田舎暮らしライター・山本一典の田舎雑記

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地方議員のなり手不足

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 統一地方選挙の結果、議員のなり手不足が露呈している。道府県議員選で定
数の3割(町村長選は45%)が無投票当選、市議選でも候補者が大幅に減
少。そして告示された町村選挙も全国375議会のうち93、総定数の約23
%が無投票当選なのだ。それどころか、定員割れした議会が8もある。2年前
に候補者不足で有名になった高知県大川村は最悪の事態を回避したようだが、
全国各地の議会で候補者不足の傾向にある。
 どうしてこういう事態になるのだろう。よく指摘されるのは議員報酬が低い
こと。町村議員の平均は月21万円あまりで、子育て世代にはちとつらい。私
のまわりを見渡しても自営業者が立候補しているケースが多いが、本業の方が
収入源になっている人がほとんどだろう。3期務めたら年金が出るというメリ
ットも、あんまり感じなくなっているのかもしれない。
 その地域で議員になれば、まわりの見る目は変わる。困りごとがあれば相談
に訪れてくる人も多い。でも、本人だってやることはたくさんあるし、議員だ
から何でもやってくれると思われても困る、というのが本音だろう。一方で女
性議員はまだまだ不足しており、地方に根づいた男尊女卑の根は深い。はっき
り言えば、議員はそれほど魅力的な仕事ではなくなっているのだ。それを放っ
ておいていいはずはない。地方自治のあり方を見直す論議が必要だ。

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 もう1カ月以上前の話だが、知人のセルフリフォーム完成パーティに招かれ
た。場所は茨城県南の農村だが、参加者はやたらに子連れが多い。どうやら移
住者ばかりのようだ。この少子化の時代に珍しい光景だが、1家で2人は当た
り前。3人、4人という家庭もいる。祝宴が一気に子どものサロンと化し、み
んなで遊び回っていた。まるで昭和の風景である。
 田舎暮らしのニーズは子育て世代に移行していることはさまざまなデータで
明らかだが、都会で2人以上の子どもを育てられる家は少ない。住まいも大き
くなるし、夫婦共働きにも支障が出てくるからだ。その点、地方は待機児童ゼ
ロを実現した自治体も多く、子どもを育てやすい環境にある。だから人口減対
策として子育て支援が盛んに行われているのだ。いっぱい子どもを育てたい人
には、地方の方が都合がいい。
 でも、私は自らの体験で知っている。田舎暮らしが本当に大変になるのは、
その子どもたちが大きくなったとき。うちは晩婚だったから必然的に1人娘に
なったが、それでも高校、大学に通わせるのは経済的にギリギリだった。昨春
に娘が大卒、就職したときは、何とも言えぬ解放感を得たものだ。もしこのほ
かに子どもが2人もいたら、私の収入ではどうにもならなかった。だからパー
ティに出席していたお母さんちは将来どうするのか、人ごとながら気になる。
このライフスタイルは、何とかなるさという楽天性も必要だが。

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今年の花見

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 昨日、避難先のIさん宅で毎春恒例の花見が行われた。当初は快晴の予報だ
ったが、なぜかあいにくの小雨模様。しかし、そこは悪運の強いIさん。次第
に晴れ間がのぞいてきた。今年の参加者は20年ほどだが、最初に出てきたの
は福島で38人しかいないという4段の名人による手打ち蕎麦。まずいはずが
ない。しかも、フキノトウなどの天ぷらまで用意されている。「こりゃあ焼き
肉の前に腹いっぱいになっちまうなあ」と言いながらも、さまざまなご馳走に
ありついた。
 花見というくらいだから桜の木もあるわけだが、「5年くらい前に知り合い
の山から持ってきたんだ。花びらが道に落っこちてバレそうになった」と悪び
れず話すIさん。まあ、その辺は信頼関係なのだろう。でも、桜の木はしっか
り根づいており、花も見事に咲いている。これが1週間前だったら花見になら
なかったはず。さすがIさん、何かを持っている。
 孫の小悪魔ちゃんがこの日も登場したが、一向に大きくならない。小3とい
うのが信じられないほどだ。でも、コカコーラを注ぎながら「キリンビールみ
たい」などと一丁前のことをいう。動物好きだからキリンらしいが、「3日・
3月・3年で成長するんだよ」とわけのわからないことを言う移住者仲間のケ
ンちゃん。その後は、年寄りにふさわしい病気自慢の数々。そして最後になん
とスイカが出てきた。酔っぱらいは言いたい放題で、楽しいひとときはあっと
いう間に過ぎていく。次はFさんの退院祝いで飲むことになりそうだ(笑)。

