鏡城の饗宴−Mirrorcastle Symposium−

微妙に仕事が忙しくなってきました。

…久遠文庫

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お気に入りの本をだらだらと紹介します。
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『ZOO』(乙一)

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引き続いて、乙一の短編集。

単行本『ZOO』を文庫化する際、2巻に分け、1巻には映画化された6編、2巻にはその他&書き下ろしを収めてあります。




鬼才と騒がれて久しい乙一氏、私も『夏と花火と〜』はかなり面白いと思ったんですが、

正直、これはいまいち。。。



別にそこまで面白くない、というか、全体的に「世にも奇妙な物語」ちっくで、しかもその奇妙さが逆にちょっとありきたりなんですよね。

よくある奇妙、というか。


小説という媒体を利用して読者を引っ掛けるテクニックもちょっと稚拙。。
(ま、私はしっかり引っかかってましたがwww)


なんか似たような話も多いし。



でもそれなりに面白かったので、いくつかぐっときたものを紹介してみます。


(結末は書いてありませんが、若干のネタバレを含みます)


「カザリとヨーコ」
カザリとヨーコは双子の姉妹。しかし同じ顔なのに、快活で社交的な妹のカザリは学校でも人気者で、母親の寵愛を一身に受けて育つ。暗くて人付き合いの苦手な姉のヨーコは、友達など一人もおらず、母親に虐待され、食事はカザリの食べ残し、机はゴミ箱、寝床は台所の片隅の座布団、という生活を余儀なくされていた。

「ママはどうやって私を殺すのだろう?」

恐怖と諦観の中で日々を送るヨーコは、迷子の犬を飼い主に届けたのをきっかけに、その飼い主の老女・スズキさんと親しくなっていく。初めての友達と呼べる存在に心を躍らせるヨーコ。しかし、それを気に入らない母親はさらなる虐待を…。

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「SEVEN ROOMS」 
中学生の姉と小学生の弟は、気がつくと小さな部屋に閉じ込められていた。
一緒に道を歩いていたとき、何者かに殴られ拉致されたのだ。

四方はコンクリートの壁で、窓はなく、たった一つ鉄の扉があるが中からは開かない。
そして部屋の中央を、細い排水溝が横切っていた。

なんとか脱出するため、手がかりを探そうと、体の小さな弟が排水溝を遡ってみると、7つの同じような部屋が連なっており、それぞれに一人ずつ、同じようにさらわれた女性が閉じ込められていることがわかる。
そして一番下流の部屋にいた女性は、

「じゃあ、まだ生きている人がいたのね…毎日夕方6時に、排水溝をバラバラの死体が流れていくの」

しかし、その時間に姉弟は死体など見ていない。
困惑しながらも、次の日また他の部屋を廻る弟。
昨日は誰もいなかった部屋に、新しくさらわれてきた女性がいた。
そして、一番下流の部屋には、誰もいなくなっていた…。

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「陽だまりの詩」

伝染病が蔓延し、人類が死に絶えた世界に、一人の女性型アンドロイドが誕生する。
たった一人生き残りながらも、すでに感染し余命いくばくもない男性が、自分を埋葬させるために作り出したのだ。

心という機能を搭載されたアンドロイドは、男性の世話をしながら、「死」とは何なのかを学ぶように命じられる。
最初は花を遠慮なく踏み潰し、死んだウサギを「養分になるから」と森に放り捨てたアンドロイドだったが、男性との穏やかな生活の中で、徐々に生と死について理解していく…。

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「血液を探せ!」 

交通事故で脳を損傷し、皮膚感覚の一切を失ってしまった社長。
怪我をしても全く気づかないため、いつのまにか大怪我をしていたらどうしよう、と怯える日々を送っていた。

別荘に旅行に来ていたある朝、目覚めると体が血塗れだった。
よく調べると、背中に包丁が深々と突き刺さり、血がぴゅーぴゅーと噴水のように噴き出している。
早く輸血しないと死んでしまう!
しかし主治医が持っていたはずの輸血パックは、なぜかどこにもない。
保険金、社長の座が転がり込むチャンスにほくそ笑む妻や長男に憤りながら、気弱で従順な次男とともに必死に輸血パックを探す社長だが…。

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「冷たい森の白い家」

両親を亡くし、伯母夫婦に引き取られた主人公の少年。馬小屋の一隅に押し込められ、残飯を食べて、石と漆喰でできた壁を見つめて育つ。
その石は、どれも人間の顔に見えた。

馬に蹴りつけられ顔面に重傷を負うが、手当てもなく放置され、顔に大きな穴があいた少年は、ある日家を出る。
街に出るが、顔のせいでまともな扱いを受けず、森に逃げ込んで隠れ住むうちに、少年は家を建てようと思い立つ。
育った馬小屋の壁を思い出した少年は家の材料として、人間の死体を選ぶ…。

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弱冠17歳でジャンプ小説を受賞した鬼才・乙一(おついち)さん。

