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先日から読みたいと思い、途中まで読んでいた、伊坂 幸太郎氏の 「死神の精度」
初めて伊坂氏の作品を読了したのは、「オーデュボンの祈り」でしたが、こちらの作風はとても・そうですね、私には非常にシュールすぎるように感じ、感想をまだブログにて更新しておりません。
このような世界観もあり、また一つひとつの言葉にも意があると思い、今後も違う作品を読了していこうと思いましたが、その今後として選択したのが、「死神の精度」
こちらの世界観にはとても感銘や清々しさを受けた読後感であり、途中までで読むのを止めてしまっていた事すら悔いてしまったように思います。
東野 圭吾氏の作品に非常に影響を受けている状態ですが、他の作家さん達の秀逸な作品も今後は時間のある限り読了していきたいと思い、読み始めましたが、本当に面白かった。
タイトル 「死神の精度」 というと、「死」を直結して考えてしまいますし、話の展開も 「死」をテーマとして取り上げているのですが、主人公の死神 千葉さんの存在や言葉や内面の心境を綴る部分でとても重いテーマとして成り立つ部分も、気持ちを軽くしてくれたり、このような感覚で「死」をテーマにした秀逸な小説もあるのだとしみじみと実感しました。
言葉の掛け合いにしても、些細な心の中の呟き具合も面白いです。
ただ面白いだけでなく、やはりテーマがテーマであるので、考えさせられる部分も多分にありますが、悲壮感漂う結末ではなく、話の展開もリンクしている面も面白いし、ミステリー仕立ての内容もあり、最後の短編集 「死神対老婆」は非常に目から鱗のような感覚で爽快な読後感へと、1冊の本のグレードを高めていますね。
一気に読了するのが、お勧めかと思いました。
個人的には、「恋愛で死神」 も好きです。
切ないですし、この短編集では、被害者となる、死神調査によって「可」の決断が下されて、その最期の場面から数日前を遡るストーリーになっています。
恋愛が凄く切なく感じましたし、どうして彼が 「可」となり、死を迎えてしまうのか、理不尽にも思えましたが、その裏ではもっと重い病にかかっていて、彼にとっては、余命宣告を受けた病での死よりも、恋愛で好きな人と繋がるような死の方が本望であったと思いました。
最期の千葉さんと、女性が話す会話の部分も切ない。
読んでいて、この話が一番印象に残る短編集かなと思いきや、やっぱり最後のフィナーレのような作風であり、全てにおいてリンクも鮮明ですし、またあの女性が登場してくるとは、驚きの感情の中、私も本の中の千葉さんが初めて晴れた空を海の砂浜から見た、美しい光景に言葉が出ない時の心境とも重なります。
千葉さんは、雨の時にしか、仕事をしなかったと思ったのに、最後では素晴らしい光景を観る事が出来て、音楽だけが好みのようでしたが、まだまだ美しいものがこの世に存在する実証を老婆が自身の最期前に教えていたようにも思えて、感激の場面ですね。
言葉も本当にお洒落。
死神であるから、人間が地球で生活するうえで、当たり前に思っている事を、千葉さんは地上に降りた時に仕事上で学んでいる様子も読み応えがありますね。
「雨男」と「雪男」の違い。
「ステーキの焼き加減は聞くけれど、コーヒーの焼き加減は何故聞かない」
街でのチラシも知らない。
当たり前すぎて、忘れていた事をこの本を読んで当たり前だと思い込みすぎるのも人間の悪い面だとも思いますが、改めて考えてしまう事が多いです。
そして千葉さんも、なんだかんだといって、調査人と共に行動を細かくするので、わからないことに関しても、難しい問題に関しても、実に死神感覚とでもいうのでしょうか、ユーモア溢れた会話にもなっています。
「人は必ず死ぬ」
というのが、根本的なテーマではありますが、どこかほんわかしていて、コミカルな感覚で書き上げているのが、伊坂氏の作品の特徴でもあるように思いました。
死神調査員は、皆、日本の都道府県の土地の名前になっていたり、CDショップで視聴している人達は死神の可能性が高いなどもなかなか面白い設定です。
調査員同士の会話も面白い。
調査対象になる人物との会話も面白い。
老婆との会話が一番絶妙ですね。
勘の鋭さには舌を巻きます。
そして余りにも潔い。
素敵な女性。
