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 「線路設備モニタリング装置」の取り付けにあたり、福島県郡山市にある郡山総合車両センターへ入場していた横浜線H015編成が、必要な改修を終えて出場し、2月16日より運用に復帰しています。

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1月12日、郡山総合車両センターへ配給回送されるH015編成

 今回、装置を取り付ける編成にH015編成が選ばれた理由については、末期に製造されたグループとあって総走行距離が他編成に比べて短く、指定保全検査も直近に受けていたためと推測されます。H028編成も同様に末期の製造ですが、同編成をはじめとするJ-TREC横浜事業所製造分の最終グループは2号車に塗油装置を設置しており、載せ替えが必要になることから避けられたのではないかと考えます。

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線路設備モニタリング装置を取り付け、所属区に返却される同編成

 郡山総合車両センターへの入場から1ヶ月余りが経った2月15日、H015編成は再び東北本線へ姿を見せました。写真ではちょうど架線柱がかかっていますが、2号車のサハE233-6215に灰色の機器が設置されているのがわかります。

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 「線路設備モニタリング装置」は、線路の歪みを測定する「軌道変位測定装置」と、線路を繋ぎとめる締結装置などを観測する「軌道材料モニタリング装置」の2つから成る設備です。
 左写真の中央に見える大型の装置が「軌道材料モニタリング装置」その右脇にある装置が軌道変位測定装置」となっています。いずれも左右の軌道状態を監視するために、装置は枕木方向に渡っています。

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新たな装置を抱えて営業運転に就く同編成

 大型の「軌道材料モニタリング装置」は、装置に搭載されている濃淡画像取得用/標高情報取得用の2種類のカメラで左右の線路をそれぞれ撮影し、車上でリアルタイムに画像処理を行うことで、レール締結装置および継目板ボルトの脱落有無を検出します。車両床下という暗い部分の撮影を行うため、装置には白色のLED照明のほか、赤色レーザープロジェクターが内包されており、測定中はそれらが線路を照らしているのを目で確認することができます。
 一方、小ぶりな「軌道変位測定装置」は、開発の途中では「車体装架型慣性正矢軌道検測装置」とも呼ばれ、内部にレーザー変位計を有する光学式の測定機器となっています。自身に搭載されているジャイロスコープと加速度計によって基準となる絶対位置を算出し、それを左右の線路に照射するレーザー光から光学的に測定した線路の相対位置と比較して、軌道変位を求めるという手法です。

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 これまで、軌道変位の測定方法については、機械式をはじめとして様々な形が検討されてきました。それらは作業員の手作業、もしくは専用の検測列車(写真右)によるもので、測定は定期的に実施するほかありませんでしたが、このたび「営業列車に搭載する」という目標が結実したことによって、より連続的なデータの集積、効率的なメンテナンスが可能になります。
 そうした背景から、現在「線路設備モニタリング装置」は各路線への普及が進んでいます

 そんなわけで、当面の間、横浜線ではH015編成が軌道保守の片棒を担ぐことになりました。残念ながら今のところ測定中の様子は確認できていないのですが、引き続き見守っていきたいと思います。

文 献

・株式会社 日本線路技術−線路設備モニタリングセンター
・矢澤英治, 松田博之, 森高寛功: 営業列車で線路を検査する, RRR, Vol.66, No.11, pp18-21, (2009).
・寺島令, 松田博之, 瀧川光伸, 小関昌信: 線路設備モニタリング装置の開発〜営業車搭載用試作品の開発および試験車
 による走行試験〜, JR EAST Technical Review, No.39, pp11-14, (2012).
・古川敦: 軌道の検査・監視技術に関する最近の動向, 鉄道総研報告, Vol.28, No.6, pp1-4, (2014).
・葛西亮平, 西藤安隆, 小松佳弘, 小木曽清高, 矢作秀之, 小西俊之: 線路設備モニタリング装置の概況と今後の方向性, 
 JR EAST Technical Review, No.55, pp21-24, (2016).

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