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無肥料・無農薬栽培を実践していく上で、重要な用語をメモしておく事にしました。 <C/N比(炭素率)> 有機物などに含まれている炭素(C)量とチッソ(N)量の比率で、炭素率ともいう。C/N比がおおむね20を境として、それより小さい(つまりチッソが多い)ほど、微生物による有機物分解が早く、すみやかにチッソが放出され(無機化)、反対にC/N比が大きいほど分解が遅く、むしろ土の中のチッソが微生物に取り込まれる(有機化)といわれている。 C/N比の小さい有機物を土に施すと肥料効果は高いものの、土壌改良効果は低く、過剰施用には注意が必要になる。いっぽうC/N比の大きな有機物を土に施すと、作物の利用できるチッソが少なくなって一時的なチッソ飢餓の心配があるものの、微生物や腐植を増やし、保肥力を上げる効果がある。ちなみに、ワラのC/N比は50〜80、麦わらは60〜80、モミガラは70〜80、落ち葉は30〜50、生長した雑草は50、剪定くずは60程度。 C/N比は堆肥つくりや堆肥の品質診断にも重要で、材料のC/N比を20〜40に調整し、仕上がった堆肥が15〜20になるのがベスト。 <pH(ペーハー)> 酸性・アルカリ性を示す値で、ピーエイチまたはペーハーと読む。7が中性で、それ以下が酸性、以上がアルカリ性。その数値が小さくなるほど酸性が強く、大きくなるほどアルカリ性が強い。 pHによって、土の中に溶け出してくる養分量が異なり、中性から弱酸性が一番バランスがいい。pHが6〜5.5以下の酸性は、一般に石灰、苦土など塩基成分が不足した状態で、リン酸は不溶化し、微生物による硝酸化成作用も低下して、作物の生育は悪くなる。一方、アルカリ化・高pHでは、リン酸は石灰と結合して作物に吸収されにくい形態に変わり、鉄、マンガン、ホウ素、亜鉛などの微量要素も効きにくくり、各種の欠乏症状が発生する。このような高pH土壌では塩基飽和度が100%を超え、塩基バランスも崩れている場合が多い。 <EC> 土の中の養分の濃度を示し、イーシーとか電気伝導度とか呼ばれる。作物の種類によって適正な濃度があり、それより高いと作物の根は濃度障害を受けて養分を吸収できなくなり、低すぎると栄養不足に陥る。一般的な作物の場合、0.2〜0.5mS/cmが適正とされている。 ECは硝酸態チッソ含量と密接に関係しており、数値が高いと硝酸態チッソもたくさん含まれていると考えてよい。この値が高いと、目に見えた生育障害はなくとも収穫物の硝酸態チッソ含量が増えて病気に弱くなったり日持ちが悪くなったりする。土壌中に硝酸が増えると土壌のpHは低くなるため、酸性改良しようと石灰などを施すとさらに塩類(肥料)の濃度を高めることになるので要注意。 <アミノ酸> タンパク質を構成する基本単位となる有機チッソ化合物で、作物体では20種が知られている。作物に吸収されたチッソ(硝酸態)は、体内で亜硝酸→アンモニアへと変化し、グルタミンなどの各種アミノ酸がつくられる。これらのアミノ酸はその後タンパク質に合成されるが、アミノ酸自身もうま味や甘味などに影響を与える。 農業の生産場面で話題になっているのが、アミノ酸を直接に作物に散布(葉面散布)したり、根から吸収させる技術である。これは、体内でアミノ酸がつくられる過程で糖ができるだけ消費されないことをねらった技術。作物が弱っているときや、天気が悪くて光合成がすすまないといったときに効果が高いが、味をよくしたいときや、作物をさらに元気にしたいといったときにも用いられる。市販の資材もあるが、魚のアラなどの魚肥料やコンブなど、いずれもアミノ酸たっぷりの素材を使えばよい。 <有機酸> 植物や動物(微生物も含む)が、体内で糖を分解してエネルギーを得る過程でつくりだされる酸のことで、クエン酸やリンゴ酸など多種の有機酸がある。果実に含まれる酸、ホウレンソウで嫌われるシュウ酸も有機酸の一つである。 根から出された有機酸(根酸)は、作物に吸収されにくいミネラルなどを溶かして作物が吸収しやすい形に変え、作物の養分吸収を助ける働きをする。微生物が有機物を分解するときにも有機酸を出す。 発酵に詳しい福島県の薄上秀男さんによると、「有機酸とは、微生物の汗です」。微生物は一生懸命、糖を分解してエネルギーを取り出しながら酸性の汗をかく。そしてその汗が土の中からミネラルを溶かしだしたり、キレート化して作物が吸いやすい形に変えたりと、役に立つのだそうだ。 <根酸> 作物の根が分泌する有機酸のことを根酸という。植物は、根から分泌した有機酸によって有害な物質を無毒化するだけでなく、必要とする元素の取り込みにも役だてている。 根を守る例をあげると、茶は根が分泌する有機酸によって有害なアルミニウムの動きを封じ込めているし、ソバは有機酸の一種であるシュウ酸を分泌してアルミニウムによる酸性害を軽減している。 養分吸収促進の例では、アルカリ性の土壌に育つヒヨコマメは根からクエン酸を分泌して根の周りを酸性化し、アルカリ性では溶けにくい鉄を吸収しやすくしている。