天木直人

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全21ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11]

[ 次のページ ]

行政コストと増税論議

天下りや談合などで「税金のムダ使い」がこれほど頻繁に報道されているのに、マスコミや多くの評論家は「消費税増税(5兆円〜10兆円規模)」は当たり前という。理由は膨大な「財政赤字(800兆円)」を解消するためというが、既に行われた定率減税廃止(3兆円)の増税には言及せず馬鹿の1つ覚えのように増税大合唱である。

行政による15兆円のムダに切り込んだ民主党の考え方にもう少し耳を傾ければと思うが、政府与党の「15兆円は夢物語」という発言を代弁するだけだ。もちろん「増税の世論操作」のために内閣官房機密費がマスコミや評論家にばら撒かれているのだろうが、それにしても何の理論武装もなくただ喚いているだけでは見苦しい。

ところで行政コストを試算すると、現在中央及び地方の役人に支払われる労務費(給与や福利厚生など)は40兆円(内訳は人数が400万人、年間1人当たり平均1000万円)といわれている。この中には民主党が指摘する独立行政法人で働く準公務員の給与や天下り、談合、補助金など12兆円にのぼるムダ遣いは含まれていない。

それらを入れれば行政コスト(人件費分)は50兆円を超すのだろう。国家の税金収入が40兆円であるから、それを超える行政コストがかかっていることになる。財政赤字の原因は福祉などの年金コストの増大(5兆円〜10兆円)と政府与党は主張するが50兆円にものぼる膨大な行政コストにはも口をぬぐったままである。

最近の防衛省など役所の税金ムダ使いに憤る国民も多いが、世論調査では国民の消費税アップに対する許容度は高まっており政府与党の世論操作が功を奏しているようだ。しかしこのまま自民党政権が続き消費税増税が当たり前のように実施されれば役人のム使いを助長し、日本は「役人栄えて国滅びる」ということになりかねない。

民主党の長妻議員が税金や保険料のムダ使いについて「HAT−KZ」という略語を提案している。Hは「ひもつき補助金(中央省庁が自治体に不要な事業を申請させる)」、Aは「天下りあっせん・仲介」、Tは「特別会計(天下りを養う原資)」、Kは「官製談合」、Zは「随意契約(特定の天下り企業に高値発注)」である。

今まで自民党政権は国民向けに「行政のムダ」を撲滅するポーズだけは示してきたが、「政官業」の癒着が極まわる中で役人の税金ムダ使いは益々ひどくなっている。そのしわ寄せが増税と言う形で国民に降りかかっているのだが、増税したい政府はマスコミを操り「少子高齢化だから消費税増税は仕方が無い」という世論喚起に一生懸命だ。

ところが民主党が「HAT−KZ」で14兆円ものムダがあると指摘、消費税増税は当面不必要と<余計なこと>を言い出したため、慌てた自民党は「支出の多くは年金や社会保険の支払いであり行政コストは僅か」と言い訳けし、民主党の「行政コスト削減は夢物語」と打ち消しに必死である。

ところで一般会計と特別会計を合わせた国家の総支出は240兆円程度ある。そのうち年金や保険料、教育費など国民に直接支払っているお金は60兆円、また公務員400万人に支払われる労務費は40兆円である。これらの経費と比較しても「HAT−KZ」でムダ使いされている14兆円という数字が如何に大きいかよく分かる。

現在自民党は基礎年金の国庫負担を1/3から1/2にするために消費税を2%程度上げたいとしている。しかし14兆円のムダ使いは消費税の7%アップに相当し、ムダ使いさえ無くせば消費税アップは不要だろう。消費税を上げたい政府・自民党にとって「HAT−KZ」は決して国民に知られたくない「不都合な真実」なのだろう。