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堰普請2019

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 昨朝、5時半から年に1度の堰普請が行われた。念のために書いておけば、
堰とは川から田んぼへ水を流す用水路で、堰普請とはその清掃作業のこと。私
の部落では防火用水も兼ねているため、田んぼをやっていないわが家も移住し
た18年前から欠かさず参加してきた。取水口から田んぼへは2〜3kmくらい
あるので、真面目にやればけっこう大変な作業だ。
 昔の堰普請は5月3日と決まっていた。どうしてゴールデンウィークの最中
にやるのかと最初は首をひねったものだが、農家に連休なんて関係ない。しか
し、時代の移り変わりとともに地元の人の発想も都会人に近づき、前倒しにな
ったようだ。開始時間も昔は6時だったような気がするが、なぜか30分早ま
った。霜注意報が出ているとはいえ、とにかく寒い。実際、畑に霜柱が立って
いて、放射冷却をまともに浴びた感じ。これも過去に記憶がない。
 ただ、今年の堰普請は驚くほど速く進行した。取水口も水路も、例年と比べ
てゴミや泥が極端に少なかったからだ。天候のせいだという人もいれば、時季
が早すぎたという人もいたが、本当の理由はわからない。結局、作業はたった
の45分で終了。この倍以上かかったときもあったから、ちょっと拍子抜け。
最後に温かい缶コーヒーをご馳走になって、解散となった。たぶん来年はこう
ならないんだべなあ。

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福島の桜

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 福島は今、桜の見頃を迎えている。といっても場所によって異なるのだが、
福島特有の現象は北から咲くこと(いわきを除いて)。理由は簡単。標高が南
へ行くほど高くなるからである。那須高原や尾瀬沼に近い方は、まだ咲き始め
のはずだ。阿武隈山系は5分咲きを過ぎたくらいだが、明日21日に知人の家
で花見が行われる。やや遅いと思っていたが、春雪のせいでドンピシャのタイ
ミングになりそう。運がいいとしかいいようがない。
 福島で有名なのは日本三大桜の「滝桜」。でも、私がいちばん気に入ってい
るのは「合戦場の枝垂れ桜」(=写真)である。桜の容姿が美しく、菜の花と
のコントラストも美しい。夜ノ森の桜並木も有名だが、今年は帰宅困難区域に
も見学用のバスを出した。震災前はもちろん、震災後も2度ほど足を運んでい
る。わが家からは車で1位時間ほどだ。
 18年前に福島に移住してきたとき、桜があまりにも多いのに驚いた。そこ
ら中、桜だらけなのだ。ここ都路だって桜の名所が2カ所ある。「滝桜」があ
る三春町は梅・桃・桜が同時に咲くというのが地名の由来だが、それだけ昔の
人はこぞって桜を植えたのだろう。あと半月ほどでみんな葉桜になり、今度は
新緑の季節を迎える。でも、まだ花見が終わっていないので、私のなかでは明
日が春本番だ。

