| ここ福井県白山・坂口地区の田んぼには古来から「ぬるめ」と呼ばれる水路が作られてきました。 |
| 白山坂口地区は、標高150mほどの盆地で、周囲の山々から年間を通して冷たい湧き水が供給されています。 |
| この湧き水は、白山・坂口地区の稲作にとても大切なものです。 |
| しかし、冷たい湧水をそのまま田んぼに引いてしまうと、本来暖かい熱帯地方で生まれた稲は、生長が悪くなってしまいます。 |
| そこで、この地域では山から湧き出た冷たい水を温めるため、田んぼの脇に小さな水路を作り、水を温めてから田んぼに引いていました。 |
| つまり、水をぬるくする場所だから「ぬるめ」となったわけです。 |
| このぬるめ、実は田んぼの生き物にとって非常に重要な役割を持っています。 |
| 一般的な稲作では6月の中旬から稲の茎の増え過ぎを抑制し、丈夫な稲を育てるため、田んぼの水をいったん抜いてまう中干しという作業があります。 |
| また、稲刈りの前にも田んぼの水を抜いて乾かしてしまいます。 |
| 田んぼから水を抜いてしまうと、ドジョウ、オタマジャクシ、そして多くの水生昆虫は生きてゆくことが出来ません。 |
| タガメやゲンゴロウなどの水生昆虫には翅があるので、新たな水辺に飛ぶことで避難できますが、オタマジャクシやドジョウ等は、閉じこめられてしまったら最後、乾燥して死んでしまいます。 |
| ところが、このぬるめには、田んぼの水を抜いても一年中水があるため、生き物が避難して生き延びることが出来ます。 |
| このような水路は近年、生き物の避難水路として田んぼの生物多様性保全のため、各地で取り入れらています。 |
| 白山・坂口地区では、このような生き物に優しい田んぼが古くから自然に作られてきました。このような生き物にやさしい田んぼ作りが、豊かな里山環境の形成に繋がったのですね。先人の知恵には頭が下がるばかりです。 |
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