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 彼女の方からドラッグストアに行ってみます?と誘われた。そんなこと今までありえなかった。おそらく、こちらから誘ったら彼女は断ったに違いない。向こうから言ってくること自体がとても以外で、逆にこちらが動揺してしまった。
 
 しかし、それを顔に出してしまっては取り消されてしまうかもしれない。善は急げとばかりに、じゃあ行きましょうと!と彼女を促し、それぞれの車で現地に向かう。車の中では彼女を目の前にする緊張から解放され、ひゃっほう〜い!と、お祭り状態だった。現地のドラッグストアに着くと、彼女は先について車を降りて待っていた。ちきしょ〜可愛すぎるぜなどと、いい歳したおっさんが思うのも悲しいが、そんな考えさえ吹き飛ぶ愛らしさだった。
 
 彼女と一緒にドラッグストアの入口に入る。出来れば手をつなぎたいところだが、そんなことしたら、即帰られるに違いない。左手を懸命に右手で抑えながら、目的であるシャンプー売り場にたどり着く。彼女は真剣な顔をしてシャンプーを見ている。そんな彼女の横顔を見ているだけで幸せな気持ちになる。それだけでも来た甲斐があったというものだった。
 
 「私は前にこれを使っていましたよ?」
 
 彼女は一つの商品を指さした。その商品周辺は、周りのシャンプーとは明らかに値段が違っていた。周りが980円とか398円とかいう中で、そのあたりの商品は明らかに桁が違うのだ。私は驚いて彼女の顔を見た。彼女の八重歯かちらりと覗く。笑っているようだった。

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