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春の高い授業料

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 野暮用で近場の村へ出かけたところ、次々と知り合いに出会って帰宅予定時
間が30分ほど遅れた。自宅から遠いわけではないから慌てていたわけではな
いが、信号もほとんどないような田舎道で左折したところパトカーから停止命
令が。その直前に床に落としたチョコレートの紙を拾っていたので、蛇行運転
の言い訳をしなきゃと指示通り停車したら、何と「あなたはゴールドカードな
ので普段は慎重に運転していたと思いますが、一時停止違反で2点・7000
円の反則になります、点数は2カ月後に消えますけど」というではないか。
 こんなところで取り締まりとは思っていなかったので文句は言ったが、警察
官は訛りながら「なるべく早く手続きします」という。お巡りさんは福島県警
の人じゃないねと突っ込んだら、「方言でわかります? 秋田からです」との
ご返事。年輩とみられる助手席の警官は「ゴミを拾うときはちゃんと停止して
から」と説教を始めたが、こちらも変な訛りがある。すかさず「ゴミなんてめ
ったに落とすものではない。それよりあんたも福島県民でないね」と聞いたと
ころ、あっさり「福井からです」と認めた。思わず「ウルトラ警備隊は被災者
いじめで来たのか」と悪態をつきたくなったが、さすがにそれは飲み込んだ。
 その夜は気分が悪く深酒し、車屋をやっている移住者仲間のケンちゃんにメ
ールしたら「うちも北海道のまったく車がいない道で一時停止違反。向こうは
反則金が高く1万5000円くらいした」とのこと。プロの車屋でも標識を見
逃す、反則金に地域差がある、というのは意外。妻にも愚痴って夫婦喧嘩にな
りかけたが、「私は標識を見逃さない。コンビニができて新しく立ったし、あ
なたの散歩道の折り返し地点にもあるでしょ。たまにお巡りさんが見張ってい
るわよ」と指摘され、マジで凹んでしまった。信号のない田舎道で左折すると
きは当然ながら右からの車をしっかり確認してから進路変更しているわけだけ
ど、一時停止の看板は都会で運転するとき以外、ほとんど意識していなかった
のである。速度違反、飲酒運転に気を付けても、「いつかは一時停止で捕まる
運命だったんだ」と納得して高い授業料を振り込んだ。お前がアホなだけだと
笑われそうだが、これも田舎暮らしの落とし穴の1つかもしれない。

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道具の大切さ

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 フィギュアスケート・世界国別対抗戦の紀平梨花選手を見て、改めて道具の
大切さを知った。ショートプログラムで神業的な得点を獲得したのに、フリー
はまさかの5位。今回はその舞台裏もテレビが追っていたが、数日前に片足だ
けスケートのシューズを取り替えたり、微妙なフィット感を調整するためギリ
ギリまでテープを巻く作業に追われていた。ほー、現役時代の真央ちゃんもこ
れと同じことをしていたのだろう。
 たぶん野球選手でこれと同じスタンスで臨んでいたのは、イチローではなか
ろうか。グローブやバットの手入れや調整には莫大な費用と時間をかけていた
ようで、それがマルチヒットやレーザービームを生み出した。そのストイック
な姿は、まわりの選手に大きな影響を与えている。大リーグでそれをやり遂げ
たのだから、偉大というしかない。
 じゃあ、自分はどうなのか。ライターはボールペンとノートさえあればでき
る仕事。どちらも100円ショップで買えるし、現場で困らないようにちょっ
と多めに用意する程度だ。テレコもいちおう持っているが、最悪の場合を想定
して使うだけで、再生しないことの方が多い。となれば、いちばんの出費はパ
ソコン関係だろう。その話は書いたばかりだが、カメラマンと比べたら出費は
高が知れている。だから道具に大切さを実感することはほとんどない。冒頭の
話に戻れば、紀平選手はまだ16歳。今回の失敗はむしろ大きな教訓になった
のではなかろうか。ジャンプで勝負する選手にとって、コーチでもカバーでき
ない道具の調整。来年以降の飛躍はそれにかかっている。

