助産哲学って?

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たまには助産師として「お産とは」「助産学とは」などなどマジメなことも語ります
でも、ものすごいたまにしか語りません・・・ハイ
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バースプラン

あのさ、助産師として働いているとさ
 
妊婦さんと彼女のご主人が「バースプラン」なるものを立ててくるわけよね
 
それってすごいエライと思うのよ
自分の出産をきちんと夫婦で話し合って、二人の人生における大切なイベントにしようとしている
実際、妊娠・出産って、家族にとっての人生の大イベントなわけだからさ
 
で、中には、こと細かいバースプランを立ててくるカップルもいるわけよね
でね、気がついたの・・・
バースプランをこと細かに立ててくると、そのプラン通りにはいかず
逆に緊急帝王切開になってるカップルって多くないか??って
 
病棟スタッフの中でもこの現象は「都市伝説」と化してきていて
カップルがこと細かいバースプランを立ててくると
「あぁ・・・・嫌な予感」
みたいな、助産師間の「あ、うん」の呼吸がね・・・
 
で、この前も
あるカップルがこと細かいバースプランを立ててきていて
痛み止めは使わない
必要以外、医療介入はなし
分娩第三期に子宮収縮剤を使用せずに自然に
「内診」は極力無しで
などなど
ほとんどのものが病棟で普通にすべての患者に行われているものなんだけど
まぁ、彼らはそれをプランとして活字にしてきたのよね
 
そしたらね・・・
やっぱり緊急帝王切開になってしまったのよ
そして、また
「あぁ・・・都市伝説は本当だったのかも・・・」的な空気が流れててさ
 
なんなんだろうか、この現象は?
といっても、この現象は私が働いている出稼ぎ先だけなんだろうけど
それにしても、バースプラン通りになった試しがない
 
なんで???
 
バースプランを立てることで
彼らの期待度が↑、それを成し遂げようとストレス↑
そしてそれが生理学的分娩機序に影響するのだろうか????
 
どなたか、助産研究の一環として
分娩計画とその結果の因果関係なるもの研究してください・・・
 
だって、バースプランって女性に本人が出産をコントロールしているという感覚を与え
女性に出産の満足度を与える
そして、それが自信につながる
みたいな感じでいいことだらけのはずなのに
こんな都市伝説が本当になったら
逆効果になっちゃうじゃない
 
ほんと、女性のエンパワーメントのためにも
この現象を科学的に解明して欲しいです
 

最近のオーストラリアの助産師界では

『自宅出産は違法』

という採択を国会で行われるかもしれないということで
ちょっとざわついております

なんでも
NSW州で9ヶ月の間に自宅出産で数例の(確か5例か6例)の死産が報告されたためだそうです
ですので、国を挙げて
「自宅出産禁止」という法令を作ってしまおうというわけです

これは・・・・
いかがなものでしょうか?

私は日本でもオーストラリアでも助産師として働いてますけど
基本的に私は自宅出産というものに何の意見もありません
ホントにニュートラル

しかし!!!!!
どんな妊娠出産にもいつ何か起こるかわからないというリスクはあるわけで
どんなに大きな総合病院だって頑張っても頑張っても救えない命が存在するのも事実

昔はみんな自宅で出産していて
まぁ、周産期死亡率は高かったのも事実
でも、当時は「出産は命がけのものだし、仕方ない。これもまた人生」という
周りの人々の認識もあったと思う

その中で医療が発達し、新生児ケアが進歩し
緊急帝王切開のできる状況が普通になってくると
周りの人々の「妊娠出産」に対する考え方も変わってきて
「母子ともに健康であること」が普通になってきたのかもしれない

でも今はまた少し変わってきて
出産する女性が選択する時代になりつつあるのかなと
当事者の女性が「自分らしい妊娠出産」を求めて
選択する時代になってきたのかな〜とも思うわけです

