もりつちの徒然なるままに

<禁無断転写> ウォーゲームの話、戦史の話(かなり濃い目)、旅の話などを書いてみました。

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Persian Gulf(以下、PG)はGDW社が1980年代後半に発表したシミュレーションゲームだ。The Third World War(以下TTWW)シリーズの第4作目で、テーマはペルシャ湾岸地域における米ソの激突である。1983年に米Victory Games社が発売したGulf Strike(以下、GS)とほぼ同テーマだが、GSが索敵ルールを含んだかなり本格的な海空戦ルールを持っていたのに対し、PGはTTWWシリーズの流れを汲む陸戦主体のゲームなので、プレイアビリティはPGの方が勝っている。またPGの方が後発の作品なので、ゲームバランスやルールの明確さといった面でGSを凌駕していると思える。
PGの大きな特徴は「外交ルール」で、米ソ両陣営による中東諸国に対する外交活動を再現する。ルールはシンプルで毎Turn外交カードを1枚ずつプレイし合う。その結果、中東諸国の政治的な同行が変化する。焦点はイラン、イラクの二大大国で、普通にプレイすれば両国とも中立を維持するだろう。その他は、シリア、イラン共産党、ツデー党はWP側になびく可能性が高く、イスラエル、ヨルダン、サウジアラビア、イラン陸軍、イラン中央党はNATO側になびく可能性が高い。なおイスラエルだが、ゲーム中最強の練度9を有する空挺旅団(1-1-9)が登場するが、イスラエルが参戦すると中東諸国から総スカンを食らうので、余程の事がない限りイスラエル軍の雄姿を盤上で見ることはないと思う。

今回PGを対人戦でプレイすることになったので、予めプレイ感覚を掴んでおこうと思い、VASSALでソロプレイしてみた。対人戦で私はWPを担当することが決まっていたので、今回のソロプレイはWP側の可能性と限界を確かめるのを主な目的とした。

1Turn

外交フェイズ。WP側はBlankカードを使い、NATOは"サウジ外交"を発動する。"サウジ外交"はNATOにとって一番無難なカードで、イスラエル以外の主要な党派の大半がNATOになびく。ただし「僅かに」だが・・・。特に犬猿の仲であるイランとイラクの両方をなびかせるのは大きい。

2Turn

外交フェイズ。WP側は"イスラエル批判"。NATOは"中央党政権承認"。WP側は地味なカードだが、NATOは強烈。NATOは事実上イスラム革命政府を捨てて、イラクとイラン保守勢力に狙いを定めた形となる。
その結果、シリアがWP側の傘下に入り、サウジアラビアとイラン中央党がNATOの傘下に入った。

3Turn

中東危機の勃発。WP側は"南方軍管区に動員令"をかける。一方NATOは"イラクへ武器援助"。イラクを引き入れようと勝負に出る。その結果、イラクの友好国であるヨルダンがNATOの傘下に入った。

4Turn

先手を取ろうとしたWP側はソ連軍によるイランに対する侵攻を開始した。また遅れを取ったNATO側は米RDFの展開を開始した。この結果、イラン共産党とイランツデー党がWP側の傘下に入り、残りのイラン軍全てとイスラエルがNATOの傘下に入った。残る中立陣営はイラクとムジャヒデンだけである。

このTurn、ソ連軍がイラン領内に侵攻する。機械化された10個師団相当のソ連軍は、カスピ海の西側に第76親衛軍、東側に第40軍を基幹とする兵力が国境突破。イラン領内に雪崩れ込む。首都テヘラン(TEHRAN H1024)を包囲した第40軍の機械化兵団は、第2インパルスにこれを陥落せしめた。またタブリーズ(TABRIZ H1515)を包囲したソ連第40軍は、EXによって機械化師団1個(7-7-5)を失うという大損害を被ったが、なんとかこれを占領していた。カスピ海岸を進むソ連軍機械化師団2個はラシュト(Rasht H1321)を占領。残存するイラン軍部隊を掃討していく。

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遅れを取った米軍は第1海兵師団の2個連隊をペルシャ湾岸のバンダル・ホメイニ(Bandar Khomeyni I1922)、ブーシェフル(Bushehr 1525)の2個所に上陸させた。後続波の為の橋頭保確保がその目的である。

