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信楽、伊賀

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伊賀 蹲(うずくまる) 見立て花入)、煎餅壷?
直径21 高さ26cm
 
* 豪壮な作品です 
かなり高温で焼成したものと思われ、表面の凸凹は火ぶくれによるものと思います
自然釉の大部分は完全にガラス化してピカピカですが、ガラス化していない部分はそれなりに古色が出ています
緑、赤紫、白の自然釉は見事です
最初は古伊賀かと思ったのですが、さらに調べて見るとやはり時代不明というのが正解のようです
 
光芸出版「古民芸買いの研究」 181ページによりますと、古信楽や古伊賀に器胎の表面があたかも煎餅のようにふくれた煎餅壷と呼ばれる壷があり、今日では花入に転用され・・・云々・・・とあります
日本陶磁体系「信楽伊賀」に煎餅壷が載っていますが、これとは違うのですが・・・
 
 * 薪窯の焼成では一般的に火裏のほうが酸化焼成気味に、きれいな緋色が出やすいそうです
したがって最初の写真の側が火裏と言えるのではないかと思います
 
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* 高台の写真からは土が沸騰した跡が窺(うか)がえます
これは高温によるものだけではなく、土の成分にもよる場合もあるのかも知れません
塩基分などが含まれていると火ぶくれを起こし、それが割れたりするようです
 
→ ある陶芸家の方の記事に 「温度帯での乱高下は粘土中の塩基分や硫化鉄などを急膨張させ、アメのようになった器壁を膨らませ、焼きセンベイのような“ぶくれ”の原因となる」とあります
 
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左)の写真 蹲内部をフラッシュ撮影したものです
右)の写真 沸騰したと思われる部分です
 
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* 自然釉が口の内側でも垂れ下がるほど流れています
 
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<私の拙い解析>・・・参考書やインターネット記事から
古伊賀を期待して、古伊賀について調べたものですが・・・
1) 古伊賀と古信楽は基本的に同じでその違いは焼成温度にあります
つまり古信楽をさらに高温で焼成したものが古伊賀で、さらに高温で焼く分、高級品という事になります
古伊賀は桃山時代の1時期、10数年しか焼成されなかったので、その数は少なく、典型的古伊賀の花入れは30点前後しか残されていないとも言われています
 
2) 古伊賀の魅力は、薪の自然釉による緑のビードロ、高温の炎による緋色(赤紫)の焦げ、作品の足元にあるおき(焼けた炭)による黒茶色の焦げ、長石の流れにあると言われていますが、この4つを同時に持っている作品はないようです
 
3) 焼成温度について考えて見ます
通常の陶器は1200度くらい、磁器は1300度以上です
記事の伊賀(Aとします)は土が沸騰していますから、少なくとも1200+50〜100度=1250〜1300以上で焼成されたと思われます
Aはこの高温によって土の中の白い長石が溶けて、白い釉だれになっています
 
(参考) 長石の融点について
長石の種類によって差がありますが、概ね1200度以上のようです
また、木灰のガラス化は理論上1240度だそうです
 
(陶器、磁器の焼成温度について)
 
長石の釉流れです
 
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また高温によって土がへたってしまい形も歪んでしまいます
ひび割れしてしまうこともあります
が、Aはほとんど歪みがありませんので高度な技術を駆使して焼成されたものと推察されます
 
高温で形が歪んで、ひび割れを起こしながらも、古伊賀水差 銘『破れ袋(やれぶくろ)』は国宝に選定されています
日本人の美意識の代表的視点です
 
4) ではどのようして焼かれたのか・・・
窯は穴窯と思われます
自然釉は概ね全体にかかっていますが緋色のよく出た側と緋色のない側があります
口縁の内側には口縁に沿って自然釉が全体的に垂れ下がっています・・・
が、通常でしたら、窯の中の棚のようなものに並べて焼成します
薪の燃える裏側には自然釉はあまりかからず、薪の燃える側は多くかかります
火の当たらない側は酸化焼成になり緋色が出やすくなりますので、緋色が出ている側が火裏、自然釉が多くかかっている側が火表と考えるのが妥当のようです
と言うのが一般的な伊賀についての解説をもとにした解析です が・・・
 
5)ここで時代について考えてみましたが案外最近作のようです
穴窯を造って薪を使えば同じようなものが焼成できるのではないかと思い、現代作家が穴窯を造って焼成した作品を調べて見ましたが、Aと似たものは発見できませんでしたが・・・
 
時代判定には古色を見ることが大切とよく言われます
ガラス化している部分は容易に変化しませんが、Aのガラス化していない部分は古色が見てとれますが、それほどでもないと言えそうです
 