揮発油税を環境税に

年末の予算編成に絡み「道路特定財源」の「一般財源」化が話題になっている。道路を作りたい国交省や道路族は「一般財源」化に反対し、赤字財政や税不足を解消したい政府や財務省は「一般財源」化を目指している。またマスコミは「道路特定財源」のままでは無駄な道路が作られるので「一般財源」化に賛成との論調が多い。

しかし「一般財源」化すれば税金の無駄使いが減るという保証は無く「行政コスト削減」の努力が行われなくなる恐れもある。といって今までのように無駄な道路をどんどん作れば良いというものでもない。これに対して民主党は「道路特定財源」の8割を占める「揮発油税」を「環境目的税」とする構想を打ち出している。

この構想は「消費税を基礎年金の財源にあてる」ように「温暖化の元凶であるCO2の発生源であるガソリンの税金をCO2削減対策等のために使う」という目的税化であり国民の目には分かりやすい。来年4月には揮発油税に上乗せしていた暫定税率の期限が切れるが、税率維持を巡って政府・与党と民主党の間で激しい火花が散りそうだ。

参議院選挙で惨敗した自民党は執行部に道路族の重鎮である二階総務会長や古賀選対委員長を据え、地方対策として道路を求める地方や土建業者の声に応えようとしている。確かに地方の疲弊を救うことは重要だが、民主党には「土建事業」から環境税を活用した「環境事業」への転換を促進する政策も打ち出して欲しいものだ。

この分野では民主党と統一会派を組む新党日本の田中前長野県知事の得意分野でもあろう。是非彼の「脱ダム宣言」のノウハウを国政にも活かして欲しい。一方、民主党が政権を取れば「環境事業」が政官業の癒着の温床になるのは明らかだ。そこで自民党の二の舞にならぬよう、民主党の公約には「政権与党は企業献金の禁止」を掲げて欲しいものだ。

開く トラックバック(12)

現在国は800兆円の借金を抱え、今もその借金は増え続けている。ところで企業経営の視点から財務体質の改善を図るためには1)売上げを上げる、2)単価を上げる、3)コストを低減する、の3つしかない。現在のような競争の厳しい時代は外部環境の影響を受ける1)売上げアップ、や2)単価アップ、は非常に難しい。

従って多くの企業は内部努力で実現が可能な3)コスト低減、に全力を挙げざるを得ない。しかしコストを低減するためには社内のムリ・ムダ・ムラを減らさざるをえなく、日産自動車のゴーン社長のようにトップが先頭に立って大胆な機構改革や社員の意識改革を進めなければならない。

国家も財務体質を改善するためには1)納税者を増やす、2)増税する、3)行政コスト低減、しかない。しかし経済成長が頭打ちになる中、1)は少子高齢化で納税者は減少し、2)は国民生活を圧迫する。そこでやはり3)の行政コスト低減、が必要で、そのためには総理大臣が先頭に立ち国家(=官僚)機構を改革する知略が必要だ。

ところで平成19年の8月に渡辺行革相が「独立行政法人の整理・合理化案」提出を各省庁求めたが「ゼロ回答」だっため、マスコミは「行政改革に対する官僚の徹底した抵抗、意識の低さにはあきれる」と報じていた。しかし民間企業でも部門長に組織合理化案を出せと言っても出るわけが無い。

何故なら夫々の部門長は自分の担当する組織は最も合理的と考えているからだ。しかしそれは「部分最適化」であり「全体最適化」にはなっていない。行政の「全体最適化」は民主党の小沢代表が打ち出した「補助金行政の廃止」が好例だろう。「全体最適化」を考えるのは幹部社員ではなく社長であり、行政では官僚ではなく行政トップの総理大臣だ。

こんなことが分らないほど渡辺行革担当相もマスコミも馬鹿ではないと思うが、もし分っていたとすればゼロ回答は「やらせ」としかいえないだろう。では何故こんな「やらせ」をしたのか。今の政府・与党は官僚に操られており、国民の手前「官僚と対決」するパフォーマンスはやっても役人の嫌がることは基本的にはできない。