例えば
どんなに医療介入が多く、医大生や助産師学生に囲まれようとも
「安全」ということを第一条件として大学病院での出産を選ぶ人もいるかもしれない

それよりも、家族や友達に囲まれて
極力医療介入を減らした自宅出産や助産院での出産を選ぶ人もいるかもしれない

その中間でコスト的なこと、医療介入的なこと、立地条件的なことも考えて
個人病院での出産を選ぶ人もいるかもしれない

それはそれぞれに「妊娠出産」に対しての考え方が違うわけで
日本じゃ一生に1〜2回しかないであろう
人生においての貴重な経験をその人らしくするために
自分らしい観点から出産のスタイルを選ぶというのも大切だと思う
(でも、まぁ、これは先進国だからできることだけど・・・)

そんな中で
選択肢としての一つである「自宅出産」を禁止するのはいかがなもんかと・・・
緊急なことが起きた時に「自宅出産」では大きな病院に搬送されて治療を受けるまでに
確かに「時間のロス」というのも否定できないけど
だけど・・・
「自宅出産」を選択する人たちはそういうったことをわかっていて
それでも「自然な出産」を自分らしい出産として選んでいるわけだし・・・

これが大学病院で起きると、それはまた意味が違うわけ
だって多くの患者が「安全」を第一に選んで出産しに来るわけだから
それは「安全」というものを絶対に提供しなくちゃいけない

女性学と浸透と女性の地位確立で
(まぁ、欧米に比べたら日本はまだまだですが)
女性が選べる時代になってきたのに
その選択肢の一つを法律で禁止してはいけないと思います
本当に嫌なら女性が「自宅出産」を選ばなければいいだけで
「自宅出産」を選びたい女性からその選択肢を奪ってはいけないと思います

もし、これでこの法案が採択されたら
オーストラリアに対してガッカリすると思う
こういうことを法律で決めて女性の選択肢を奪うようなことをすると
助産領域発展のため妨げになると思うから・・・
そしたら・・・頑張ってオランダ語覚えてオランダに行きます(笑)
だってオランダの自宅出産率は30%らしいですよ
まぁ、オランダは
「マリファナ合法」「安楽死・尊厳死を認める」「24週以下の未熟児は蘇生しない」という
またちょっとユニークな国ではあるけどね

妊娠出産って、ちょっと視点を変えて社会学的・女性学的視点から見るだけでも
いろいろ問題があるのが少しだけわかってきた気がします

陣痛と痛み止め

何やら今日は朝からやけに耳にするニュースが・・・

「無痛分娩や痛み止めはよくありません。陣痛の痛みは母親になるという責任持つ準備のために大切なのです」

ということを論文にした助産師がいるらしくて
なんだか
「産科医VS助産師」の構図がメディアによって作り上げられているような気も・・・
だって渦中の助産師の意見と産科医の意見と対比させているんですもん

私はどう思うかといいますと・・・

産婦さんが無痛がいいならそれでいいし
産婦さんが痛み止め無しがいいならそれでいいし
一部の産婦さんは妊娠合併症とか考えると無痛にした方がいい人もいるし

最低限のことさえ守られれば産婦さんにお任せです
最低限のこととは「母子の安全」

「自然分娩がいい!!」と意気込んでいる人が緊急帝王切開にや吸引分娩になりお落ち込んだり
「無痛がいい!」と計画を立てていたのにあまりにも分娩が早く進行し無痛にならなくてガッカリしたり
思っていた通りにいかなくて
何だか出産に「失敗」した感じがする産婦って結構いると思うな

だから私は産婦さんがいいと思っていることができればいいと思います
とくに私さ、出産したことないから「陣痛」がわからないし・・・
「すごく痛い」のはわかるんだけど
「どのくらいすごく痛い」のかがわからないので・・・

さらに!
なんでこんなにこの件が問題になっているのかと不思議だったんだけど
昼間のニュースで気がついた・・・

「男性助産師が『痛み止めはない方がいい』と言っている」らしい
そして出産経験のある女性の意見で
「陣痛ってすごく痛いから、男性じゃなくて女性のものなのよ。男に耐えられるわけが無い」と

