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04.01 相原七国峠探索

 春爛漫、新年度を迎えました。皆さま如何お過ごしでしょうか。
 当方は相変わらず横浜線を観察したり、酷道ドライブに便乗したり、アニメやゲームで一喜一憂したり、電子工作をしたり、足りない頭をフル回転させてプログラミングをしたり、本を書いたり、サイコロを振ったり、横浜線を観察したりしています。多いわ。
 地元の桜も先週ぐらいに満開となりまして、本来なら新年度一発目のこちらでも桜の写真を取り上げるべきなのでしょうが、おおよそいつもと変わらない写真しか撮れておらず、そんな写真を今お見せしたところで何も面白くないので別の機会にします。

 というわけで2018年度1発目は相原七国峠です。
 横浜線に3つあるトンネルの中でも、とりわけ長い「新相原トンネル」(985m)が貫く相原〜八王子みなみ野間を探索します。

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 横浜線が貫く山(丘陵)はいずれも宅地造成等で切り崩されていて、基本的に原形をとどめていないのですが、七国は比較的最近になって造成が始まったニュータウンということもあって、手つかずの自然が多く残っています。
 また、横浜線のトンネルと直交する峠道(赤太線)は古の時代から続く「鎌倉古道」の一部とされ、当時に思いを馳せて踏破を試みる愛好家も少なくありません。
 しかし、今回はあくまで横浜線調査の一環として行うため、鎌倉古道のハイキングコースは完全に無視し、相原駅方面から八王子みなみ野駅方面へ縦断(大雑把には青破線)することを試みます。



 これまでの調査で、相原駅側からハイキングコースに至る山道が存在することは分かっていますが、ハイキングコースより北側は完全に未知の領域。そもそも道と呼べるものが存在しないため、いわゆる「藪漕ぎ」になることは必至です。ハイキングは好きですが、流石に藪漕ぎの経験はなかったので、助っ人を呼ぶことにしました。
 運悪く私に呼び出されてしまったのは、よく廃モノ探索の企画や酷道ドライブの運転を担う同期K。藪漕ぎのベテラン……というわけではないものの、彼も一応廃モノ巡りをしてきた人間なので、知識や経験、判断力に関しては助けになるだろうと加わってもらうことに。ノリだけで50kmの強歩を何度もやってしまうという、持て余した体力を山にぶつけてもらいます。


  13:40 突入開始
 
 Kの研究がひと段落するのを待って、昼過ぎに相原駅へ。都内にある大学から直接相原駅へ向かう彼に「京王線が早くて安い」と八王子乗り換えを案内したところ、京王八王子とJR八王子の地上乗換で迷ってしまい、横浜線を1本逃したとの報。確かに、初めての乗り換えには少しハードルが高かったかもしれません。
 そんなこんなで予定より10分遅れて到着したKと、綺麗に整備された相原駅前ロータリーを後にします。細くアップダウンのある舗装道路をしばらく進むと、小川を境に畑が広が広がります。道もすっかり未舗装となり、取りつきの部分で左右に分岐します。

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 分岐を右方向に進むと、横浜線の下り本線「新相原トンネル」の入口直上に出てきます。
 このあたりの序盤部分は歩きに慣れてしまったので写真をあまり撮りませんでした。記事では、一応紹介用ということで過去の写真も交えながら掲載していきます。
 さて、そのまま相原駅を背にして山奥に伸びる獣道を進みます。以前は、ここからさほど離れていないところで倒木があり、奥へ進むにはそれを乗り越える必要がありましたが、いつの間にか撤去されていました。獣道自体も、以前に比べるとかなり歩きやすくなったような……。その理由はすぐに判明します。


  13:50 消えた湿地帯

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 前回訪問時は、写真のように湿地帯を間近に見ることが出来たのですが、今回はなんと刈られた草木が山積みにされていて、全く水場を見つけることができませんでした。
 なるほど、前回から今回までの間に、草木がある程度刈られたから歩きやすかったのか……
 湿地帯方向に分岐する獣道も完全に塞がれていたので、今回は湿地帯については探索を断念。ハイキングコースへ繋がる急斜面を上がります。


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 斜面を上がる途中、非常に面白い掲示物を発見しました。

自転車・バイク 直進 ↗

 ここ通るの……? この藪に囲われた斜面を??確かにその先はハイキングコースだけど……。
 見覚えのない貼り紙でしたが、前回見落としてたんでしょうか。



  14:00 ニュータウンの影
 
 バイクに乗りながら……は論外、押して通るにも絶対厳しいだろう、と思いながら斜面を上がり、ハイキングコースに合流。ここからが本題です。

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 ハイキングコース(赤太線)自体は、未舗装の状態で申し訳程度のロープが張られている「山道」そのもの。
 しかし、ハイキングコースの脇に目をやると、怪しい人工物が確認できます。左の地図上に橙点線で示した、謎の隠れ道です。
 この隠れ道、ガードレールや標識まで整備されており、自動車がすれ違える程度の幅があります。
はっきり言ってハイキングコースよりも断然規格がいいので、「隠れ道」と呼ぶには微妙なのですが、道の名称・目的が調べても分からなかったので、とりあえずそういうことにしましょう。


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うん、道すぎる。

 未成道というやつでしょうか。ところどころ若木が生えてはいるものの、ご覧のとおり見通しは悪くありません。起終点は自然と同化していて不明ですが、全長は100メートル程度で、西からへゆるやかに下っています。

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 各所にあるオリジナルの標識が明らかに「ニュータウンの生活道路」を匂わせてくるのが気になります。こういう時、頼りになるのは足元に落ちていたりする看板なんですが……看板……。
 やっぱりありました。おそるおそるひっくり返すと、「住宅・都市整備公団」の文字。やはり、八王子のニュータウンに関連していることは間違いないようです。


