田舎暮らしライター・山本一典の田舎雑記

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田舎暮らし

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地方創生と選挙

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 いよいよ投票日が近づいてきた。政府が地方創生を掲げ始めたのは5年ほど
前だと記憶しているが、その基本目標となったのが「雇用創出」と「移住」。
増田レポートの概要を紹介するまでもなく、いまの日本は東京圏の一極集中が
続いており、地方は衰退する一方。だから地方はどの選挙も金太郎飴みたいに
人口減少対策を公約に掲げているわけだが、妙案などあるわけもなし。朝日新
聞の福島版は、参院選と絡ませて「増えよ移住者 対策手探り」という記事を
高齢化率が県下一の金山町で検証していた。
 金山町は私も数年に1度は足を運んできた田舎だが、写真の中川地区は只見
川とのコントラストが美しい。しかし、集落内に入るとびっくりで、まさに空
き家だらけ。役場の担当者にどれが空き家ですかときいたら、「こことここと
ここに人が住んでいます」というではないか。つまり、空き家の方が圧倒的に
多いのだ。現在の人口は2030人くらいだが、19年度の目標1850人は
なんとか上回りそうだとか。でも、80人近くは減る計算になる。町は教育支
援などに力を入れているが、移住者争奪戦に何か決め手を持っているわけでは
なさそうだ。奥会津のどの町村も抱えている問題である。
 でも、国全体を見ても今回の参院選で与党が提示したのは「若者の地方での
起業・就職に最大300万円を支給」。最近は県も市町村もこういうばらまき
政策ばかりが目立つ。石破さんが最初に目指していた地方創生とは、こういう
スタイルではなかったはず。福島県内でも人口が増えているのは都市近郊農村
ばかりで、補助金を目当てに若者が動いているわけではない。私も仕事柄、移
住者争奪戦に加担しているわけだが、いまの地方創生が良い方向に向かってい
るとは思えないのだ。まして選挙公約になるのは違和感を覚える。

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漁村の物件

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 田舎暮らしの取材を始めて約35年。最近はリゾート地へ向かうことも多く
なっているが、基本は過疎の農村である。農業が衰退した1970年代後半、
漁業はまだ元気があった。だから漁村の物件はごくわずか。それが不漁や後継
者不足で空き家が目立つようになり、近年では流通量がかなり増えてきた。漁
師になりたいと望む若者も少なくないので、動きが変わってきたのだ。
 漁村の物件で特徴的なのは、敷地が狭いこと。特に遠洋漁業などで栄えたと
ころは、半農半漁という発想が薄い。敷地は狭くても、とんでもない豪邸があ
ったりする。昔は一攫千金が現実になり、先日に訪れた漁村には遊郭まであっ
たというから驚く。いまでも漁船は港に浮かんでいるが、昔の賑わいとは比べ
ものにならないのだろう。
 私たちは東日本大震災を体験したから、どうしても漁村に津波のイメージは
つきまとう。でも、湾内の漁村ならそのリスクは少ない。地盤が硬い岩盤であ
れば、地震の影響も限定的だ。ただ、民家が密集した漁村は駐車場の確保と浄
化槽の設置が難しい。車と水洗トイレにこだわる移住者は少なくないから、そ
れがネックになりかねないのである。まあ、どんな田舎も一長一短で、35年
も田舎を歩き回っている私でさえ、なるほどと気付かされることが多い。