その受賞作であるデビュー作です。

あまりにも有名ですが実は読んだことなかった。。。


主人公は9歳の少女、五月。仲良しの友達・弥生の兄である健に淡い恋心を抱いていたが、健を兄という以上に愛する弥生は、五月の思いを知り、嫉妬のあまり五月を木から突き落として殺してしまう。

狼狽する弥生に、健は優しく微笑む。
そして狡猾に立ち回り、五月の死体を隠し通そうと画策する。

折しも近隣で誘拐事件が多発しており、大人たちは五月も誘拐されたのだと疑わない。
ただ一人、健と弥生の叔母である緑だけは、二人に疑惑の視線を向けていた。

そんな二人を、死体となった五月はじっと見つめ続ける。


この小説、何がスゴイ(新鮮)かというと、

かなり冒頭で主人公が死んでしまい、以後は全て「死体となった主人公」の視点・語りで物語が進んでいくというところなんですね。

排水溝、押入れ、田んぼの中、いろんなところに隠され、どんどん腐っていきながら、追い詰められる二人の犯人を見つめる主人公。
その視線も思考も大変冷静で、なんだか超越的。

死者が世界を監視する不気味さが、文体だけで見事に表現されてます。。。




人を殺してしまった上、その死体を抱えて逃げ回らなきゃならない状況で、パニック状態の弥生ちゃんと、利口なんだけどいかんせん子供だから体が小さい健くん、もちろん何度もピンチを迎えます。

とにかくハラハラドキドキなのですが、クライマックス、そしてエンディング、


「なにィィーーーッッッ!!!」


と私はひっくり返ってしまいました。。。


いやぁ、意外も意外、、、


想像だにせんかった。。。


私が単純なだけかもしれませんが^^;

『北欧神話物語』

なんか首都圏が大停電したらしいですね。まぁ、郊外の実家に寄生虫、もとい帰省中の私には関係ないことですが。


さて、大人買いした本を佐渡でガッツリ片付けてきたわけですが、一際面白かったのがこちら




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『北欧神話物語』。




さまざまなRPGの元ネタになっている有名ドコロですね〜。


アースガルド(神々の世界)、ミッドガルド(人間の世界)、ニヴルヘイム(霧の世界)の三層からなる世界が舞台。

氷のしずくから生まれた霜の巨人・ユミルを、最初の人間・ブーリの子孫である3人の神が殺し、その体から世界を作り出した天地創造の章。
神々と、ユミルの子孫である巨人たちを主人公とするさまざまなエピソード。
神々と巨人との間に最後に起こる終末戦争(ラグナレク)による世界の滅亡。
そして僅かに生き残った神々と一組の人間による再生。

そんな感じで描かれる、壮大な神話であります。



オーディン



至上神。グングニルの槍を操り、八本足の駿馬スレイプニルを駆る。

ブーリの孫で、ユミルを殺し世界を創造した3兄弟の一人。
全ての神の中で最上であり、ギリシャ神話のゼウスにあたる。

しかし、ゼウスが気に入った者なら片っ端からかっさらって手篭めにしたのに対して、奥さんのフリッグ一筋の模様。
一度だけ、人間の女の子を夜這いにいくものの、ウキウキでベッドの掛け布団をめくるとメス犬がつながれていた、というトホホなエピソードも(そのことを嘆くのに一章を費やしている)。



トール



オーディンの息子で、空と雷鳴の神。

神々の中で最も力持ちで、ミョルニルというハンマーを自在に使い、その一撃は山をへこませる。

また、スゴイ酒飲み。巨人との酒飲み勝負では、酒杯を海につなげられていたのに気づかずにぐいぐい飲み、海面を下げてしまったほど。

正義感あふれるナイスガイだが、短気で、怒ると冷静さをすっかり失ってしまうため、よくだまされている。



フレイ



豊穣の神。イケメンで巨根。

巨人の娘・ゲルドに熱烈な恋をするが、なぜか部下に口説きに行かせる。結局脅迫してるし。

いまいち地味。



フレイヤ



愛の女神。すばらしい美人で、ちょくちょく巨人や小人が神々に便宜を図った時の報酬に要求される。

4人の小人の作った見事な首飾りがほしいあまり、4人に一晩ずつ体を売ったりと、なかなか奔放。



ロキ



北欧神話の影の立役者ともいえる、いたずら者の神。

トリックスターにしてトラブルメーカーで、トールの奥さんの自慢の金髪を刈り取ったり、フレイヤの首飾りを盗んだりと、やりたい放題。


どんな姿にも自在に変身でき、性転換も可能。(オーディンの騎馬スレイプニルは、雌馬に変身したロキと雄馬の間にできた。)

また、フェンリル狼、ヨルムンガンド(ミドガルド蛇)、ヘル(異形の娘、のち死者の国の主)の三大怪物は、愛人に産ませた子供たち。

素顔はイケメン。



巨人たち



霜の巨人ユミルの子孫。巨大で怪力だが、醜く、根性もゆがんでる。
女性はどうも美人も多いみたい。

しばしば神々と対立し、最終的には神々と殺し合い、共に滅亡する。



ユグドラシル



三層の世界を貫き、あらゆる場所に枝を伸ばす、とねりこの大樹。
いわゆる「世界樹」。

あっちこっちかじられつつもがんばる健気なヤツ。



ヴァルハラ



オーディンの住む宮殿。

下界で死んだ優秀な戦士たちを、ヴァルキューリ(オーディンの配下の美しい乙女たち)が選んでヴァルハラに連れ帰る。
死んだ戦士たちは、昼間の間はヴァルハラの庭でバラバラになるまで戦いあい、夕方になると甦ってヴァルキューリのお酌で酒を飲むという、なんともいいご身分。

