宮口善通のBlog

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竹取翁博物館を訪ねて(京都府京田辺市)
 

土曜日の早朝、竹取翁博物館を見学するために
京都の京田辺市へ向った。そこへ行くためには
JR線でも近鉄線でもOKなのだ。三山木駅。
近鉄の方がわずかに博物館に近いのだ。
 
博物館というから鉄筋のビルかと思っていたら
ごく普通の民家であった。藁葺き屋根の江戸村
の民家ではなく、ごく普通の瓦葺の住宅である。
おそらく館長さんの自宅を博物館にしたのであ
ろう。
 
さて、その日、正午頃に訪問しようかと、前日
まで考えていたのであるが、なぜかかなり早く
起床してしまったので、午前10時頃に到着し
た。午前10時が博物館の開館時間なのだ。玄
関のブザーを押すと直ぐに館長さん出てこられ
た。館内に入るとなんとなく親しみを感じる。
そんな雰囲気であった。
 
小生がこの博物館を訪問した理由は2つ。
①竹取物語の作者は誰か?
②竹取物語の書かれた時期はいつごろか?
 
多くの日本文学史の文献には
①作者不詳
②平安初期
となっている。
 
しかし、この2つの問題には、様々な学説が
あるのだ。それらは以下の通り。
 
①−1:作者について
・紀貫之(きのつらゆき、源氏物語「絵合」より)
・源順(みなもとのしたごう)
・源融(みなもとのとおる)
・遍照(へんじょう)
・紀長谷雄(きのはせお)
・空海(くうかい)
 
①−2:作者の人物像について
・相当、教養のある身分の高い人
・反体制派の人
・文体からして、おそらく男性
・神仙思想を知っている人
・船に乗って航海した経験のある人
・貴重な紙を入手可能な人
・漢文の読み書きできる人
・平安京の近辺に住んでいた人
 
②成立時期について、
・平安初期の貞観年間(859)〜延喜年間(923)頃
・西暦890年代頃
・貞観8年(866年)応天門の変〜
 貞観17年(875年)富士山の記
 
<竹取翁博物館の館長さんの説>
①作者は、弘法大師、空海
②成立時期は9世紀末、平安時代初期
 
そして、京都の京田辺市が竹取物語の竹取翁が
住んでいた舞台であると館長さんは力説する。
 
館長さんは非常に気さくな人で会話しやすい。
京都放送(KBS京都)に長く勤務されていた
ようでいかにも報道出版の記者という雰囲気だ
った。随分解りやすく説明していただいた。小
生は午前10時から午後1時頃まで昼飯抜きで
約3時間も2人で会話し質疑応答した。楽しか
った。誠にありがとうございました。
 
最後に帰り際に、館長さんの書かれた書物「竹
取物語現代考」を1冊購入した。これからじっ
くりと読もうと思っている。
 
尚、館長さんの説の根拠を知りたい人は本ブロ
グの最下に表示されている竹取翁博物館を訪問
して下さい。とっても面白いですよ!
 
<所感>
普通、古代の日本において、和歌は作者の名前
を書いて記録するのが原則であった。ところが、
物語の方は作者の名前を伏せて隠すのが原則な
のである。それゆえ、後世の研究者たちは大変
な苦労をしたし、現在でもそうである。
竹取物語というと、なぁ〜んだ。竹取物語か。
小学生や中学生の読むあの面白い御伽噺(おと
ぎばなし)ではないかと思っておられる人たち
が多いのではないかと思われる。
しかし、それは読む人の立場に立ってこの物語
を読んでいるからそのように思えるのであって、
立場を代えて、この物語を書く人の立場で読む
と物語の作者は大変な人物であると気づくので
ある。何回も何回も繰り返して読んでいると、
作者は物凄い人物であるとある時点で気づくの
だ。
 
昼、天に輝く太陽と夜、同じく天に輝く月。
両者は左右対照的でちょうどコインの表と裏の
関係のような感じがする。小生が考える両者の
イメージは以下の通り。
 
<太陽>
・昼
・眩しく強い光線
・強さ
・権力的
・情熱的
・政治的
・表の世界
・神話的、白書的
・天照大神
・与党
・正統派
・体制派
・陽
 
<月>
・夜
・目に優しい光
・柔らかさ
・民主的
・ロマンティック
・文学的
・裏の世界
・物語的
・かぐや姫
・野党
・異端派
・反体制派
・陰
 
この物語を読んでいると何か表立って語れない
裏の世界を見ているような感じがするのだ。
つまり、本心を悟られないように隠しながら、
直ぐに気づかれないように、何かを表現してい
るように思えるのだ。
 
