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高校1年の冬に心を病んで以来、ほとんど外に出ない生活をしてきたのに、大学入学と同時に自分を奮い立たせるために、家を出たのです。
一人で生活をするということは、毎日学校に行くということすらできなかった宇宙人にとって、簡単なことではありません。
予想した通り、毎日起きることすらままならず、葛藤を繰り返し、薬の副作用で大学内でふらつきを起こして大学内の保健センターの世話になったり、カウンセリングを繰り返すなどの苦戦を強いられています。
大学前期に習得するはずの単位の半分を落としてしまいました。
それでも、宇宙人はあきらめません。
夏休みになっても、帰ってこようとしない宇宙人に会いに行きました。
メールでは、薬の副作用でふらつくとか、胃腸の調子が悪くて食欲がないとか、病人のような弱音を吐いていましたが、持って行った食事を並べてやると「何日ぶりだろう?まともに飯を食ったのは」と言いながら、それまでの不調を忘れたかのように平らげてしまいました。
部屋のなかを我が物顔で漂っていた、ほこりを掃除して、夕食と翌日の昼にも食べられる食事を作ってやりました。
帰る前、宇宙人を散歩に誘ってみました。
写真は、宇宙人が暮らしているマンションのすぐそばの道。
大きな有名な寺の境内でもあります。
周囲を散歩しながら、宇宙人は私に言いました。
「俺、このまちにずっと住みたいと思っている。少なくとも20代全部、、、つまりあと10年」
大学を卒業するのに何年かかるか、卒業できるのか?卒業するつもりがあるのか?
そんな不安を持っている私です。
でも、そんな不安を抱いている私に向かって、10年後に何をしているのかすらわからないというのに宇宙人はこのまちに住みたいといいます。
宇宙人はそういう子です。
地球人の私には、想像できないことを宇宙人はいつも考えています。
「好きなようにしなさい」
会いに来るまでは、いろんなことを問いただすつもりでいました。
まともに授業に出ないで、いつまでいい加減な生活をするつもりなのか?
甘えた大学生活のために、お金を出すほどうちはお金持ちじゃない!
私のイライラをぶつけるつもりでした。
でも、京都の古い街並みのなか、夕立に濡れた苔の匂いと涼しい木立からの空気を浴びて歩いているうちに、私の苛立ちは消えていました。
京都から一人で帰る電車の中で、宇宙人のツイッターを読みました。
長男・長女だらか親に期待され、それに反抗することもなくここまできたという内容のフォロワーのつぶやきに対し、宇宙人はこうリツイートしていました。
「長男だけど、俺はわりと緩かったなぁ。そもそも異端児扱いされていたのかも。おふくろの理解とおやじの器量が大きかったのか」
ほかにも、
「おふくろ来襲中」
「おかげで最悪の精神状態でぐちゃぐちゃだった部屋が片づけられて、まともに暮らせる環境になった」
「やっとまともに飯を食った」
「今夜と明日は、食い物の心配はいらねぇ」
この程度の距離でいいのかもしれない。
これから先、どうやって生きていくのか
宇宙人は私に聞かれなくてもきっと考えているにちがいないから
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