しかし、ただの穀潰しというわけではなく、ラグナレクの時が来たら神々の兵士として戦う。



ラグナレク



神々と巨人たち、封印された怪物たちの最終戦争。

まずミッドガルドに戦争が起こり、父が息子を殺し、兄弟が殺し合い、母が息子を誘惑し、兄弟が姉妹を犯す狂った時代が来る。

やがて冬が三年間続き、太陽が飲み込まれ、星が消え、大地が揺れ、山が崩れる。
封印された怪物たち・フェンリル狼、ヨルムンガンドが自由になって暴れまわる。フェンリルの吐く炎と、ヨルムンガンドの吐く毒液で、大地と天空の全てが汚される。
死者たちが甦り、死人の爪で作られた船に乗って押し寄せる。

全ての巨人と死者、フェンリルとヨルムンガンドが一箇所に集まる。


それに対して、全ての神々と、ヴァルハラの死んだ戦士たちは武装し、オーディンを先頭に攻めていく。


オーディンはフェンリルに殺されるが、息子のヴィーダルがすぐさまフェンリルを殺す。
フレイは火の巨人スルトに敗れる。
トールはヨルムンガンドと相打ちに。

スルトの放った火で、世界の全ては燃えて灰になり、人間も神々も巨人も、妖精も小人も怪物も動物も全てが死ぬ。太陽は暗くなり、星は消え、大地は海に沈む。

わずかに生き残った神と、ユグドラシルの奥深くに隠れた一組の人間の男女、太陽が今わの際に産み残した娘の太陽が、再び世界をよみがえらせる。




とまぁ、なんとも豪快なエンディングで幕を閉じる北欧神話。



登場人物のキャラが立っているのがなんとも面白い。。漫画のようですね。


最後は神々も巨人も人間もまとめて滅亡、ってのがまた、思い切ってていいし〜。

しかしラグナレク到来直前の人間界、なんとなく今の世の中に似てますよね。

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最近ぜんぜん本を読んでなかったので、今月は読書月間!!

研修で電車通勤をするようになったので、その間に読んでます。
おかげで昨日は行きも帰りも乗り過ごしちゃいました^^;


『松子』の原作は、映画を観る前にダーリンが買ってきたんですが、あえて読まずに映画を観ました。
ついつい、いつも原作と比べながら観ちゃうので。。。


一言で言うと、暗い!!!

映画とストーリーは同じはずなのに、この陰惨さ!!!

松子が心底かわいそうになります。

映画よりも知的で物静かな印象なのに、、


でも、いい小説でした。
読後感は映画と同じで、人の人生ってなんなの?と答えのない疑問にずぶずぶ引き込まれてしまうような。


つーか、映画化の仕方が非常によかったなと思います。

原作の雰囲気が好きだった人には、かなり予想外というか、あまり気に入らなかったかもしれませんが、私的には、松子の人生、ひいては人間の一生を、二つの視点から見られたって意味で、とてもいい原作と映画の関係だったなと思いました。

筒井康隆の新作〜〜〜☆




近未来の日本。老人人口は爆発的に増大し、今や一人の若者が平均七人の老人を養わねばならない。
若者の負担を軽減し、破綻寸前の国民年金制度を維持すると共に、少子化を相対的解消に至らしめるため、厚生労働省が考案した、

「老人相互処刑制度」

通称“シルバー・バトル”。

全国からランダムに選ばれた地区内に住む、70歳以上の老人全てが、最後の一人になるまで殺し合うことを命じられるのである。

地区から逃げ出すことは許されず、期限内に二人以上生き残れば、全員が処刑される。

殺し合いを嫌って自ら命を絶つ者、愛する伴侶の手で殺してもらう者、周りが殺しあうのを見守り生き残るチャンスをじっと待つ者、武器を取ってご近所さんを殺し歩く者、もうボケちゃってなんもわかんない者…

平凡な住宅街・宮脇町五丁目。
最高級老人ホーム・ベルテ若葉台。
過疎の村と広大な山林からなる熊谷。

全国各地で、老人たちの熾烈なデス・ゲームの幕が切って落とされる…。。。


いやはや…。筒井さん、スゴイッス。


こんな世の中、嫌ですね…。。
でも面白かったです。

本家(?)『バトルロワイアル』ほどいや〜な気持ちにはなりません。
あくまでブラックコメディーとして読み通せます。

元自衛官とか元プロレスラーとかはもちろんなんですが、平凡な主婦や商店街のおじさんとかが意外と健闘するのが面白い。。
実力を過信してる人ほどあっけなく死んじゃうんですよね。。(ここは本家と同じ。)

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