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本日は自分が尊敬している小説家さんの一人、有川さんの著本『海の底』の紹介でも。
春、寧日。天気晴朗なれど、波の下には不穏があった。
「エビ。巨大エビ。大群。チョー大群。人食ってた」
―――横須賀に巨大甲殻類来襲。
「エビってガス効きますかね!?」
「持てるもんは持ってけ、いざとなりゃ目視照準で飛び道具にしろ!」
食われる市民を救助せよ。
機動隊が横須賀を駆ける。
しかし『奴ら』はあまりに手強く。
もはや助からない者をあくまで救助するべきか。
「隊長! 要救助者は俺たちを見ていますッ!!」
正義の味方を気取れ。
「―――突入!」
停泊中の潜水艦『きりしお』に未成年者が逃げ込み孤立。
乗員わずか二名で保護するは十三名。
「救助、来ないんですか」
「現時点で早い救助は望めない」
「でも、子供が取り残されているのに―――
警察も自衛隊も動いてくれないんですか」
子供たちの不審に答える言葉は存在しない。
波の下の不穏。
横須賀の災厄。
海の底から来た『奴ら』は―――『レガリス』
「さて、この警備において最終目的とは何か」
「できる限り速やかに状況を自衛隊にリレーすることであります」
自衛隊を引きずり出せ。
献身に勇気。努力と根性。そして無謀。
「これが機動隊への最後の命令になる。―――死んでこい」
全ては横須賀を救うため。
【海の底 著/有川浩】
ハイ。
前置きが長くなりました。
ストーリー紹介は以上で終わりということにしまして(≪オイ)、私的意見に移りましょう。
上の文でなんとなくのストーリーをつかんでください。
・CTK(超適当な解説の略)【ネタバレ注意】
えっと最初にも書きましたが今回語っちゃうのは有川浩さん作の『海の底』です。
これは有川さんのいわゆる“自衛隊三部作”の【海】にあたるものです。
自衛隊三部作というのは有川さんの著書『塩の町』と『空の中』そして『海の底』の三作をまとめてさします。
どれも自衛隊と架空の怪物やら生物(?)が激しい戦いを繰り広げるなか、
その最中で生きる人々の生き様や恋を画いたハードカバーの小説です。
三作にストーリー的なつながりは全くないのですが、
読んでみると作者の特徴というか類似点が結構ぽろぽろ出てきます。
今回はその類似点ごとに見て行きましょうか。
ではその一。敵キャラ?について。
どれも超個性的で手ごわい非人間の敵が出てくるわけです。
『塩の町』では自らを見た者を徐々に自分と同じようなNaClに変えていく宇宙から来た「暗示性形質伝播物質」
『空の中』なら、誰も近寄れなかった高空域に足を踏み入れたことで目覚めさせてしまった「謎の知的生命体」
そして『海の底』では突如進化を遂げた巨大な甲殻類、通称「レガリス」
見かけはただの海老です。ザリガニです。
ただサイズがでかい。人並み、否人以上あります。
数も多く、そしてなにより―――肉食です。
お祭りで楽しく賑わう海沿いの公園に、突如として大挙し、押し寄せる赤い甲殻類の群れ。
逃げ惑う人々。襲われる人々。そして取り残される人々……。
数の多さとそれなりの知性、硬い外殻に阻まれ人間たちは苦戦を強いられ―――
―――と、こんなかんじではらはらドキドキの展開です。
一応ネタバレ有りとは書いてありますが、全部書いちゃうのもどうかと思うのでこの辺でやめときます。
で、ですね。『海』の敵は今まで散々書いたとおり巨大エビです。
ストーリは停泊中の潜水艦に取り残された海軍自衛隊2名と子供たち、
そして地上でがんばる機動隊員とレガリスの正体解明に努力する若き学者&刑事の二筋で流れていきます。
基本はあくまで海上自衛隊の話ということで潜水艦組なんですけどね。
でも機動隊員とエビの戦いや、彼らの生き様、刑事とオタクの情報収集、そしてくしくも力が及ばないために断腸の想いでの陸自へのリレーなどなど……見所も十分です!
