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2004年に文庫になった作品です。 小川さんと言えば「博士の愛した数式」ぐらいしか読んだことがないのですが、 なぜか図書館で見た時に惹かれ借りてみました。 夫から逃れ、山あいの別荘に隠れ住む「わたし」が出会った二人。チェンバロ作りの男とその女弟子。
深い森に『やさしい訴え』のひそやかな音色が流れる。挫折したピアニスト、酷いかたちで恋人を奪われた女、不実な夫に苦しむ人妻、三者の不思議な関係が織りなす、かぎりなくやさしく、ときに残酷な愛の物語。 この作品は、島本さんの「七緒のために」と並行して読んでいました。 七緒のために、は若さゆえの残酷さや鋭さから来る孤独、みたいな作品でしたが、 こちらの「やさしい訴え」は年齢を重ねた上での抗えない孤独、でとても良い作品だと思いますが、 読んでいて辛かったです。 私はこの作品で「チェンバロ」を知り、また「カリグラフィー」という職業も知りました。 季節がうつりかわる美しい情景、チェンバロを作製する繊細な時間、 カリグラフィーに没頭する深い世界。 ゆっくりした世界がありながら、瑠璃子の離婚問題、新田さんの不在、 薫の過去の傷が現実世界に戻してきます。 瑠璃子の夫の愛人に子供が出来たことや、 自分が好意を寄せる新田と女弟子薫との絶対的な絆を見せつけられたとき、瑠璃子はどん底に落ちます。 「私はひとりだ。」 きっと3人とも弱い人間なんだと思います。 自殺したくなるぐらい辛い過去を背負いながら、でも自殺すら出来ない弱い自分たち。 だから誰かのために生きたいと願い、 でも重荷になりたくないからひっそりと他人を思うことでかろうじて生きる意味を見いだしてる。 私はこういう話も好きですが、(知らない人も多いと思いますが)ゴマブッ子さんのブログに出てくる、「ついつい好みの男性と会った瞬間ホテル行っちゃった」みたいな(こっちは実話ですが…)相談も好きなのです。 大体他人に自分のやっちゃった話を言える時点でネタになってるし、 「せっかくの人生、楽しく生きないとね」みたいな気持ちをもらえますし。 でも私の本質は物事を掘り下げてしまうタイプなため、 こういう深い残酷な話を読んでしまうとなかなか抜け出せません。 一体こういう本はいつ読むのが1番いいんでしょうね。
七緒のために、とやさしい訴えの後に読む本はライトなのが良いな。 (といいつつ今手元にあるのは乃南アサさんですが…) |
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私も読みましたよ!確か、複雑な気持ちになったのを、思いしました。
私は、本を選ぶ時に、何か共感できる本を探してしまいます。
真逆の本も、これまた、楽しい時が、あるのですが、確かに現実を突きつけられるとびびりますが、
こんな人生も、ありなんだな!!と頭の
隅に置いて忘れてます。(笑)
とも子さん、面白い記事でしたよ!ナイス!!(^.^)
2012/11/27(火) 午後 9:53
夕凪さん☆
またアイコンが変わっていてかわいいですね^^ほっこりしますー!
この本、本当に色々衝撃的で、まさに複雑な気持ちです。
私は夕凪さんと同じで共感部分がほしいんですね。
でもこの本は伝わる(共感できる)けど辛い、って思いました。。
2012/12/3(月) 午後 1:44