要は・・・男性VS女性みたいな構図もあり・・・

「男には陣痛の痛みがわからないのに、すごく痛い陣痛に『痛み止めを使う』なって男のお前が言うな」
ってことよね、きっと・・・
でもこれを私が言っても一緒で
「陣痛を経験したことないお前がすごく痛い陣痛に『痛み止めを使うな』って言うな」
ってことになる気がする
っていうか、そうなるんだけどね・・・

どっちにしても
いろんな選択肢の中から何がしたいか選ぶのは産婦さんですから
男性助産師でも
産科医でも
出産経験のない助産師でもないので

もうこうなったら
無痛分娩を選ぶ女性でも、それを推奨する医療者でもなく
「無痛分娩」を開発してしまったヤツが悪いってことにしちゃいましょうかね
うん、そうしちゃいましょう!

母乳育児と助産技術

ちょっとマジメな話を・・・
私の働く病院では『Baby Friendly』というポリシーを掲げておりまして(母乳育児推進です)
http://www.babyfriendly.org.uk/

このことについては以前アップしたんですけど
http://blogs.yahoo.co.jp/miy_s87/51925398.html

最近ねぇ、思うことがあって
「日本の助産師の母乳に関する知識と技術は素晴らしい」と声を大にして言いたい!

オーストラリアには
ラクテーションコンサルタント(Lactation Consultant)という資格がありまして
http://www.alca.asn.au
いわば『母乳専門家』みたいなね
少しくらいの母乳の問題では助産師が解決しようとするんだけど
ちょっと複雑になってくるとすぐに
「ラクテーションコンサルタントに廻せ」という仕組みになっているわけですよ

でも日本の場合は
普通に助産師にこういった知識や技術が要求されるわけです
だって普通の助産師さんが『母乳外来』とかやってるじゃない

で、この国で助産師として働く私
この母乳に関する知識や技術を失いつつあると思うわけです

たとえば「搾乳」といえば
日本では手で搾乳しますが
オーストラリアでは機械ですよ
それも産後1日目や2日目の患者にすら自動の搾乳器を使いますから・・・
手で乳管の開通状況を確かめながら搾乳兼マッサージした方がいいのに・・・

人によって乳房緊満状態の処置が違うし・・・
温かいシャワーを浴びながらマッサージして搾乳しろっていう助産師がいるんですよ・・・
「えっ!?マジで??」って感じですよ
温かいシャワーなんて血液の循環が良くなるから母乳量が増えるじゃん
マッサージや過度の搾乳も同じで母乳量が増えるじゃん
そしたらさらに↑緊満で下手したら乳腺炎になる可能性が↑じゃん

私が言ったところで誰も信じてくれない・・・
だって見た目はジュニアスタッフの上にオージーじゃないんだもん

そうすると見て見ぬ振りをし始める私がいるわけですよ
そして日本で培ってきた母乳育児の知識・技術を封印するわけですよ
これまた悪循環・・・・

この際だから
この忌まわしいラクテーションコンサルタントにでもなって
どうせ『Baby Friendly』というポリシーに振り回されるなら
きちんとした知識・技術を浸透させたいと思っているのです
そして素晴らしい日本の知識と技術を推進させようと(ウソです、そこまでは考えてないです・・)

でもその前に・・・
私は今年から大学に行くので先にそちらの方を片付けちゃわないいけない・・・
ということで
気が向いたら「ラクテーションコンサルタント」目指します

余談ですが
この国はなんでも「資格、資格」とうるさいんですよ、マジで・・・
ちなみにアデレードには採血をする資格を持つ看護師がいます
採血が必要な時はこの資格のある看護師を呼ぶらしいです・・・
私は「血管確保」のできる資格を持ってます
あまり公言してないけど・・・
だって公言するとみんな私に頼むから仕事が増えるじゃん・・・
日本の看護師・助産師が普通にできることに資格が必要なこのシステム
面倒くさいっす・・・・