なんか論点が敵キャラ関係なくなってるな……
ともかくそういう飛び道具の応酬的なアクションも見所の一つです。
長くなりましたがその二。キャラについて。
自衛隊シリーズの主キャラは大体4つに分かれるんですよね〜
まずは主人公。大概男です。少なくとも自分は男のほうが主人公だと思ってます。
次にヒロイン。まぁ、言わなくても分かりますね。
んで、口達者な主人公の知り合い。この立ち位置の奴はたいてい顔が良いです。
最後にサブ筋の主人公(達)。
『海』では主は夏木さん、ヒロインはもちろん望みちゃん。
顔の良い口達者な主人公の親友は冬原さん。
ここではあんまり関係ないんで四つ目は割愛。
そうそうちょっと話がそれますが『塩』での主は秋庭さん、
『空』でのサブ主は春名さんという名前なんですよね〜
春、夏、秋、冬。全部揃ってます。
やっぱわざと揃えたんでしょうね〜
話を戻して。
で、登場人物の性格をさらに分析しますと、
主人公には結構年食った(?)おじさんっぽいキャラが多いですね〜
おじさんって言ったら悪いんですけど、よく言えば渋くて男らしいって感じの。
逆にヒロインのほうは年下の少女系女の子が多いです。
メチャか弱そうで、でも芯は通って気が強いみたいな。
口達者キャラはやっぱ外面いいけど中黒いみたいな感じです。
私的にはそっちのが好みですけどね。ww
サブは場合にもよりますけど大体二人組みセットです。
男二人の場合もあるし、男女ももちろん。
その辺はどっちをサブに取るかで人それぞれかもしれませんが、あくまで私的な意見ってことで。
まぁ、何が言いたいかというと主人公をはじめ主キャラもしっかりしててカッコいいですってことです。
その三。主人公たちを取り巻く環境。
まぁ、どいつもこいつもなかなかヘビーな状況に置かれてます。
じゃないと面白くないといえばそうですけどね。
『空』は父親が死んで謎の私的生命体を拾ったと思ったら、それと同じようなのががあちこちで暴れたり、
『塩』は身体の末端から塩になり、最期には全身塩の彫刻へと化してしまう奇病がはやったり……
『海』では回りを何千という巨大甲殻類に囲まれた潜水艦の中で大人たった二人と子供たちだけで立て篭もったり。
外にでなければそう危険がないとは言え、便利さに馴れた子供たちにはとても不便な生活を余儀なくされ
仲間内でも揉め事が起こり、当てにしていた救助もままならない。
そんな極限状態の中で複雑な人間関係による問題が勃発していく…となんかこうやって書くと複雑そうです。
でもそんな環境の中で主人公やヒロインその他の人物たちの心の変化や不安な心境、
子供特有の虚栄心や、葛藤などなど……心理描写もとても共感できるところが多いです。
………とここまで書いたはいいけど結局何が言いたいのかようわからん内容になってるなぁ。
こんな長いの最後まで目を通してくれる人がいるんかなぁ、とか思ったり……
まぁこの書庫は自分がだらだら喋るトコですし、良しとしましょう。(自己完結
というわけでそろそろ解説(?)は終わらせて意見に行きましょう〜
・超個人的な意見(=私的な意見、略してCKK)【ネタバレ注意】
上の解説とどう違うんだ!とか思わないこともないですが、まぁ流してやってください。
有川さんの作品全部に言えることなんですが、
どの作品も共感しちゃうんですよ。それぞれの主人公(ヒロイン)に。
その中でも特に『海の底』はヒロインが中学生ってことで一番近かったんじゃないかな〜と思います。
確かはじめてこれを読んだのは中2のときでしたから。
あんまり本読んでて共感するってのは少なくて(というかアクション物が多いので共感よりはハラハラのほうが多いので)、ちょっと新鮮な体験でした。
なんかすごい捕らえ方が上手いんですよね〜
そのへんの思春期特有の反発とか自分自身のエゴっぽい表れとか。
自分も小説書いたりしますがそういうのをちゃんと捕らえられないんで、その辺も尊敬している一因だと思います。
ストーリはもうお一人、尊敬している作家さんである成田良吾さんのBACCANO!とかみたいに
先が全く読めない、どんでん返しに次ぐどんでん返しッ!みたいな展開じゃないのですが、
ちゃんと筋が一本通っててしっかりとした読みやすい構成になってるんじゃないかなぁ〜と思います。
キャラ設定はですね、解説でもいってるとおり定型パターンが多いんですよね〜
ごつい(?)感じの男っぽい大人な主人公と少女的なでも芯の強い女の子ヒロインの年の差大きい組み合わせっていう。
個人的には面は良くても中身ペテン師キャラが好きなので、好意はそっちに流れっぱですが、
主人公カップルも嫌いじゃないです。
ちなみにペテン師キャラは烏丸刑事とか冬原ですね。
ついでにいうとペンネの冬原はこの冬原さんから取ってます。vv
やっぱ天然直情系より頭脳派ひねくれ系のが好きなんですねぇ、自分は。
まぁ、なんかよくわかんないことだらだら書いてますが字数と時間の関係でそろそろお開きにします。
これを見てちょっとでも有川ファンが増えたら嬉しいなぁ……とか思いつつ、
このくそったれに長い長文を最後まで読んでくださった剛毅な方に惜しみない拍手を送りたいですw
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同作者の『図書館シリーズ』や『レインツリーの国』もお勧めです。
興味を持った人は是非どうぞ!……なんて。ww
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