍の従軍慰安婦問題でも鴬谷でデモをやった。あそこは在日コリアンの売春が多いと言われている地区。〝朝鮮人売春婦は出て行け〟〝従軍慰安婦は金が欲しかったら従ったのだ、なぜ日本が補償しなければならないのか〟などと主張。8月6日の広島平和祈念式の近くで行うデモでは、<広島から日本覚醒! 日本を守るために一日でも早い核武装を! 反日国家の核武装を容認する反日極左を瀬戸内海に叩き込め!>と書いた横断幕を掲げて行進。在特会のデモはいつも吐き気がします」(安田さん)
自分たちが気に入らないとすべて「反日勢力」と決めつけ、標的にするのだ。
不満や不安をコントロールできず排外主義や差別にはけ口を求める
カリスマ性があるという40歳の桜井誠会長が率いる在特会への入会の動機は何のか。
「こんなエピソードがあります。父親が日本人で母親が外国人の青年は会う人ごとに〝あなたはどこで生まれたの〟と尋ねられる。何百回、何千回も。自分は日本人だし、日本語しか話せない、日本人になり切ろうとしているのに。あるとき日の丸を持った在特会のデモに遭遇した。仲間に入りたいと告げると、ハンドマイクを渡され、〝好きなことをしゃべっていいよ〟と言われた。彼は大好きな日本のために何かやりたいと話し、それが終わったら皆、一斉に拍手。彼らは国籍のことなど尋ねなかった。演説が認められ、ようやく社会とつながりができたと思ったそうだ。〝善意の募金を朝鮮学校に送った日教組徳島は出てこい〟と徳島県教職員組合(徳島市)に在特会がデモを行ったとき、彼は事務所に乱入し警察に逮捕されました。メンバーの多くは不満や不安をコントロールできない。地域から住民から家族からの視点はなく、周りから白眼視されている。自分が不幸なのは外国人などが原因と短絡してしまう。すべての言動がナショナリズムに向く。行きついた先が排外主義や差別、レイシズムであり、これは絶対に許せない。在特会を温かい目で見る必要はありません」(安田さん)
安田さんのケータイには日に何回も無言がかかり、自宅周辺に不審者を見つけることもあるという。ただ、暴力的な怖さは感じていないそうだ。
在特会という日本の〝ゆがんだ部分〟が表面化してきている。あなたの近所にもメンバーがいるかもしれない。

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