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こちらは月光山洗心庵様からの転載記事です。。。
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「おいらは貧乏や〜。」
「貧乏、貧乏っていってたら、ほんとに貧乏神つくぞ〜。」
二人の若者が仕事の休息中にこんな会話をしてました。
この二人をそっと、覗いている人?影。
それこそ、ほんまの貧乏神。
(どれ、どっちの若い衆に憑こうかなあ〜。)
一人は考え方がどうも負の考え方。
もう一人は前向きな考え方。
貧乏神はにやにやしながら二人の若者の会話を聞いていました。
昼休みがすんで、二人の若者は仕事を始めましたが、
負の考え方の若者はブツブツ不満を言いながら仕事をしてます。
そして、仕事がすんで家に帰っても、ブツブツブツ…。
愚痴や不満を満杯。
朝、起きるのも愚図愚図厭々。
周りを見ればあいつがこいつがと恨めしく思うばかり。
それでもどうにか生活できるだけはまわっていましたが…。
ある日から突然、歯車が狂ったように物事がうまくはかどらなくなり、
生活も前にもましてきゅうきゅうとなり。
なにをやっても裏目裏目の日々が続きます。
不満だらけ愚痴だらけ。
それでもあれは欲しい、手に入れたい。
願望だけは貪欲。
貪欲だけど仕事はしたくない。
身体は動かしたくない。
そんな毎日となって何年か経ちました。
どんどん窮していき、運気も悪くなるばかりの生活に、どうしておいらだけ?とふと、思いつきました。
そうか!神様参りをしてなかったからだ。
ご先祖様もほったらかしだった。
きっと、サボっていたからよくなかったんだ。
そう思った若者は、さっそく神参りと先祖参りをしました。
「パンパン!!どうぞ、おいらの生活良くしてください。」
「ご先祖様、子孫が困っています。子孫を泣かさないでください。」
『ばか者っ〜〜!!』
どこからか大声が聞こえました。
『都合のいい願い事などきけるものか〜!』
若者はびっくりして腰を地面につけてしまいました。
いままで聞いたこともない、地響きのような怒鳴り声。
『お前の後ろを貧乏神が喜んで憑いてきているのをわからんのか〜!』
そういわれて、後ろを振り向いてもだあれもいません。
貧乏神は若者には見えなかったのです。
「貧乏神って、おいらに貧乏神が憑いているんですか?」
若者は声の主にいいました。
『ああ、貧乏神がお前の根性に巣くってるわ!なんて情けない子孫なんだ…。』
「子孫って?すると、おいらのご先祖様?」
『そうだ。お前の先祖だ。』
「先祖様なら子孫が困っていたら助けてくれるべきでないの?」
『こらっ!お前のそういう根性がいかんのじゃ!お前は文句不満愚痴は言う。
仕事は身惜しみする。泣きごという。その割にはあれ欲しいこれ欲しい、とむさぼることしか知らん。
わしの子孫にこんな奴がいるなんて、情けなくて情けなくて…(泣)』
あ〜あ、ご先祖様を泣かせちゃった…困ったな、どうしよう。
若者はほんとに困りました。
「あのお〜、ご先祖様。」
若者は涙をこぼしているご先祖様にいいました。
「おいらに貧乏神が憑いているっていったけど、運気が悪かったり、
物事が上手く運ばないのは貧乏神がついているからかい?」
『そうじゃ、貧乏神が住みやすい環境をお前は作っているからなんじゃ。』
おいらが貧乏神が住みやすい環境を作っている?
若者はどういうことなのかちんぷんかんぷんです。
ご先祖様はやれやれと思いながら話を始めました。
『よいか、貧乏神というのはな、家にも憑くが貧乏神にとって一番住み心地がいいのは、
愚痴、貪り、怒りをしょっちゅう言っている心にすむんじゃ。
心が貧しければ貧しいほど、貧乏神には住みやすい。
心に災いを起こせば貧乏神にとっては愉快でならん。
人間の心が荒めば荒むほど、貧乏神は高笑いしておるのじゃ。』
ご先祖様は言葉を続けました。
『お前が愚痴不満不平、妬み怨み嫉み、貪欲、怒り憤りなどを年がら年中起こしていると、
貧乏神にとっては実に住みここちのよい環境になるのじゃ。』
貧乏神は家に取り憑いて災いを起こし苦しめる。
いや、家にとり憑くように見せかけて実は人の心に住み憑いてしまう。
さわさわとした心は周りに伝染し、家の中もさわさわとしてしまう。
苦しむ人間を見るのが愉快な神様なんだ、とご先祖様は悲しい顔でいいました。
『そもそも貧乏神わな、飢渇神、障碍神、貪欲神という三柱の神様なんじゃ。
飢渇神、障碍神、貪欲神は仏様の教えるところの三悪(愚痴、貪り、怒り)と同じで、
これはどんどん、心の貧しさを作っていってしまう。』
『お前、いま、胸の中が充実しておるか?』
「いえ、あのう、そのう〜。」
若者はご先祖様に質問されてどぎまぎしてしまいました。
充実なんてしていなく、毎日毎日、イライラしたりムカついたり、時にはキレたり。
心が落ち着いたことはありません。
さわさわとした隙間風が吹く家のようでもあり、落ち着いてゆっくり家にいられる自分でもなく、
毎日がつまらなく寂しくもありました。
「え〜っと、貧乏神さんにでて行ってもらう方法はありますか?」
若者は恐る恐るご先祖様に尋ねました。
『あるにはあるが…。あのな、それよりも先に治さなくてはならないことがある。
飢渇神、障碍神、貪欲神が寄り付かなくなる自分になることじゃ。』
『いいか、三悪(愚痴、貪り、怒り)を起こさない自分になることじゃ。
すこしでもそれが出来るようになったら、貧乏神退散法をお前に教えてやろう。』
そういったかと思うと、ご先祖様はすうっと姿を消しました。
若者は自分のほっぺたをつねってみました。
「イテテッ!!夢ではないんだ…。心が貧しければ貧乏神が住みやすい。
心が貧しければ…。」
若者はとぼとぼと家路に着きました。
貧乏神は若者の後ろから、もっと心が貧しくなっておくれと、ブツブツいいながらついていきます。
=終わり=
(このお話は道陽尼の創作作品です。転載希望の方はお手数ですがゲスブへ連絡くださいね。
また、この記事は道陽のウエブリビログ2/18からの転載です。これからお話を綴っていこうと思います。)
【庵】 月光山洗心庵 http://nisou.com/
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※月光山洗心庵は高百不動等泉寺と共に布教活動を行っています。
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