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本田美奈子さん 【つばさ】 本田美奈子がデビューしたのは僕がちょうど中学生になった時。 たぶん初めてファンになったアイドルだったかもしれない。まあルックスから入ったのは中学生だから しょうがないにせよ、歌の上手さにも惹かれてしまった。 歌唱力は当時の他のアイドルとは比べ物にならないほど一線を画していた。“モノがちがう”とは こういうことなのか、と。 その後、アイドル熱はすぐに冷めてしまい(時代もバンドブームにシフトし始めていた)、 『本田美奈子』の名前もメディアであまり見かけなくなっていたのだが、気がつくとミュージカル 『ミス・サイゴン』の主役で歌っていた。メディアの反応も最初は「アイドル出身が・・・」といった 冷ややかな見方だったのが、いつの間にか大評判になっていたのを覚えている。 ミュージカルスターになったかと思えば、今度はクラシックの声楽にチャレンジして、プッチーニの オペラアリアや『アヴェ・マリア』、『アメイジング・グレイス』をあの細身の身体から出ているとは 思えない声量を以て歌い切っていた。 おそらくこの人は心底『歌う』ことが好きだったのだろうな。あの容姿とキャラクターを以てすれば 普通にタレントをしていたらもっと一般的な人気を得ていただろうに、最後まで歌うことにこだわり 続けたことに快哉を叫ばずにはいられない。本人が発した言葉の端々にもそれが伝わってくる。 「私は歌と結婚したんです」 「自分を磨くために毎日毎日がんばっているって感じです」 こんなことは思っていてもなかなか人前で言えるものではない。自分に正直であり続け、そのことに 誇りを感じるからこそ言えることではないか。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ご存知のとおり5年前の今日、本田美奈子が38歳の若さで死去したニュースを聞いたときは耳を疑った。 白血病の闘病の様子が時折テレビで紹介されてはいたけれど、こんなに早く・・・・ 数日前に僕のピアニストの友人が亡くなったばかりだっただけにショックは大きかった。 その時のテレビ各局のニュースで盛んに流されていた『ミス・サイゴン』の熱唱を見て心を打たれた。 歌っているのではない、主人公キムその人そのものになっているのだ・・・・ この時はじめて生の『ミス・サイゴン』を、生の本田美奈子を見たかったと悔やんだ。 もう遅いけれど。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 『アメイジング・グレイス』の熱唱がが彼女の“白鳥の歌”として採り上げられることが多いけれど、 僕としては『ミス・サイゴン』の成功直後に出たシングル『つばさ』の間奏に歌われるロングトーンに 惹かれてしまう。 純粋に、音楽的に論じればここでのロングトーンは必ずしも必要な表現方法では無いかもしれない。 また、彼女がポップス→ロック→ミュージカル→クラシックと歌い方を変化させて来た(更にいうと、 元は演歌志望だったらしい)ことに眉をひそめる向きもあるかもしれない。 確かにそれぞれの分野のエキスパートのすばらしさは僕も認める。マリア・カラスの『誰も寝てはならぬ』 は世紀の絶唱であることに否を唱えるつもりもないし、都はるみの“こぶし”に宿る凄みも・・・ しかし、『つばさ』間奏でのロングトーンには、自分がここまで歌えるようになったことを、ひけらかすの ではなく、純粋無垢に喜びを感じているように思えてならない。そして、もっともっと歌がうまくなりたい、 もっとたくさんの人に歌を届けたい、という10代の少女の無垢なる夢にも似た想いがそこにはあるのでは ないか、と感じずにはいられないのだが。 40代になったらジャズを歌ってみたいと言っていた、との話を聞くとこのひとは、この世にあるあらゆる 『うた』を歌ってみたかったのではないだろうか・・・そしてそれはもう叶わない。 恥ずかしながら、過去の歌を聴く度に涙が出てしまう昨今。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 最後に:冒頭の動画は、本来ならここに掲載するべきものではないかもしれません。 が、どうしてもここに紹介したいという欲求に勝つことができませんでした。UP主さんすいません。 何らかのクレームがついたら即刻削除します。 |

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私も彼女の歌、声、彼女自身、大好きでした♪
ホント、あの当時のアイドルとはちょっと格が違ってましたよね。
あんなに細い身体なのに 凄い声量が発せられるのですからびっくりです♪
そして、彼女の悲報に同じくショックを受けました。
きっと今でも天国でも歌っているのでしょうね♪
2010/11/6(土) 午前 4:27
この映像は本当に涙が出ますね。
彼女の歌う喜び、歌への愛がひしひしと伝わってきます。
2010/11/6(土) 午前 10:29 [ yellowmagicwoman ]
先日、オイラも記事にしました。
“いつのまにか”ファンになってた歌手の一人です。
尾形さんの仰る“ロングトーン”、本当にそう思います。
“唄うことの喜び”を全身全霊で表現したのが、あのロングトーンだっだんですネ。。。
“ピュア”ってことば時として安っぽくなりますが、彼女の歌に対する気持ちはピュアだったんだと思います。
ずっとずっと語り継いで行きたい歌手です。 TBさせてくださいネ。
2010/11/7(日) 午前 0:33
higejazz様
トラバありがとうございます。たった今そちらへコメント
してきました。
彼女の歌やその姿勢は、おっしゃる通り混じりっけなしの“純粋”
さから来ていると僕も思います。「本田美奈子」の影響力は少しずつ
、しかし確実に広がっていくのではないでしょうか。
2010/11/7(日) 午前 1:08 [ 尾形ミツル ]
はこ様
おそらくこの方は向こうでも毎日歌っていることでしょうね。
背中に“つばさ”が生えた様に、自由に・・・
2010/11/7(日) 午前 1:16 [ 尾形ミツル ]
yellow様
この歌には、仰る通り喜びや愛が満ちあふれていると思います。
しかしここまで来るのには並々ならぬ努力があったそうですね。
彼女の歌を聴くと、己の才能を活かすためにはやはり絶え間ない
努力なんだということを感じます。
2010/11/7(日) 午前 1:22 [ 尾形ミツル ]