『バースプラン』って『Birth Plan』のことで
女性と家族でどんなお産にしたいか考えて
自分らしいお産をしていくということなんだけど

女性によって『バースプラン』の細かさ、計画性はまちまちで
まったく何も考えていない、または
「産ませてくれるんでしょ」くらいにすべてお任せな人もいれば
なんとなく
「へその緒は夫が切る」「できれば痛み止めは使わずに」「母乳オンリーで」と
大まかな方向性や考えの人もいれば
キッチリミッチリな
「分娩直後の子宮収縮剤は使わない」「痛み止めはアロマや温罨法だけで」
「分娩直後の『skin to skin contact』を」「赤ちゃんへのビタミンK投与は注射ではなく経口で」
と、とにかくお産に関する本や雑誌は読みつくしたと言わんばかりに
医療介助への細かな指示を提案してくる人もいるわけです

私はけっこうどうでもいい適当な人なので
「産婦や家族がそれでいいならどうぞお好きに」ってタイプなんです
でも母子の生命を守るためならせっかくの『バースプラン』ですが、無視させていただきます
というスタンスなんです

一昨日の夜
陣痛で入院してきた患者が『自然分娩』主義な女性で
「痛み止めはナシ」「胎盤剥離のための子宮収縮剤は使わない」
「『時間』や『痛み』と言う言葉を使うな」
「赤ちゃんへの注射もできればナシ」「会陰切開もできればナシ」「四つんばいで出産」
「分娩監視装置、内診は最小限で」「母乳だけ。人工乳や補助的授乳はナシ」
などなど
とにかくたくさんあって覚えきれない
「その都度思い起こさせてね」と頼んだほどにいっぱい細かい指示が・・・
そんな彼女は痛み止めも使わずに頑張っていたのですが
心音とバイタルチェックだけで
あまりにも私が何もしないせいか(だって医療介入嫌がっているんだもん)
しびれを切らした彼女から「進行度合いを知るために内診して欲しい」と
正直に言いますが『自然分娩』がいいと言われると
私は『じゃぁ、最初(入院時)の内診と息みたい時だけの内診で』という
ホントに最小限にしますから
だって子宮口が5センチから7センチになったのなんてどうだっていいじゃない
息みたいと思った時に子宮口が全開大しているかしていないかが大切だから

そんな彼女・・・
『自然分娩がいい』と、そしてそのためにたくさんの雑誌や本を読んで
細かいプランを立てて
彼女の「自然分娩」への理想と夢は大きく広がっていったのに
最後の最後、もう少しで子宮口が全開大だというところで
胎児心音が低下・・・戻ってこない・・・・
「分娩直後の『skin to skin contact』」とは程遠い
『自然分娩』からもっともかけ離れた
全身麻酔での『超』緊急帝王切開(分娩室を出てオペ室に運ばれてからわずか7分で出産)・・・
全身麻酔なので産声を聞くこともなくすべて終了・・・・
全身麻酔から醒めた彼女のひと言が
「赤ちゃんへのビタミンKは注射でいい!」

あんなに頑張っていたのに大きく崩れた彼女の『自然分娩』への夢・・・

『バースプラン』って大切だと思うけど
細かすぎる計画はどうかと思うわけです
だって計画通りにいかなくなった時の落胆といったら・・・
さらには「出産はこうあるべき」「これはこうでなくてはいけない」「あれはああでなくてはいけない」
すごくキチキチしているというか・・・・
完璧主義というか・・・・
こういうタイプは産後鬱になりやすいと思います

本当に『バースプラン』っていいものだと思う
自分らしく出産するために
医療者に「産ませてもらう」のではなく自分で「産む」ためにも
すごく大切なんだけど
もっと大まかだけれどすべての基本である考えもそのプランに加えて欲しいんですよ

『母子ともに健康』それが一番大切

そうすれば多少の細かな『バースプラン』からの脱線も修復可能かなと

赤ちゃんと母親が安全ならそれが一番
『それでいい』のではなくて『それがいい』のだと思います

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