作者はこの物語の中で何を言いたかったのであ
ろうか?つまり、物語の主題は何か?というこ
となのだが、小生の独断と偏見かもしれないの
だが、おそらく以下のようだと思える時がある。
 
人間には欲がある。さまざまな欲がある。
・食欲
・富、金銭、豊かさなどの経済欲
・性欲
・権力欲
・支配欲
・所有欲
 
人間は欲があるから、成長もし発展もする。欲
があることは生きている証拠である。良いこと
なのだ。しかし、その欲があまりにも大きくな
りすぎると、人間には、
・傲慢さ
・悪
・不均衡
・おごり高ぶり
・畏怖の念の消滅
などを生じさせる可能性が高くなる。
この物語はそれらを戒めているのではないかと
思える時がある。
人間の力をはるかに超えた自然の大きな力、神
秘的な大自然の力がこの世に存在していて、あ
まりにも欲が大きくなりすぎて、傲慢さやおご
り高ぶりが強くなってくると、かえって、災い
が起こる。不幸が生じる。ということなのだ。
それゆえ、人間は何時いかなる時であっても、
謙虚に生きていかなければならない。自然に対
して畏怖の念を持ちながら生きていかなければ
ならない。ということを教えているような感じ
がする。
 
それでは、この物語のどこで、人間の力をはる
かに超えた自然の大きな力、神秘的な大自然の
力を感じるのであろうか?小生の場合は「竹取
物語」の以下の箇所である。それはかぐや姫が
月の世界へ昇天する直前の部分である。
 
(原文)
ふと天の羽衣うち着せ奉りつれば、
翁をいとほしく、
かなしとおぼしつることも失せぬ。
この衣着つる人は、
もの思ひなくなりにければ、
車に乗りて、
百人ばかり天人具して上りぬ。
 
(現代語訳) 
天人がいきなりさっと天の羽衣を着せたので、
かぐや姫のこれまで翁をいたわしく、
いとしいと思っていた気持ちが消えてしまった。
羽衣を着たかぐや姫は、
憂い悩むことがなくなってしまい、
そのまま車に乗り、
百人ばかりの天人を引き連れて、
天に上ってしまった。
 
この部分はあの有名な羽衣伝説から来た部分で
あるが、その中の
「かなしとおぼしつることも失せぬ」の「失せ
ぬ」の部分である。人間の力ではどうすること
も出来ない神秘的な大自然の力を感じるのであ
る。すべては終わってしまったのである。人間
なんてはかない存在である。かぐや姫はもうこ
の世の人ではない。月世界の人。あの世の人な
のである。このなんとも言えない非情さ!竹取
翁たちにとっての非情さ!はかなさ!人間の全
ての強欲を一瞬の内に抹殺してしまう大自然の
力を感じるのである。
 
 
イメージ 1
 
イメージ 2
 
イメージ 5
 
イメージ 3
 
イメージ 4
 
 
 
 
●竹取翁博物館(京都府京田辺市)
http://taketori.koiyk.com/
 
 
竹取物語の話しをしだすといつになっても終わらない。
100ページ以上のブログを作っても終わらない。
例えば、
紫式部の書いた「源氏物語」の主人公「光源氏」の「光」は
竹取物語の主人公「光り輝くかぐや姫」の「光」から
取って来たらしいし・・・?!?!?
竹取物語の話しをしだすといつになっても終わらない。
日本最古の物語であるし・・・?!?!?
それゆえ、
今日はここまで。

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竹取翁博物館の小泉館長です。2014.5.30にヤフー偶然ブログにアップされているのを偶然拝見しました。大変うまく書かれていて感謝感激です。先日以下の発表が京大の学会でありました。
京大国文「第110回 訓点語学会」で画期的な発表!!
詳細内容 tttp://blogs.yahoo.co.jp/koiiyk/31409751.html
京都学派重鎮 吉田金彦先生『竹取物語』の場所は山本、作者空海に合致!! 場所の京田辺市山本は地理的に有利、適合地で真実性がある。三山木の天神社は東寺の『類聚名義抄』に書かれている歌垣をした場所で「求婚」「カガヤク」の字あり竹取物語に通じる語源「光りカガヤク」合致!!と発表された。

2014/5/31(土) 午後 8:47 [ ov ] 返信する

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