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 実は、七国峠の開発は途上の段階で、東西方向・南北方向に山を貫く都市計画道路の事業(橙線)が残されています。中でも、東西方向の「八3・4・8号線」は、七国側から横浜線と交差する部分を掘割として工事を進めたものの、その後の進展が無く放置状態。この道路は東京造形大学のキャンパスすら貫くため、予定地は綺麗に空けられています。
 計画図では、謎の隠れ道の周囲は緑地として整備される予定になっていて、道路自体もおそらく「八3・4・8号線」に接続するものと推測されますが、なぜ起終点が覚束ない今の状態で、一部区間に限って標識まで設置されているのかは全くの謎です。



  14:30 藪に消えた「ハエたたき」

 謎の隠れ道で住都公団が設置した看板を観察しつつ、都市計画道路の予定地を見下ろしているうちに、「あれ、未だ半分も来てないんじゃないか?」という単純な疑問が浮かんだたので元の道に戻ります。
 まずは鎌倉古道から造形大方面に分岐する山道へ入り、その先がどうなっているのか調査したのですが…… 普通に造形大にぶつかるだけだったので、そこから谷間に向かって横浜線の上り本線の直上をひたすら藪漕ぎすることにします。

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 七国の藪漕ぎは、造形大という大きなランドマークがあるのでさほど難しくはありません。しかし、造形大が見えなくなる場所では、勘とコンパスが必須です。
 地図の等高線から山の形をイメージして、それが実際の風景と比べてどうか、というのが分からないと簡単に遭難します。左写真は、歩く道のサイドビューではなく、フロントビューです。ここに入っていくんです。


 横浜線が単線だったころ、相原トンネルの西側には道があったようで、今回もほぼ同じルートを辿っているのですが、流石に跡形がありません。藪しかない。ただ、時折藪の中に古い缶コーヒーがあったりして、人が通った跡を見つけることはできました。
 缶コーヒーの製造年代と、道があった時代を照らし合わせたかったのですが、腐食が激しく「レトロ感あふれるコーヒー」ということしか分かりませんでした。

 しかし、レトロ缶コーヒーの製造年代が推定できず悲しみに暮れる我々の前に、驚くべきものが姿を見せます。

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ん?

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んんん????

 昭和の代名詞、「ハエたたき(の一部)」ではありませんか。
 付近を見回すと、支柱から外れてしまったと思われる碍子がゴロゴロ転がっていました。碍子の製造年代は1930年代から50年代にかけてで、いずれも横浜線の複線化前。鉄道用途かどうかまでは分かりませんが、こういう掘り出し物を求めていた我々にはご褒美です。
 ちなみに「ハエたたき」とは、昔使われていた電信柱のこと。流石にその時代の写真はないので、Google先生で調べてみてほしいのですが、一目見れば由来がわかると思います。
 このタイプの二重碍子については、ねじが取れるタイプと取れないタイプがありますが、その点の確認については失念してしまいました……。

  14:50 バイパス発見

 さらに進むと、こんどはコンクリートの構造物を発見しました。トンネルポータルにしては位置が南側すぎるので、周囲を確認したところ水路の様子。

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バイパスだ!!

 上り線の上に水路が現れたということは、そのまま下った先はトンネルの上になるはず。枯葉の堆積が少ないということは、雨後には相当の水が流れ込むのでしょうが、今日は運よく下が湿っている程度。屈んで一気にやり過ごします。

  15:00 相原トンネル入口到達

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 予想は的中し、水路を下った先で上り線「相原トンネル」の入口にぶつかりました。ようやく写真撮影タイムです。
 山に入ると、線路沿いの柵なんてものはないので「どこまで立ち入っていいか」という判断に困りますが、少なくとも脇の斜面や保線用通路はアウトだろうということで、トンネルポータルの手前から狙うことに。運転士さんに自殺志願者と間違えられないかヒヤヒヤしましたが、そもそも角度的に見えないかもしれません。撮影ついでに腹ごしらえもして、この後の行程に備えます。
 写真は磯子行です。LEDは切れていますが、ギリギリ磯子行であることが分かる程度です。で、磯子行ということは、この時点で日没が割と迫っているということなのです。あまりゆっくりしてはいられません。
 ここで "ゆるキャン△" になる前に、地図を確認して今後の行動計画を確認します。



  16:30 宇津貫緑地着

 16時過ぎ、再び水路を戻って途中の沢から西側に方向転換します。どうにも巻けない場所があったので、太い枝を頼りに這い上がり、さらに進むと急に開けた山道に出ました。しかも、道沿いの植物には札がかけられています。
 その道に吸い寄せられるようにして北へ。そして16時30分、八王子みなみ野側の緑地「宇津貫緑地」に入りました。ようやく地図に書かれている道に出たことになります。

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 到着直後は明るかったのですが、近所のスーパーで夕飯を買い出ししていたらあっという間に日が暮れてしまいました。
 日没後に「みなみ野シティ」を訪れることはあまりなかったので、宇津貫緑地にて夜練を決行。定番の長時間露光はもちろん、サイドメインの流しにも挑みましたが、後者が難しい……。百歩譲って成功と言えそうな写真は相模線の1枚だけでした。

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 模型みたい

 そして八王子みなみ野まで歩いて本日の全行程は終了。同行のKはお疲れ様でした。(今回の藪漕ぎが次の廃線探索に生かされたとか生かされていないとか)

 新年度から(体力的に)ハードな記事になってしまいましたが、本年度もよろしくお願いいたします……ということで、申し訳程度に桜の写真を貼って締めとさせていただきます。
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