もりつちの徒然なるままに

<禁無断転写> ウォーゲームの話、戦史の話(かなり濃い目)、旅の話などを書いてみました。

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米機動部隊によるマーシャル諸島攻撃

最近は空母「エンタープライズ」の戦闘詳報にハマっています。そりゃ英文だし読むのは大変です(私の英語力はかなり乏しいです)。でも最近はインターネットのおかげで米軍側から見た太平洋戦史についても比較的容易に調べることができるようになってきました。紹介される機会こそ多くはないですが、だからこそ「新しい発見」があるかもしれない。付け加えるなら「自分にとっての英語の勉強」にもなるかも知れませんしね(笑)。

そんな訳で今回もまた空母「エンタープライズ」の戦闘詳報を中心に「知らざれる太平洋戦史」について紹介していきたいと思います。今回紹介するのは「エンタープライズ」によるマーシャル諸島空襲です。開戦当初劣勢に立たされた米太平洋艦隊が行った最初の反撃作戦です。

注:「エンタープライズ」の戦闘詳報は以下のページを参照しました。


前回までのあらすじ



戦訓

空母「エンタープライズ」

速やかなる対空火器の改良及び増強を実現するためにあらゆる努力を注ぐ必要がある
射撃用レーダーの速やかなる導入
25kt以上の速度における対空射撃訓練はあらゆる機会に行われるべきである。もし有力な自己防衛手段が導入できるのであれば、艦に対する根本的な改造要求も必要である。
我々の空母は敵航空機による第1目標であり続ける。空母の攻撃力が空母に向けられる敵航空兵力を無力化するかもしれないということは常にあり得ることだが、最新のレーダー射撃指揮装置を備えた最良の対空火器や、敵味方識別装置を装備した戦闘機によって空母を守る必要性は明らかである。

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空母「エンタープライズ」艦上の28mm4連装対空機関砲。通称「ポムポム」砲。開戦後半年間は主要な艦隊防空兵器であった。しかし必ずしも有力な火器とはいえず、しばらくして40mmボフォース機関砲に換装された。

第6爆撃中隊--クエゼリン攻撃時

パイロット達に与えられた敵基地に関する情報は不正確であった。
日本軍の対空射撃は極めて不正確であり、傘型弾幕射撃に多くを依存していた。

第6爆撃中隊--タロア攻撃時

日本側の裏をかいた高高度及び逆方位からの目標への接近は、日本側の迎撃を著しく非効率なものとした。日本側の戦闘機は13,000ft以上の高度では活動しておらず、敵戦闘機は我々を追い越すには速度が不十分であった。
タロアからの対空機銃射撃はそれなりに激しかったが、急角度による降下を行うことによってそれを無効化し、結果的に被害を皆無とすることができた。それゆえ可能ならば全ての攻撃において緩降下爆撃ではなく急降下爆撃機を行うことを推奨する。
日本軍戦闘機の戦術はあらゆる面から見て標準的なものであった。一般的に彼らは積極性に乏しく、防御機銃の有効射程外で離脱したがる傾向があった。敵戦闘機の速度は大きくないが、運動性に優れ、小さい旋回半径が印象的であった。恐らくそれは敵機の機体の軽さに依存しているのであろう。真珠湾でも見たように、敵機銃の弾道は平行ではなく集束していた。我が爆撃機に対して何機かは正面攻撃を試みたが、効果はなかった。被弾した友軍機を調査した結果、敵戦闘機は2基の0.30口径機銃と、2基の0.50口径の機銃を搭載していることが判明した。


興味を覚えた所

以下は私の個人的な感想です。
最初に米軍側の執拗な攻撃ぶりが目を引きました。米軍の主な攻撃目標は、クエゼリン環礁(ルオット島含む)、タロア島、ウォッゼ環礁の3箇所です。それなり対して米軍が行った攻撃は、
 クエゼリン のべ55機
 タロア   のべ23機
 ウォッゼ  のべ23機
合計すると実にのべ101機で攻撃しています。当時「エンタープライズ」は、艦戦18、艦爆37、艦攻18の計73機を搭載していましたが、搭載機数以上、つまり多くの機体が1日2回以上の攻撃を行っていることになります。さらに巡洋艦群による艦砲射撃を加えるという念の入れよう。これは日本側による真珠湾攻撃(一撃だけで引き上げた)と比較するとより際立ってきます。米軍の執拗な攻撃振りと、それに比して淡白といって良い日本側の攻撃振りは、この後戦争が激しくなるにつれてより顕在化してきます。

米側対空射撃の微弱さも見逃せません。この後飛躍的に威力を増すことになる米艦艇の対空射撃能力ですが、この戦いでは僅か5機の陸攻の侵入を許し、至近弾によって軽微ながらも空母が損傷するという事態をまねいています。しかも対空砲火によって撃墜した陸攻はたったの1機。この戦いの戦訓で「対空射撃能力の向上が必要」と繰り返し述べられている点も注目したいです。この段階で「射撃用レーダー」云々していることも注目したいです。

ワイルドキャットが機銃故障に悩まされていたこと、ワイルドキャットの操縦席背面に即席の装甲板を取り付けたこと、米艦爆、艦攻の爆弾搭載状況についての記述等についても興味を惹きました。

ゲーム的な話

今回紹介したマーシャル強襲をゲームで再現するのは難しいかもしれません。展開があまりに一方的であり、空母戦ゲームとしてプレイしても「面白くない」ことは明白だからです。1つの方法として、空母戦ゲームの「入門シナリオ」的な位置づけにする手はあります。事実「FLAT TOP」(AH)では、「レキシントン」隊によるラバウル強襲が「入門シナリオ」として収録されています。私自身もかつて空母戦ゲームをデザインした際、「マーシャル強襲」をシナリオ化しました。

もう少し大きい視点からマーシャル強襲を扱うことも考えられます。例えば米空母機動部隊の「成長」を扱うキャンペーンゲームのようなものですね。マーシャル空襲を手始めに、南鳥島強襲、ドゥーリトル空襲、珊瑚海海戦、ミッドウェー海戦、南太平洋海戦等の一連の戦いを扱い、その間における米空母の成長を描いていくゲームです。ソロプレイアイテムとするかあるいは対戦型とするかという選択肢がありますが、対戦型にした場合、日本軍プレイヤーの興味を持続させるような何らかの「仕組み」が必要になってくるでしょうね。
機会があればデザインしてみたいアイテムです。

(おわり)

写真出典
http://www.cv6.org/

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今密かに進行中の「戦略級ミッドウエイ」でも、このあたりをどう扱うかを考え中です。

2007/5/19(土) 午前 9:43 [ tak**a39*14 ] 返信する

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結構悩ましい所ですね。シンプルを目指すのであれば、一連のゲリラ攻撃は「捨て」というのもアリかもしれません。

2007/5/19(土) 午後 7:01 もりつち 返信する

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