重陽の節句を祝う

民の命を使って、国の平和が守られる、そんな道理は無いと思います

古代への想念

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     はるすぎて なつきたるらし
          しろたえの ころもほしたり
         あまの かぐやま
                     −−(持統天皇)

これは、百人一首にも収められている、私達にたいへんよく知られた歌です。
古代の英傑、天智、天武の兄弟の天皇の治世の後、鵜野讃良皇女(うののささらのひめみこ)がご即位になって、詠まれた歌です。

この皇女は、天智天皇の子であり、天武天皇の妃であった人です。

父の御世が終わり、壬申の乱を起した夫があまねく世を治め、それを継いで天皇となり歌った歌なのです。

歌にある はる なつ しろ ころ(くろ) は、春夏秋冬を唱えると共に、東西南北をも表わしています。

はる(春)は、青春と云って青色で東、
なつ(夏)は、朱夏と云って赤色で南、
しろ(白)は、白秋と云って秋を表わして、方角は西、
くろ(黒)は、玄(厳)冬と云って冬を表わして、方角は北、

あまの は、香久山の枕詞ですが、この歌の結びであって、当然天、全天を表わしていると思います。

全体にはのどかな情景が歌われており、
又、大きな輪をも歌っています。
東西南北と、春夏秋冬。ぐるりと回って、そして永遠に繰り返されることをのどかに歌う、 つまり、

持統天皇が治めている藤原の宮は、周囲(東西南北)も、又現在も、過去も未来も(春夏秋冬)安泰の御世となったと歌っていると、解釈することが出来ます。

私はこの歌が、自然に頭に浮かんで来るような思いを起したことがあります。
それは、奈良の明日香の里の『キトラ古墳』の内部の壁画を映し出した映像を見た時です。

『キトラ古墳』には周囲に四神といって、東西南北を象徴する虎や龍などの獣が描かれ、そして天蓋の部分には、天の川までもが横たわる天上の姿が描かれています。

その室に安置された者は、正に永遠に、我が御世の安泰の世界で静かに眠り続けていたのです。

大和朝廷という、この国の古代の統治者の宝物に“鏡”というものがありますが、そこにも、こういうふうに世界の全部が描かれています。

“鏡”に描かれているもの、『キトラ古墳』の壁画に描かれているもの、それは、持統天皇のこの歌で歌われているものなのです。

順を追って考えを整理すれば、

“鏡”を伝え続けてきた民族の権力がこの国に根付いて、遂にはそのことを歌い上げる‘ことば’が、持統天皇の時に生み出されるに到ったのだ、

ということだと 私は思います。

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歌を詠み古に思いをはせるアナタの造詣の深さに驚かされ、解り易い解釈に感心しちゃいます 和歌なんて『花の色は・・・』くらいしか覚えてないんで恥ずかしいですが…田辺聖子さんの「小倉百人一首」って本をご存知ですか? 百人一首の歌に”色恋沙汰”の解釈をされていて、楽しく読める一冊ですよ(上・下巻ですが)

2006/12/27(水) 午前 10:25 しげさん

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しげさん、訪問とコメント有り難う御座います。子供の頃は、お正月はいつも皆が集まると百人一首のカルタ合戦をしていました。田辺聖子さんの本をちゃんと読んだことはありませんが、雑誌にちょっと書いていたエッセイのようなものを読んで、巧みで、歯切れの良い文章に好感を持った記憶があります。色恋・・、中性の貴族のスキャンダラスな日常をどんな風に書かれているのでしょうか、面白そうです。

2006/12/27(水) 午後 4:50 五節句

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はじめて書き込みをさせていただきます。とても格調が高く恐縮します。 宇治田原町にこのような伝説があります。壬申の乱直前、大津京を脱出した大海人皇子は、吉野への道中、田原でもらった焼栗を食し、その焼栗を埋めて戦勝祈願をした。やがて焼栗は芽生えて栗林となり、宮中に献上されるようになったということです。その場所に御栗栖神社が建っています。

2006/12/29(金) 午前 5:00 [ 暮野奇王 ]

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京都的小市民様、恐縮などと、とんでもありません。関東に住む私には、そういう古代や中世の歴史や言い伝えを持つ場所の上で暮らす人々に対して抱くコンプレックスを拭うことは出来ません。戦争を経験している父母の前で昭和の歴史の話しが出来ないのに似ています。これからも度々そちらへ訪問させて下さい。

2006/12/29(金) 午後 4:22 五節句

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女帝持統らしいおおらかな歌だなぁという印象でしたが、
なるほど五行を表していたとは、気がつきませんでした。
政(祭りごと)をする天皇の役割らしいことほぎの歌でもあったのですね。

2007/7/15(日) 午後 2:27 [ MoranAoki ]

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モランさん、コメント有難う御座います。本当に持統天皇自身の作なのか、と思います。儒教か何かはちょっと分かりませんが、そういう知識がなければ作れません。天皇という立場で歌うのに、まったく相応しい歌だと思いますが、そういう位置は、周りで作ってもらうものだと考えます。でも、周りが用意したものだとするならば尚のこと、天皇の権威が万全になっていたことが偲ばれます。

2007/7/15(日) 午後 6:16 五節句


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