私も一度、髪を切ってほしいと思いました。
「死神の精度」で特別に 「可」にならなかった女性が後の有名歌手になっていたというリンクも嬉しかったです。
最後でまさかここでの再登場は予想外でしたので、ついつい冒頭のページを読み返してしまいました。
老婆のお洒落なジャケットもずっと気に入って持っていたという経緯もなんだか心温かいです。
老婆は死を持って、沢山の不慮の死で別れてしまった愛する人達と逢えるから、老婆の死後は穏やかに過ごしてほしいです。
「死神の精度」 は、6つの短編集からなる1冊の小説。
・死神の精度
・死神と藤田
・吹雪に死神
・恋愛で死神
・旅路を死神
・死神対老婆
です。
どれの集もお勧めですが、私の読書ペースが一気に上がったのは、恋愛で死神以降のように思います。
最後に 「死神の精度」の話が再び登場したり、「恋愛で死神」の話が実は最後に重要な部分の話へと繋がるリンクの仕方は素晴らしいとしか言葉が出てきませんね。
見事です。
そして、最後に千葉さん、青空を見る事が出来て良かったですね。
この青空を見ることで、千葉さんの中の何かも変化した、死神としての仕事の転機になったように思います。
お洒落な感覚な作品で、またこれからも、東野 圭吾氏・伊坂 幸太郎氏・宮部 みゆき氏を読了していきつつ、興味ある本をも読み進めていきたいと思います。
文字から沢山の言葉を知る事が出来ます。
心を知る事が出来ます。
現実からの逃避だけではない、現実にまた心を戻すきっかけにもなっていますね。
「死神の精度」 お勧めです。
● 死神の精度 伊坂 幸太郎氏 あらすじ
俺が仕事をするといつも雨が降るんだ。
死神は雨とともに現れる――彼の7日間の調査で対象者の生死が決まる。
様々なスタイルで語られる6人の人生。
人気作家の傑作短篇集。
(1)CDショップに入りびたり
(2)苗字が町や市の名前であり
(3)受け答えが微妙にずれていて
(4)素手で他人に触ろうとしない
――そんな人物が身近に現れたら、死神かもしれません。
1週間の調査ののち、対象者の死に可否の判断をくだし、翌8日目に死は実行される。
クールでどこか奇妙な死神・千葉が出会う6つの人生。
本の中の写真も何だかお洒落感がたっぷりあります。
このような部分も今の時代で好まれているのかもしれませんね。
沢山の賞を受賞されている若手作家さんですが、これからも期待して作品の発表を待ち臨んでおります。
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新着からきました!
私も『死神の精度』買って、読みました。
愛読してます。
なんだかクールな死神に憧れます。
2013/2/17(日) 午後 9:54 [ ゆりつん∞ ]
訪問&コメントありがとうございます♪
私も伊坂作品2冊目ですが、秀逸ですね♪
これからも沢山本を読んで感性を磨きたいです☆
トラバさせて下さい☆☆☆
2013/2/17(日) 午後 10:02 [ miracle1028 ]
これは好きな作品です。
ラストが良かった〜
映画も観ましたが、原作の良さがそのままでした。
「オーデュボンの祈り」も好きです。
大人向けの童話みたいな感じの内容ですよね。。。
2013/2/26(火) 午前 8:35
訪問&コメントありがとうございます♪
映画も観たくなるような、とても素敵な作品だと思いました♪
「オーデュボンの祈り」も読了しましたが、不思議な世界観だと思いました♪
これからも、沢山の本を読んでいきたいと思います♪
またお時間のある時に遊びに来て下さい☆☆☆
2013/2/26(火) 午後 8:08 [ miracle1028 ]
これは、私の伊坂さんデビューの作品でした。
映画もDVDで見ましたよ^^
古い記事ですがTBさせてくださいね♪
2013/8/4(日) 午後 9:36
私の中でも、この作品を読了した後の爽快感が非常に良く、大好きな作品になりました。
他の本を読むきっかけになりましたね♪
また「死神の浮力」で千葉さんが帰ってきます。
爽快感は「死神の精度」が高いかなと思いますが、変わらない千葉さんの個性に、心が和む瞬間が、懐かしさをより引き立てます。
私もTBさせて下さい♪
2013/8/4(日) 午後 9:50 [ miracle1028 ]