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「えっと…先程の事なんですが、『若様』とは……?」
ブレイクは彼のことをそう呼んでいた。 普段なら名前か『鴉』というパンドラでの呼び名を使うだろう。 「……そのことでしたら本人から直接お聞きになった方が良ろしいですわ」 少し思案した後、シャロンはそう言ってニッコリと笑う。 「お嬢様ー、やはり道の出現場所はここで間違いなさそうですネェ。後は――」 「ブレイク、少しの間作業を中断して、彼をお借りしても宜しいですか?」 ブレイクの声を途中で遮って尋ねる。 指名された黒髪の青年は訝し気な顔でこちらを見ていた。 「構いませんヨォ。ほら、早く行ってあげなさい」 意味ありげなシャロンの表情に何を読み取ったのか、笑顔で答え彼を送り出すブレイク。 「……なんだ?」 口数少なく問うてくる彼にシャロンは表情を変えず言う。 「貴方、ルネアさんに例の事について説明なさっておられないようですわね」 “例の事”という言葉に彼が顔をしかめる。 「あ、あれは……お前が伝えといてくれれば――…」 若干焦った様子で言うが、シャロンは取り合わない。 「いけませんわ! きちんと自分の口からお願いするべきです」 彼が返答しないうちに、こちらに向き直る。 「という訳で彼が今から説明してくれるそうです。私は少しブレイクと話して来ますので、ごゆっくりどうぞ」 言うだけ言って去っていってしまった。 残されたのは意味が解らない私と途方にくれた様子の彼だけだ。 |

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