2011年8月4日に東海テレビで放送された情報番組『ぴーかんテレビ』。
 
その生放送中に「怪しいお米セシウムさん 汚染されたお米セシウムさん」と書かれたテロップがテレビ画面に20秒以上も表示され、大問題に発展した。
 
東海テレビはテロップ制作者がふざけた気持ちで作ったものと説明し、社長や関係者が謝罪するという事態に発展。現在も「セシウムさん騒動」として、全国から怒りの声があがっている。
 
そんな東海テレビ放送の公式サイトを見てみると、自動的に謝罪ページが表示されることが判明した。
そこでは検証番組を動画で見ることができ、「セシウムさん騒動」の全貌が明らかになっている。
 
その検証番組には、実際にテロップを作った制作者や番組関係者が出演し、そのときの流れや背景をコメントしている。以下は、この番組で語られている「セシウムさん騒動」に至った流れである。
 
・セシウムさん騒動が発生した流れ
会議 今まで手書きでテロップを書いていたが今回からCGテロップに変更(3日12:00頃)

AD2人 CGテロップの作成を50代のテロップ作成者に依頼(3日14:30頃)

テロップ作成者 生放送中に当選者が決定するのでそれまで仮の名前が必要と判断

テロップ作成者 仮の名前として「セシウムさん」と書かれた不適切テロップ作成

アシスタントプロデューサー 不適切テロップを確認して修正依頼(3日19:00頃)
タイムキーパー

テロップ作成者 修正依頼とは認識せず

タイムキーパー 通常はテロップ内容を印刷して他のスタッフに報告するが内容が不適切だったので印刷せず(8月3日夜)

ディレクター 印刷されなかったので確認できず不適切テロップは修正されないままの状態に

翌朝

各スタッフ 放送開始3時間前から新聞各紙の記事の選定などの準備を開始(4日07:00頃)

アシスタントプロデューサー 不適切テロップが修正されていないことを知る(4日08:20頃)

アシスタントプロデューサー 「昨日修正を依頼したのにまだ直っていない」とテロップ制作者に指摘

テロップ作成者 「ハイハイハイハイ、やってますよ」と返答(アシスタントプロデューサーの証言)
※しかしテロップ制作者は「直してほしいとは聞いた記憶がない」「他の事に頭がいっていて言われたことに気がつかなかったかもしれない」と証言している

アシスタントプロデューサー ディレクターに不適切テロップの存在を報告せず

番組 第一部 生放送スタート(4日09:55)

番組 第二部 生放送スタート(4日11:00)

出演者ら VTR放送中にスタジオでリハーサルを開始

フロアディレクター リハーサルでテロップが出ずスタッフにテロップの表示を指示

タイムキーパー テロップが不適切な内容だったためリハーサル用に用意していなかった

フロアディレクター ほかに出せる仮のテロップがないかと改めて指示

タイムキーパー 当選者名は入ってないが「不適切なテロップ」はあるので探して出そうとした

タイムキーパー 操作を誤って不適切なテロップを放送画面に出してしまう

番組 セシウムさんテロップが23秒間にわたり放送される(4日11:03)
 
【検証】タイムキーパーの証言  アシスタントプロデューサーが「何でこんなことが書いてあるの」というかたちで、CGさんに「何ですかこれは?」
 
「やめてください、不謹慎です」というようなことを言っていたと思うんですが、CGさんのほうは「ハイハイハイハイ」というような対応をしていました。
 
「あとでやっときます」というような「わかってますよ」というかたちに聞こえました。
 
【検証】テロップ作成者の証言  ちらっと見たときに「いやな文章だわ」みたいなことを言われました。
そのときには「すぐに直して下さい」と言われた記憶というか、まったく認識もありませんでした。
 
「いやな文章だわ」とそれだけは言われていたので、こっちもそれなりに作業をしていたので……。
修正を求められた記憶はない。
 
まったくその時はそれがオンエアに出るとは思ってもいませんでしたし、本当に思いつきでちょっとしたふざけ、まあ思いついたことをポンポンと文章に入れてしまっただけ。
 
とくに会社の中の人たちとか、こうしてやろうとか、そういう気持ちはまったくなかったです。
あの時は、まさか出るとはってあったし、すぐに差し替える……。
 
出すときにはそれは全然違うものを出すかたちでしたので、ほんとにまさかこの文章……。
確かに不愉快なところもあったかもしれませんなが、その時はそこまでは思っていなかったです。
 
ダミーで適当に思いついたのをただ特に重要性もなく、ただ自分の中でだけ文章を作ってしまった。
もう、ほんとにちょっとした思いつきで、ふっと前日の新聞、汚染とかありますよね。
 
その中でそういう言葉が頭に浮かんでパッと作ってしまった。
半分ちょっとふざけがあったのだと思いますが、それで作ってしまった。ただそれだけです。
 
特に何かしてやろうという、こうしてやろうという気持ちはまったくなかったです。(どなたかにしなさいと言われたことも)ないです。困らせてやろう、なにしてやろう、一切ほんとに……。ただ漠然と入れただけみたいな。
 
その時、そうなったのはただそれだけ。ただその時の思いつき、ただ入れただけなんですけど、とにかくそういうことが頭をよぎってしまって入れてしまった。
 
【検証】調査により判明した事実  通常タイムキーパーは制作されたテロップを番組全体の総責任者であるプロデューサー、当日の放送を取り仕切るディレクターら、他のスタッフにも内容の確認をしてもらうため紙に印刷します。しかし、問題のテロップだけは印刷をしませんでした。
 
【検証】プロデューサー兼ディレクターの証言  今回の問題があった後なんですけども、タイムキーパーと「どうしてプリントアウトしなかったの?」っていう話をしたんですけど、それに対してタイムキーパーは、当選者のところに非常に不謹慎な文言が書かれていたと。
 
そのようなものをプリントアウトして、私のところに持ってくるということは、私に対してタイムキーパーが失礼だと感じたので、あえてそれはプリントせずに私のところに持ってこなかったと言っていました。
 
放送当日は、リハーサルがはじまる前にディレクターがすべてのテロップのチェックをするんですけども、その段階でも当選者のテロップがないということには気が付いていました。
 
なぜそこで当選者のテロップを確認しなかったかというと、基本的に当選者のテロップというものは、当選者の名前が書かれた段階で初めて使用するものなので、当選者の名前が決まった段階になって、完成してチェックできる段階になると理解していましたので、まだ当選者が決まっていない段階ではチェックする必要がないという理解をしていました。
 
【検証】フロアディレクターの証言 スタジオで一度リハーサルをやったときにプレゼントの当選者画面が出るはずだったんですが、簡単に言うと出なかったので「なぜ出せないのですか?」とタイムキーパーと話をした。
 
……と、これが騒動に発展した流れてある。テロップ制作者は東海テレビ内で30年近くにもわたり仕事をしてきたプロだという。しかし今回の問題を受けて8月28日に所属会社を懲戒解雇になったという。
 
詳しく知るためにはすべての情報を把握する必要があるので、東海テレビのサイトで検証番組を視聴していただきたい。