イネやムギで有名な根酸がムギネ酸で、鉄不足になりそうなときには大量のムギネ酸をつくりだして、キレート化によって根の周りの不溶性の鉄を溶かし、鉄欠乏から身を守る。 <キレート化> 吸収されにくい養分を吸収しやすくする仕組みの説明によく使われる。キレートとは、ギリシャ語で「カニのハサミ」という意味で、吸収されにくい養分をアミノ酸や有機酸によってカニバサミのようにはさみ込んで、吸収されやすい形に変えたり、反対に有害物質を無害化したりする。作物が根酸を分泌して周囲にあるミネラルをキレート化して利用しやすくするのはその典型である。 錯体とは、金属を有機物が包み込んだ状態で、吸収されやすい一つの物質のように振る舞う化合物をさす。光合成を司る葉緑素(クロロフィル)は苦土を包み込んだ錯体だし、血液中のヘモグロビンは鉄を包み込んだ錯体である。 土ごと発酵は、土中の有機酸やアミノ酸を豊富にし、キレート錯体化によって、ミネラルを作物が吸収しやすい形に変えていると考えられる。 <根圏微生物> 根の周り(根圏)に生息する微生物のこと。根圏では、根酸その他根からの分泌物などをエサに微生物が繁殖し、その微生物が土の養分を作物が吸収しやすい形態に変えたり、微生物が分泌する養分を作物が受け取るなど、作物と微生物が共生する活性の高い場となっている。チッソ固定菌、リン溶解菌、糸状菌、細菌、菌根菌など多様な微生物がおり、(1)養分吸収、(2)根の形態、(3)生理活性物質生産、に対する働きを通して、直接植物の生育に影響を及ぼしている。 <葉面微生物> 葉の表面に生息する微生物のことで、糸状菌(カビ)、酵母、細菌などが多い。米ヌカを葉の表面や通路に散布したら病害が激減したという報告から、葉面微生物に注目が集まっている。 一見何もなさそうに見える葉の表面だが、葉から分泌される糖類や有機酸、古くなった細胞がはがれたものなどが付着しており、葉面微生物はこれらを分解して葉面をきれいに保ったり、病原菌から植物を守ったりしている。 その仕組みだが、(1)葉面微生物が抗菌物質を出す、(2)病原菌に寄生して病気にする、(3)栄養分を病原菌と奪い合う、(4)作物を刺激して抵抗性を誘導する、(5)植物にアレロパシー(他感物質)を出させる。 <根粒菌> マメ科植物の根に根粒をつくり、大気中から取り込んだチッソをアンモニア態チッソに変換(空中チッソの固定)、マメ科植物に供給する土壌微生物。根粒内にはマメ科植物から光合成産物が供給され、根粒菌とマメ科植物は共生関係にある。 土壌中にチッソ肥料が多いと、根粒菌の働きは低下する。マメ科植物が、土壌中のチッソ肥料の量に合わせて根粒菌の働きをコントロールするらしい。また、根粒菌がチッソ固定するためには、好気的な呼吸でエネルギーを得る必要があるので通気性が重要になる。 <菌根菌・VA菌根菌> 菌根菌は糸状菌(カビ)の仲間で、(1)菌糸が根周辺に伸びて根を包むようになる外生菌根菌、(2)カンキツなどの多くの植物に感染するVA菌根菌、(3)ランなどの特定の植物のみに感染する内生菌根菌が挙げられる。注目される理由は、菌根菌がリン酸の吸収やミネラルの吸収を促進するからである。 リン酸は土壌に吸着されやすく、しかも土の中では動きにくい。ところがVA菌根菌は十数cmも菌糸を伸ばし、リン酸を吸収する根の根毛の働きをしてくれる。それだけでなく、不良環境の中でも光合成を促進したり、乾燥害を軽減する効果も明らかになっている。VA菌根菌を含む資材も販売されているが、炭を施すとVA菌根菌がふえるし、ナギナタガヤなどの草生栽培やヒマワリ、トウモロコシ、マメ科作物などの緑肥を取り入れても菌根菌が殖える。 ただし、施肥が多い肥沃な畑では、菌根菌は殖えてくれない。
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無肥料・無農薬栽培について
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お早うございます。
凄い !
勉強されてますね
簡単に無農薬野菜って出来るもんではないですよね
それに実績を上げられているのが立派です。ナイス。
2013/10/25(金) 午前 10:32 [ NA007 ]
こんにちは。
教科書にさせて戴きます。
先日 畑に拡げて干していたアズキと落花生の根を見たら
掘り出した時のツブツブが殆んど失くなっていました。
根粒菌が土の中に戻ってしまったんでしょうか?
2013/10/26(土) 午前 11:00
NA007さん、こんにちは。
忘れっぽいので記録しています。4年以上苦労しましたが
やっと軌道に乗り始めたところです。
2013/10/26(土) 午後 3:56
monsteraさん、こんにちは。
死滅か土に還ったのかよくわかりませんが、心配には及びません。
生はやはりリスクが大きいので特にマメ科はしっかり枯らすことが
重要だと思います。
2013/10/26(土) 午後 4:00