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「なんで知らんでええことかどうかは 知ってしまうまで判らんのかね」
こうの史代 「この世界の片隅に」より
何かで満たさないと緊張の糸が切れたらふっと涙が止まらなそうで、それが少し怖い。
どうしていつも由宇が好きに成る相手は、年が上過ぎるんだろう。結婚してるか、付き合う事自体が問題になるか、対象外かしかない。失恋しか予期できないし起き得ない。それが怖い。けど、……嫌いにはなれないよ今更。諦めたくても忘れる事など出来ないんだ。
不安ばかりが広がって、足下から掬われる。守る事を建て前に逃げ込む自分の行動が愚かしくて嫌になる。はぁあ、本当にバカだなあ。由宇は。凹む。
ずっと、一回り以上(二回り近いかな?)予備校の先生に憧れてました。博識で優しくて、いつも由宇の事見てくれてるから。好きだと気付いたのは割と最近で、諦めなきゃとも思ってる。
そんな矢先に、共通の友人(メル友)を介して5つ年上のメル友と出会った。その人は、年齢以上に落ち着いた人で由宇の事も可愛がってくれた。メル友なんかに恋する事は有り得ないと思っていたのに、いつの間にかメールが楽しみに成っていた。それでも由宇は今の関係を崩したくなくて、常識じゃ有り得ないこの気持ちに気付かないフリをしたんだ。「たまたま若い男の子だっただけ」って。
今日彼のサイトを見て思い知った。私は彼の事が、自分で思う以上に好きなんだ。泣いているのは、「昔犯した過ちを償えないから」恋愛は当面しないと嘘を吐かれたからじゃない。由宇が其処に居たかったからでも、ない。只。
彼の目に由宇よりも大切で愛おしい人が写りその人の為に心を乱している事が、嫌だった。「由宇は本当に俺の事理解してくれてる」って言ったのは彼だったのに、嬉しかったのに、なんて身勝手な事ばっか思う自分が卑しくて悲しいよ…。気持ちをすり替えて逃げる事も、もうできない。同じ胸の痛みをまた予備校の先生に対しても覚えるのだという事を考えると、更に苦しい。
全部全部、由宇が弱いのがいけない。でも、どうしたらいいのかもわからない……。忘れられるまでは、当分何もしたくないっていうのが本音。
本当はわかってる。全て、受験から逃げ出したいだけなんだ。由宇は。
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