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 日本と韓国の関係が冷え切っているのは周知の通りだが、それに拍車をかけ
そうな報道が流れた。世界貿易機関(WTO)の上級委員会が、韓国が訴えて
いたフクイチの被災地などからの全面禁輸を容認する判断を下したのだ。第一
審で日本の食料の安全性を認めていただけに、関係者の間に衝撃が広がったこ
とは間違いない。対象は福島だけではなく、青森、岩手、宮城、茨城、栃木、
群馬にまで及ぶだけに、影響が懸念される。
 原発事故後、しばらくは海産物の一部に基準値越えがあったのは事実。しか
し、15年4月以降は福島県産に絞っても100ベクレルの基準値越えは1つ
もない。国際原子力機関(IAEA)は「日本の分析機関が高い正確性と能力
を有する」と認めているのに、なぜWTOはこういう決定を下したのか。とて
も科学的な判断とは思えない。
 もちろん、貯まり続ける汚染水対策はどうするのか、という懸念があるのは
確か。それについて政府も東電も解決策を見出しているわけではないが、韓国
側の主張は消費者の先入観を反映したものと考えられる。ディズニーランドで
食事はしても、輸入解禁の議論になると不安が先行してしまうようだ。国対国
なら地道に解決の道を図っていくという考えも成り立つが、国際的な判断には
対抗しようがない。事実上の敗訴だろう。こういう現実もあるのに、経団連は
原発の再稼働延長や建設を主張している。出てくるのは溜息ばかりだ

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渋澤さんの思い出

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 5年後に1万円札の肖像が渋澤栄一に変わるというニュースを聞いて、おそ
らく私は皆さんとは違う感覚にとらわれていた。実は、今から10年前、渋澤
栄一氏の曾孫の渋澤寿一さんを都路に招いて、中華料理屋で木質バイオマスの
講演をやってもらったことがあるのだ。確か移住者からの紹介だったような気
がするが、相手はあの栄一氏氏の曾孫で、フランス文学の大家・渋澤龍彦氏の
親戚でもある。「とんでもない人が来る」と私が説明しても、地元の人の反応
はさっぱり。私1人だけが興奮していたのかもしれない。
 寿一氏はあのハウステンボスを設立し、年間200万人の集客にも成功した
人物。その後に岡山県真庭市のバイオマスツアーを立ち上げ、新しい地域づく
りのモデルケースとして注目された。現在もNPO法人木樹・環境ネットワー
ク協会の理事長を務めているようなので、栄一氏の曾孫というよりは、バイオ
マスの第一人者と言えそうだ。本当は都路でバイオマスをやれば東北の先進事
例になったはずだが、地元の人はこちらもちんぷんかんぷん。結局、酒飲みで
終わった記憶がある。
 ネットで寿一さんのことを調べたら、分野に「定住促進 環境保全」と書い
てあった。バイオマスで多くの雇用を生み出したからだろう。田舎暮らしとい
うライフスタイルからアプローチしている私と立場は違うが、まんざら遠い存
在でもないようだ。あのとき酒の席で拙著「さんざん働いてきたから、定年後
は夫婦で田舎暮らし」を手渡したのだが、読んでくれただろうか。数年後か
寿一氏のおじいちゃんにどれだけお世話になれるのか、こればかりはあま
自信がない(笑)。

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春雪

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 18年前に都路に移住したばかりの頃、この1月に亡くなった才子おばちゃ
んから「春雪と女の腕まくりにはたまげんな」という格言を教わった。この地
方では春でも急に大雪が降ることがあるのだが、すぐに収まるから心配するな
という言い伝えである。雪と女を比較するユーモアに思わず笑みが漏れたが、
本当に春雪はあっという間になくなってしまう。ウソではなかったのだ。
 でも、今年はちょっと様相が違う。気温上昇と今朝の雨で急速に雪はなくな
っているが、日陰は残っているところがまだまだ。過去に4月15日過ぎで、
こんなことは記憶がない。これも異常気象なのだろうか。阿武隈山系の春雪の
イメージが変わってしまいそうだ。会津の人には笑われそうだが。
 たぶんあと1週間も過ぎれば、ウソのように春の景色が現れる。滝桜にも見
物客がわんさか訪れているようだ。私はあまりの混雑でもう見る気はしないけ
ど、福島の春を象徴する風景であることは確か。テレビで開花を楽しむことに
なりそうだ。21日には避難先で花見が予定されているので、それまでちょこ
ちょこ仕事をしながら過ごそうと思う。


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