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 森ビルグループのヘリコプター事業会社・森ビルシティエアサービス(MCAS、東京都港区)は、大地震が起きた時にヘリを優先使用できる権利を発売した。東日本大震災を受けて始めた新しい「災害ビジネス」だ。
 
物流大手・鈴与(静岡市)のグループも災害リスク対応でヘリの有効性を再認識している。
震災を教訓に、多くの企業が災害後の事業継続対策を進めており、ヘリ活用はその流れにある動きだ。
 
 震災後の昨年4月、MCASの営業部長、三戸(みと)和仁さん(47)は、バークレイズ・キャピタル証券の事業継続管理を統括する佐柳恭威(さやなぎ・やすたけ)さん(50)から提案された。
 
「東京で大地震が起きた時、社員の移動にヘリを活用できないだろうか」
 MCASは東京・赤坂のアーク森ビル(高さ153メートル)屋上にヘリポートを持つ。
 
東京の中枢で唯一、国の許可を受け旅客利用が可能だ。
高級ブランド・エルメスのシートを備えた5人乗りヘリを運航。
 
09年9月から、富裕層をターゲットに成田空港と結んだが、利用者は昨年3月までで延べ約4000人と採算は厳しかった。
 
 佐柳さんの提案と同時期、余震や原発事故を心配する米証券会社幹部からも「飛ばさなくていいのでスタンバイしてくれ」と要望された。震災時のキーパーソンの移動、空からの被害確認。
 
三戸さんは事業化の手応えを感じた。昨年10月に発売したプランは、関東地方で震度6弱以上の地震が起きた際、当日から3日間で計160分、その後4日間で計80分、優先使用できる。
 
年間900万円で6口売り出したが、大手総合商社やIT企業などが申し込み、1カ月たたずに完売した。三戸さんは「交通機関がまひすれば残るは空。企業の事業継続への意識が高まれば、ニーズは増える」と期待する。
 
 鈴与グループの静岡エアコミュータはヘリ6機と小型飛行機3機を運航。静岡空港開港(09年)を見据えて91年、航空ビジネスに参入したが、95年の阪神大震災以降、災害対応でも重要な役割を果たす。
 
東日本大震災で計5回、栃木、山形両県に物資や人員を輸送。孤立した鈴与の役員も救った。
東海地震ではグループの拠点・清水港(静岡市)の被害を空から確認し、早期対策に役立てる。
 
静岡エアコミュータの渡井洋治郎社長(69)は「必ず起こると考え準備を進めている」と話した。

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