* さらに調べているうちにだんだん分かってきました
今日いつも行く骨董店主と話合ってきました 
結論としては、
何度も焼成を繰り返して自然釉をかけたところなど手数は相当かかっているが、割合最近作の面白い伊賀というところでしょうという所に落ち着きました・・・
吃驚するような話はなかなかないものですねー・・・
 
<参考までに>
古美術サロン 竹森さんの記事からお借りしました「火ぶくれ」の写真です
古伊賀 桃山〜江戸初期 個人蔵
 
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信楽茶碗「花橘」写し の解説資料 香雪斎蔵品展観図録(道具の部) 昭和9年発行


* 信楽茶碗 「花橘」 写し は前に掲示したものですが、zivago1004 さんから「花橘 茶碗の萩焼の写しはないでしょうか?」というご質問がありましたので、写しについての資料となる香雪斎蔵品展観図録(道具の部) 昭和9年発行をUpしました。
写真1は私の信楽茶碗 「花橘」 写し です。
写真2以下香雪斎蔵品展観図録(道具の部) 昭和9年発行の 信楽茶碗 「花橘」の解説です。

正確にはわかりませんが、やはり写しですから、信楽の写しは信楽のようです。
解説には萩焼の写しは載っていないようですので別の資料が必要ではないでしょうか・・・。
くどくなりますが、写しと贋作は違うのだということをこの資料で初めてしりました。
立派な写しもあるのですねー!

昨夜は8時ころから寝入ってしまい、超早起きになりました。
このご質問がありましたので、いい頭の運動をさせていただきました。
Thank you !!! です・・・。

<香雪斎>とは・・・
以下の通りですですが、香雪斎蔵品展観図録(道具の部) 昭和9年発行 は藤田男爵家什器係が発行したもので、大阪、京都の有力古美術商が札元になって売り立てをした時の図録です。
この図録にはそのときの売り立て価格までが記載されていて非常に参考になります。

藤田美術館は、藤田伝三郎とその嗣子藤田平太郎が二代にわたって蒐集した美術品を主とし、さらに藤田徳次郎の遺品の寄贈をあわせて、昭和26年3月に財団法人として創立、同29年5月に開館された。

藤田伝三郎は長州萩の出身で、号を香雪斎といい、早くから大阪に出て明治の豪商として経済界で活躍した。嗣子平太郎は明治末に伝三郎の没後その事業を継ぎ、旧藤田組を主宰して鉱山、干拓、林業の開発経営にあたり、また初代大阪工業会会長、貴族院議員をつとめた。

以上インターネットの資料から抜粋しました。

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信楽茶碗 「花橘」 写し
サイズ 14x10.5 高さ6.5cm 250g


* あちこち見ているうちに発見?しました。
香雪斎蔵品展観図録(道具の部) 昭和9年発行 の119にあの有名な信楽「花橘茶碗」が載っています。
売り立て価格は仁清「色絵茶碗」と同じ約25000円ですから相当高価な茶碗です。
ここでは「花橘」の説明がしてあります。
また同時に写しについても記載されています
私の「花橘」写しはここに記されている花橘の特徴によく似ていて、サイズ、重さもほぼ同じです
私の「花橘」の箱裏には江戸初期から続いた古筆鑑定家、13代古筆了信の落款と歌が書かれていますが、花押大集成 常石英明著によれば、真筆に間違いないようです。
また高台横の赤色の花押は了信のものです。
私の「花橘」が香雪斎蔵品展観図録(道具の部)に記載されている写しか否かは不明ですが、きちんとした「花橘」の写しであると考えられます?・・・
了信と同時期に作られたと考えるのが妥当であるとは思いますが・・・。
このように、名物ものの写しはよく造られたようです。
これは贋作ではなくれっきとした写しです。
このように写しにまで言及されている記事を読んだのは、この図録のものが初めてで、目の上のうろこがとれたような気がします。
贋作と言われる作品にも、とても出来のよいものがありますが、それは腕のある作家が本気で造ったのではないでしょうか・・・・。
これをどう評価するか・・・各人の考えなのでしょうね・・・。

古筆了信
1871〜1953
古筆鑑定家 古筆家13世

歌は
> よしやとも 川の流れに合わぬとも 
   常に則(のり)知る 道を尋ねむ

意味は
 もし仮に自分の生き方が世の中の流れに合わないとしても、日常正しい生き方を求めて歩んで生きたい


6月12日の「何でも鑑定団」で青のビードロ釉のきれいな古丹波の壷がでていましたが、この茶碗もビードロ釉は美しいものですが・・・自然か否か・・・
灰をかけたりすることもあるようです・・・
いずれにしろなかなかの茶碗です。

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