過去に自民党がやってきた「省庁再編」などの行政改革も、結局どれだけコスト削減できたかという具体的な数値が挙がったことは無い。これだけ頑張ったから「増税」させてくれという言い訳のために、何の効果も挙がらない「行政改革」をやってきたのが現実だ。それが証拠に現在、行政は肥大化し、べらぼうな借金だけが残ったのである。

今回の「やらせ」で最も考えられるのは、消費税などの「増税」のための布石であろう。各省庁に「ゼロ回答」を出させ、一方手なずけておいたマスコミを通じ「独立行政法人の廃止」はこんなに難しいと国民に思わせ、その後小手先の対策をやって、こんなに苦労したのだから消費税アップを認めてという戦略だろう。

国民も政府・与党のこんな詐欺に騙されてはいけない。民主党は「談合・天下りの根絶」「特殊法人・特別会計廃止」「公務員労務費削減」「補助金一括交付化」で全体として13兆円の「行政コスト削減」を提案しているが、自民党も民主党と同程度の精度でよいから国民の前に数字をきちんと出して「行政コスト削減」競争をして欲しいものだ。

沖縄戦の集団自決について「軍の関与」を覆した教科書検定意見の撤回を求める沖縄県民大会が9月29日に開催された。今回の件は、従軍慰安婦問題と同じように軍すなわち国家が犯した罪を否定し「戦後レジュームから脱却」したい国家主義者の陰謀であり、これに怒った沖縄県民が立ち上がったのだろう。

この県民大会を受け民主党内では一時「検定意見の再検討を求める国会決議案」の提出に向け与野党に働き掛けていた。しかし民主党内の国家主義者が「政治介入すべきでない」と反対したり、同党の西岡参院議運委員長が「全会一致が望ましい」と否定的な発言をするなど議論は棚上げの状況にあった。

そこで小沢代表は10月16日、沖縄県民大会の実行委員会メンバーと面会。要請書を手渡した仲里委員長に対し「文科省は教科書検定調査審議会を隠れみのにしている。軍の関与があったことは明らかだ。歴史の事実がねじ曲げられた」と政府の姿勢を批判し政府、文科省と闘っていく姿勢を鮮明にした。

福田総理も15日夜、教科書検定見直しについて記者団に「政治的に指示したり、ということはできません」と述べたうえで沖縄県民大会の実行委員会が求めた要望事項について「報告は受けました。気持ちはよく分かる。重く受け止めていきたい」と語り、前政権の負の遺産見直しを示唆した。

ところで教科書検定は「政治介入」を防ぐために建前上は教科書検定調査審議会の独自性が尊重されている。しかし政府の審議会に出ると分かるが「役人が用意した資料を審議会で形式審議し、最後に審議会委員が拍手で承認する」という方法を採っており、そのため「新議会制度」は政府や役人の責任逃れの仕組みと揶揄されている。

今回の教科書検定についても安部内閣の時代に文科省の教科書調査官が「修正を求める意見書」を検定調査審議会に提出し、審議会がそのまま検定意見としていたようだ。どう見ても安部政権の国家主義者が文科省を動かし事実を歪曲したことは間違いない。

小沢代表の「文科省は教科書検定調査審議会を隠れみのにしている」という発言はまさに本質をついた意見である。時の政権の意向に左右される「審議会制度」を見直し、このような不条理がまかり通ることを許してはならない。そのためにも早期に政権交代を果たし真に「政治介入」できない仕組みを実現してもらいたいものだ。

全21ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11]

[ 次のページ ]


よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

いまならもらえる!ウィスパーうすさら
薄いしモレを防ぐ尿ケアパッド
話題の新製品を10,000名様にプレゼント
いまならもらえる!ウィスパーWガード
薄いしモレを防ぐパンティライナー
話題の新製品を10,000名様にプレゼント
ふるさと納税サイト『さとふる』
実質2000円で特産品がお手元に
11/30までキャンペーン実施中!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事