|
私が通っていた中学校と高校は、 靖国神社のお隣にある、カトリックの女子校です。 いわゆる、“お嬢様学校”。 私は全然お嬢様じゃなく(笑)、のどかな田園風景の中で伸び伸び育ったのですが、 小学校の時はそれなりに成績も良く、中学受験をして入りました。 入ってみて、一番驚いたのが、 すべての挨拶が「ごきげんよう」だったこと。 授業の始めの挨拶からして、「起立!礼!ごきげんよう!!」 お金持ちのご息女さんたちも多い学校で、金銭感覚が全然違う子もたくさんいた。 他の学校には無いであろう特殊な決まりごともいっぱいあって、 私は、なんだかもう、場違いなんじゃないか・・・と思いながら、6年間過ごした訳です。 もちろん次第に慣れていったし、かけがえのない友人も出来たし、 大人になって初めて感じる“心の財産”的なものも、やはりいっぱいあるんですけどね。 そのことに、改めて気付かされた出来事がありました。 大学時代の親友ケイコの、3歳の娘が、この春から、付属の幼稚園に通いだしたんです。 ずいぶん前から“お受験”することは知っていたけど、 ある日、「第一志望、○○(私の母校)にしようと思うんだけど・・・どんなとこ?」と、ケイコ。 「中高と、幼稚園や小学校って、ずいぶん違う気がするからな・・・」と、私。 ということで、小学校から通った親友を紹介したりしました。 幼稚園入学の倍率もものすごいのに、見事合格して、私の後輩になったケイコの娘。 制服姿も、すっかり様になっています! 「すべての挨拶が『ごきげんよう』だよ」と話した時は、驚きを通り越して大笑いしたケイコも、 最近は「マリアさま、ごきげんよう。イエスさま、ごきげんよう」と可愛らしく言う娘を、 微笑ましく眺めている様子。 私自身は、田舎の小娘がいきなり別世界に行った感じで、戸惑い続けたんだけど、 さすがに幼稚園からだと、これが普通だと思って育っていくんだろうな。 彼女の成長を見ることで、私が受けた教育の有難味を感じることも、これから多くなりそうです。 さて。 昔のことを思い出していて、ひとつ、恥ずかしかった経験を、ケイコに話したことがありました。 それは、 千代田線で親友と二人で帰宅途中、同じ車両のちょっと遠くに、 後輩の幼稚園生2人と、そのお母様達がいて、何かコソコソ話しているんです。 電車が北千住駅に着く直前、「いってらっしゃい」という声が。 すると、その幼稚園生2人がトコトコッとやってきて、私たちの前で止まり、 「お姉さま、ごきげんよう」と頭を下げて、北千住駅で降りて行きました。 私たちも、ちょっと焦りながらも、 組んでいた足を揃えて「ごきげんよう」と返しました。 でも、彼女たちが降りて行った後の電車内は、何だか気まづく感じて。 私たちは、次の綾瀬駅で途中下車して、お茶して帰ったのでした。 (寄り道も、ホントは校則違反なんだけど) これを話した時は、他人事のように聞いていたケイコだったけど、 実際に娘が通い始めたら、本当にやらなきゃいけなくなったそうで。 「だって、幼稚園の先生に『同じ制服を着た方を見つけたら、お声掛けしてください。 特に、登校経路が同じお姉さま方は、お世話になることもあると思いますから、 お見かけしたら、是非挨拶してくださいね』って言われたんだもん」って(笑)。 そういう教育だから、私たちも、された訳ね・・・。 中学校からの私たちは、そんな教育がされているなんて、知らなかったよ・・・。 「した時は、他の人の視線が刺さるようで、顔から火が出るくらい恥ずかしかった」そうです。 だよねぇ(笑)でも、それも次第に慣れていくんでしょうね・・・。 でも、大人になって、分かること。 学校内だけでなく、外でも、ファミリーの目がある、というのは、 子供を預ける親の立場からすると、心強いことかもしれません。 在学中、時折朝礼などで、 「昨日、本校の卒業生から、渋谷で在学生が制服のまま遊んでいたとご忠告をいただきました」 なんて“チクリ”が報告されたりして、その時は『ウザイ!』って憤慨してたんだけど(笑) そんな当時の自分のことは棚に上げて、 スカートが短すぎたり、だらしなかったり、変な男の子と歩いてたりする同じ制服の子を見かけると、 思わず眉を顰めてしまいます。 きっと、もう少し勇気があったら、あの時の先輩と同じことしそうな勢い。 すごいわぁ、教育の威力って。 これから、ケイコの娘の成長を見守り続けることで、 私が6年間を過ごした環境への見方も、少しずつ変化していくかも知れないな。 ある意味、謎解き(笑) この子のお陰で、母校が好きになれそうです。 |
過去の投稿日別表示
[ リスト | 詳細 ]
全1ページ
[1]
全1ページ
[1]