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FBと投票率

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 最近、暗号通貨に手を出したり、システムを大幅に変えたり、何かと話題の
多いFB。新聞報道によると、選挙にも関与しているらしい。日本では201
6年の参院選からだが、「私は投票したよ」ということを明らかにするのだ。
日本は3度目だが、海外47カ国以上で提供されているという。何か気味悪い
ものを感じるのは私だけだろうか。
 もちろん、この「投票者メガホン」は任意で、やりたい人がやるだけ。だか
ら文句いうなと指摘されそうだが、SNSではネトウヨも左翼もうようよして
いるから、そういう人たちが行動すれば選挙誘導だとすぐにわかってしまう。
投票率アップに一役買う効果は認めるけれど、投票しないというのも本人の自
由。そんなことまでSNSに指摘されたくない。
 まあ、世界で最強の国の大統領がツイッターで好き勝手な意見を述べる時代
だから、確かにSNSの役割は大きく変わっている。どこまで公職選挙法に抵
触するのか、私らだってわからなくなっているほど。「郷に入れば郷に従え」
が原則の田舎暮らしだって、政治と宗教と酒飲みは本人の自由が尊重されるべ
きという意見が強い。政治のプロパガンダにFBが加担するのは、どんなもの
だろう。少なくとも私は政治状況について感想を述べることはあっても、自ら
の投票までSNSで明らかにすることはない。

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 これほど謎に包まれた有名人もいないだろう。そう、87歳で亡くなったジ
ャニー喜多川さんである。逝去してから私は初めて顔写真を見たくらいで、も
ちろん声を聞いたこともない。だから妄想ばかり先走りして、少年愛の元祖、
芸能界の帝王みたいなイメージばかりが先行していた。ちょっと業界で目立つ
人を見つけると、「あの人はジャニー○○だから」と妻も口走ったくらいだ。
 でも、新聞を読む限り、実物のジャニーさんは違ったらしい。取材には折り
目正しい日本語を話し、敬語も丁寧だったという。ジャニーズらしさは何かと
いう質問に、「品の良さ」とも答えた。確かに彼がこの世に生んだフォーリー
ブスもSMAPも嵐も、きちんと品格を備えている。これはジャニーさんの教
えだったのだろう。
 その彼の口癖が「YOU やっちゃいなよ」。何とも含蓄の深いセリフだ。
「お前、やれよ」では命令になるし、「あんた、やってみたら」ではよそよそ
しい。「やっちゃいなよ」には「人生は1度だけだから、冒険しちゃおうよ」
といったニュアンスがあり、背中を押された多くの青年たちが彼を慕い、芸能
界の荒波に飛び込んできたのではなかろうか。こういう経営者はいそうでいな
い。ただ威張りくさっている社長さんたちにも見習ってもらいたいものだ。


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厄払いの会

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 連休のど真ん中、14日に避難先のIさん宅で酒飲みがあった。この席に必
ずいるメンバーがいない。移住者仲間のケンちゃんである。実は、消化器系の
病で入院してしまったのだ。こんなときに宴会でもないので、私が勝手に「厄
払いの会」と名づけさせてもらった。前日の電話で召集されたのだが、「自分
で飲み食いするものは持ってきな」とIさん。気の利いた手料理を作る暇もな
いので、午前中にリオン・ドールへ。妻に送迎してもらい、アルコール+出来
あいの餃子と揚げ物と刺身を持参して出かけていった。
 会場に顔を出したら、Iさん夫妻と移住者仲間のFさんしかいない。私を入
れてたったの4人。しかし、テーブルの上には出来あいのご馳走がいっぱい並
んでいる。みんなしこたま買い込んできたから、こういうことになってしまっ
た。「こりゃあ食い切れんな」と全員で苦笑。外は雨だし、とにかく飲むしか
ない。ビールからワイン、焼酎になるまで時間はかからなかった。
 話題の中心は当然、ケンちゃんのこと。「あんなに偉そうにしていても、内
心は怖くてしょうがないんだぞ」とIさん。実は同じ病気をしたことがあるそ
うで、「あれじゃあ死なねえよ」と心配する素振りもなし。Fさんも腰の手術
をしたばかりだが、「いや、酒は飲める」とかなり回復しているようだ。田舎
の宴会はそこにいない人も悪口と決まっている(笑)。特に口の悪いケンちゃ
んだから、余計にあれこれ言われてしまう。でも、やっぱり寂しいから早く戻
ってきてほしいものである。

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