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【近況報告・9月22日】 一応生きてます。最近、化物語とヘタリアにはまり中ー

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「えっと…先程の事なんですが、『若様』とは……?」
ブレイクは彼のことをそう呼んでいた。
普段なら名前か『鴉』というパンドラでの呼び名を使うだろう。
「……そのことでしたら本人から直接お聞きになった方が良ろしいですわ」
少し思案した後、シャロンはそう言ってニッコリと笑う。
「お嬢様ー、やはり道の出現場所はここで間違いなさそうですネェ。後は――」
「ブレイク、少しの間作業を中断して、彼をお借りしても宜しいですか?」
ブレイクの声を途中で遮って尋ねる。
指名された黒髪の青年は訝し気な顔でこちらを見ていた。
「構いませんヨォ。ほら、早く行ってあげなさい」
意味ありげなシャロンの表情に何を読み取ったのか、笑顔で答え彼を送り出すブレイク。
「……なんだ?」
口数少なく問うてくる彼にシャロンは表情を変えず言う。
「貴方、ルネアさんに例の事について説明なさっておられないようですわね」
“例の事”という言葉に彼が顔をしかめる。
「あ、あれは……お前が伝えといてくれれば――…」
若干焦った様子で言うが、シャロンは取り合わない。
「いけませんわ! きちんと自分の口からお願いするべきです」
彼が返答しないうちに、こちらに向き直る。
「という訳で彼が今から説明してくれるそうです。私は少しブレイクと話して来ますので、ごゆっくりどうぞ」
言うだけ言って去っていってしまった。
残されたのは意味が解らない私と途方にくれた様子の彼だけだ。
∇∇∇


勢い込んだのはいいものの、ぶっちゃけた話私には特に手伝える事は無い。
「シャロンお嬢様…一つ伺っても宜しいでしょうか?」
同じく隣ですることもなく、ブレイクと彼の作業を眺めていたシャロンに尋ねる。
「……ルネアさん」
シャロンがゆっくりと視線を外し、こちらを向く。
「私常々言っていましたよね?」
笑顔である。なのに恐怖を感じる。
「……し、しかしお嬢様っ!流石に今の年齢では余りに不自然かと――!」
「何がですか? 年齢的には私の方が一つ上なのでなんの問題も在りませんわ」
「……ですがっ!」
「……ですが、なんですの?」
言いかけた言葉を思わず飲み込んでしまった。
彼女の笑顔から無言の圧力がかかってくる。
「では、改めて確認しておきますわ。……私のことはなんと呼べばいいと教えましたか?」
しばし耐えたが抵抗は無意味だった。
「シャロン…姉さま……」
「はい、よく出来ましたわ」
プレッシャーから解放される。
「それで聞きたい事とは?」
「君もこっちでアメでも食べないカイ、『若様』?」
「…………結構だ」
不機嫌オーラを平然と無視して話しかけるブレイクに、彼は私とほぼ同じ反応を返す。
「君もルネア君も……そんなに緊張してるとォ……」
包みを剥がしたアメを口元に運び、舐めるのではなくかみ砕いていく。
「……出来ることも失敗しちゃいますヨォ?」
食べ終わったアメの棒をぷぺっと飛ばす。
仕方がないからわざわざ回収しに行った。
「律儀ですネー」
「こんな所にポイ捨てしないで下さい」
その言葉には返答せず、再び彼に向かって言う。
「ただでさえ今回の任務はレインズワース家の独断デス。組織に対しても内密のことなんですからしっかりやってくださいネー」
私も彼も何も言わない。
「大丈夫、失敗などしません!」
黙ったままの私達に代わって、シャロンが立ち上がる。
「さあ、そろそろ準備を始めましょうか」
いよいよなのだ。
「私達の手でオズ=ベザリウス様をお救いするために――!」


―――大丈夫。
今度は二度と、間違えない。
〜あの光をもう一度〜


――再び、時は流れ数年後。


∇∇∇

「――鳥の囀り」
ギャァギャアと烏の鳴き声が響く。
「――差し込む陽光」
崩れた落ちた屋根から太陽の光が差し込む。
「いやぁ〜 お茶を飲むには最高のシチュエーションですネ」
「……どこがですか?」
確かに廃墟と成り果てたこの古い教会跡でカップを片手に朗々と語る姿は、場合によっては狂ったお茶会の絵画のようで絵になるかもしれない。
しかし今はそんな場合でもないし、なにより少し離れた場所から発せられる雰囲気が時がたつほどに苛立ちを増していってるのが感じられる。
「いい加減ティータイムは終わりにしてください、ブレイク。不謹慎ですよ」
その気配に見兼ねたのか、シャロンがそう咎める。
しかし彼女自身も先程まで向かいに座り、ケーキを戴いていただけに何となく説得力がない。
「いーじゃないですか、シャロンお嬢様。“道”がつながるにはまだ時間があるでしょう?」
「全く…貴方はもう少し回りの雰囲気を読んだらどうですか?」
横目で見ながら少しきつめに言ってみるも、全く意に解さない様子で次のケーキに手を伸ばす。
「イライラしてる時には甘いものを食べるといいそうですヨー? という訳でルネア君も一つどうですカ?」
「……結構です」
そう言っている間にも一皿片付け、今度は懐から棒付きアメを取り出す。
「最近みんな冷たいネー、エミリー」
「ホントだぜぇ」
テーブルの上で人形が笑う。
あの人形…一体どうなってるのか少しだけ知りたい。
「君達はどちらも“誰かの為に”という自己満足で動いている」
……違う。
彼は私とは違うのだ。
そう否定したいが、言葉がでてこない。
「その他人への存在理由の依存はとても危ういことデスヨ」
さっきのも結局はオズ君を助けるためという建前に依存した、自分の過去への罪滅ぼしなんじゃないんデスカ?
目線で問い掛けてくるが応えられない。
「まぁ、君達は“自分の為に”誰かに尽くしていることを、少しは理解してるぶん何処かの溝ネズミよりはマシでしょうケド」
珍しく嫌悪をあらわにするブレイク。
溝ネズミ…?とは何のことなのだろう?
「……とにもかくにも、そろそろ本格的にオズ=ベザリウス救出に向けて動かなくてはいけませんネェ」
座っていたベンチから立ち上がる。
…君も食べますか?と言って差し出してきたアメを受け取った。
「ギルバート君のおかげで鴉は手に入れマシタ…後はパンドラ本部にばれないよう――…」
アメをかみ砕きながらブレイクが歩き出す。

「色々と面倒ですけど、これから愉しくなりそうですネー」

かっぽかっぽ、と不思議な足音が響く。
私はその後ろ姿を黙って見つめていることしか出来なかった。




―――こうして私は彼と出会い、一連の出来事に関わることになった。




そして時計の針は正確に、止まることなく進んでいく。

〜to be continue〜

∇あとがき∇
ここまでで第二話終了です。
主人公の過去が色々とあやふやですが、そのうち解明されますんで気長に見てくださると嬉しいかも。

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