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ロードス島に来て4日目. いくつかのツアーにも参加できて, ギリシャという国が持つ歴史に 深く考えさせられている. ギリシャは民主主義の発祥の地であるにも関わらず, それが実現したのはつい最近のことなのである. これまでの長い歴史の中でギリシャは, 本当に激動の国際状況を経験してきた. ギリシャがあって,ローマがあって, ビサンチンがあって,トルコの支配があって, イタリアの占領があって,ドイツの占領があった. 特に中世においては, ロードス島はイスラム勢力であるトルコに対する 最前線であった. ギリシャ人ではないヨハネ騎士団が キリスト教世界を守るためにずっと駐在していた. この遺跡の一つである,Old Townと 騎士団長の宮殿を見学することができた. 騎士団長の宮殿は 宮殿というにはあまりにも質素で いくつかの床を飾るモザイクと, いくつかの天使とギリシャ神話の像, そしていくつかの東洋風の壷が あるだけだった. そして壁に刻まれているFERTという文字. 彼らの信仰の象徴である. 実は,今回の出張のために 塩野七生の「コンスタンチノープルの陥落」と 「ロードス島攻防記」を事前に読もうと 購入していた. これらは,「レパントの海戦」とともに 3部作となっており,第2作の「ロードス島...」を 読む前に「コンスタンチノープル..」を読もうと思ったのである. 結局全然時間が取れなくて (出張前というのは得てしてこうしたものである) 「コンスタンチノープル...」だけ なんとか読み終えた. 「ロードス島...」が間に合わなかったのは 大変残念なのだけれど, それでも,このビサンチン帝国崩壊後の 地中海におけるカトリック世界とイスラム世界の衝突は, 非常に興味深く,その遺跡をめぐっていると, その歴史的ロマンに思いをはせることになる. ここに,ヨハネ騎士団がいたのか, ここはイル・ド・フランスの管轄地だったのか, などと小説の中の世界が目前にあるのである. このような贅沢が他にあろうか. 物語の登場人物が活き活きと動き出す. 彼が坂を上れば,その坂を思い出し, 彼が宮殿の広場に来れば,その広場を思い出す. 小説の中の世界を私はまざまざと思い起こすことができるのだ. こうした歴史小説において, このような読み方は,最も素晴らしいもののひとつだろう. 特に塩野氏は,現地調査を念入りにされてから 執筆したのだというから,その写実的な描写は, それを目前にしたときに圧倒的な力を持ってくる. あぁ,幸せだ.
そう夜の騎士団長の宮殿にて実感した. 約500年前の騎士たちの足音,息遣いに, 薄暗がりの中で思いを凝らす. こんな経験そうそうにない. 今回のこの幸運に心から感謝するのである. |
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モザイク画!高校の資料集でみてから、1度は実物見てみたと思ってました。素晴らしい!
歴史、しかも激動の中いろんな文化に影響されたその地に足を運びたいです、ホント。
ちなみに、山東省のこちらではほぼ毎日霧に覆われた日々でして、水墨画の世界に近いです(笑)ちょっと足を伸ばせば「蓬莱島」なんかがあったり。幽玄と仙人の世界ですよー(笑)
2008/6/19(木) 午後 1:24
とむさん,モザイク画といってもずいぶん地味なものばかりです.もっと鮮やかなものがイタリアあたりにあるはず.
基本的に宗教施設ですので,派手さは全くないです.
蓬莱島って本当にあるんですか?知らなかった.
日本にいくつか名前だけはついている島があったりしますが,伝説化と思っていました.
2008/6/19(木) 午後 4:37 [ ミサキ ]
なんかテレビののかでしか見たこと無いからうらやましいですね。
梅雨空から開放されたい〜〜
2008/6/21(土) 午前 8:14
お久しぶりです。「ロードス島攻防記」以前読んだことがあります。とてもおもしろかったですよ。中世の町がそのまま残っている感じですね。電信柱なんかありませんね。^^
2008/11/2(日) 午後 6:58