麗しき花実(かじつ) 乙川優三郎(著)松江の蒔絵師の家に育った理野は
家の手伝いをするうち、塗り師や蒔絵師の仕事を覚えます。
そして兄の修行の付き添いとして一緒に江戸へ登ります。
兄が、原羊遊斎(はらようゆうさい)のもとでの修行半ばで急死した後
理野は、江戸に残って蒔絵職人として身を立てる決心をします。
彼女の修行を通して
蒔絵工房の職人の世界が描かれています。
蒔絵師の世界というのはめずらしく
作業の工程などいろいろと知ることができました。
羊遊斎という実在の蒔絵師の工房が舞台であることは
架空の主人公に存在感を与えています。
本の初めには
羊遊斎の他、物語にも登場する羊遊斎門下の胡民、光玉の
蒔絵の作品の写真が何点か載っていて
たいへん興味深かったです。
これからは、美術館などで蒔絵作品を見る時
今までとは違った見方ができそうです。
また、当時根岸に集まっていたメンバーとして
酒井抱一、鈴木其一、谷文晁など
そうそうたる文化人たちが登場してきます。
抱一と其一は
代作問題や自分の技法の確立なども含め
主人公理野に大きくかかわってきます。
特に其一の真面目な性格と
理野との秘めた恋の描き方は
実際にそうであったのではと錯覚しそうなくらいでした。
抱一も其一も、これまでは
美術館のガラスの向こうの名前だけの人でしたが
何だか急に、生きた人間として感じられるようになりました。
原羊遊斎は、名前すら知らなかったので
いろいろ調べたりして勉強になりました。
理野は、最終的に
故郷の松江に帰って蒔絵職人として生きることを選びます。
この時代の女の人が選ぶ道としては
たいへん苦労の多い道ですが
決然とその道に踏み出す理野の姿勢には
学ぶべきことがたくさんあると思います。
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乙川氏の小説を読んでいると、日本人らしい心のあり方や、強く生きることへの願いが伝わって来ます。
みるくさんの芸術的センスに、ますます磨きがかかることを期待しています。
2010/4/21(水) 午後 8:23 [ - ]
youさん:ほんとにあやかりたいです!(笑)
2010/4/23(金) 午後 5:40