5Turn

外交フェイズ。WPは"ムジャヒデン支援"、NATOは"ヨルダン介入"。その結果、ムジャヒデンはWPの傘下に入った。

アフガニスタンに登場したソ連軍第1軍の4個機械化師団はイラン領内に侵入。イラン東部の小都市マシュハド(Mashhad I1513)を占領し、イラン軍の機甲師団(4-4-3)を撃破した。
テヘランを占領した第40軍を基幹とするソ連軍は、イラン中部のエスファハーン(ESFAHAN H0226)を包囲攻撃した。緊急展開中の米軍は、A-10とAV-8を投入して守備隊を近接航空支援。そのためにエスファハーンを守るイラン軍は、このTurn終了時まで持ちこたえた。

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NATOはRDFに所属する第82空挺師団(4-6-7)と攻撃ヘリコプター旅団(4-4-7)がペルシャ湾岸地域に到着。サウジアラビア軍もペルシャ湾を渡ってイラン領内のペルシャ湾岸地域に展開した。

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6Turn

外交フェイズ。NATOが総動員を実施した。ここでWPが総動員で応じれば次のTurnに世界は第3次世界大戦に突入する。しかしWP側は応じない。何故なら、今大戦に突入すれば、がら空きのソ連西アジア地区(現在のアゼルバイジャン、ジョージア等)を守る部隊がいない。バクー(BAKU H2220)、トビリシ(TBILISI H2410)といった大都市やバクー周辺の油田地帯を無傷でトルコ軍に渡すことはあまりに痛い。NATOの総動員にWPが応じなければ5VPを失うが、5VP程度の出血で済めば安いものだと割り切るしかない。

もしこれが連結ゲームだったら、WPは総動員で応じる他はなかっただろう。何故なら総動員が遅れれればその分ヨーロッパ方面でのNATOが強化されることになり、主戦線でのWP側による突破は困難になっていく。中欧での1Turnの遅れがどれほど重大な意味を持っているかは、The Third World Warを1度でもプレイしたプレイヤーにとっては明らかだろう。
そういった意味で言えば、今回試みたソ連軍による電撃的イラン侵攻は、全体を考えると無謀だったと思われる。むしろM6の増援を受け取って兵力面で十分な優位を確保した上でイランへ侵攻するのが良いと思われる。

ペルシャ湾に超大型爆撃機B-52が登場した。B-52は大量の爆弾をソ連軍機械化師団(7-7-5)に対して叩き込んだ。集中攻撃を受けた1個師団は瞬時に壊滅。ソ連軍は絨毯爆撃の恐ろしさを思い知ることになる。

ソ連軍はエスファハーンに再び包囲攻撃を仕掛ける。NATOはAV-8ハリアーを地上支援に投入してエスファハーン死守を図るが、兵力で圧倒的なソ連軍の猛攻を完全に食い止めることはできなかった。エスファハーン陥落。これによってWP側はイラン領内の大都市を全て占領した。さらにWP軍の一部はペルシャ湾岸地帯に近づいていた。ペルシャ湾岸に広がる油田地帯。それがNATO側の絶対防衛線になる。

このTurn、NATO側には強力な援軍が登場する。ペルシャ湾岸地域唯一の米重装師団である第24機械化歩兵師団(14-16-7)、第9軽自動車化師団(8-9-7)、そして第194機甲旅団(3-3-7)だ。先に紹介したB-52を合わせると、この時点でRDFを構成する主力部隊が湾岸地域に登場したことになる。

この時点でVP計算すると、WP軍の獲得VPは35点であった。ここから総動員によるペナルティ-5点を適用すると30点。WP軍の勝利ラインは40点なので、10点足りない計算になる。比較的簡単に取れそうなVP地点が4点分。あとは米軍師団を撃破して湾岸地帯に進入する必要がある。が、成算はあるのか・・・?

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感想

今回のテストは概ね目的を達したということでここでお開きとした。

今回は重大なルールミスを犯していた。それは「侵攻/介入」カードをプレイしないとイラン領内に侵入できない」というルールである。侵攻側であるWP側は「侵攻/介入」カードをプレイしたのだが、NATO側は使わないままイランに進入していた。これがルール違反であった。

このルールを適用するとWP側にとってイラン侵攻の選択肢が広がってくる。何故ならWP側がイラン領内に進入した最初のTurnは、強力な米陸空軍がイラン領内にいない。そのため一時的にせよ戦場の制空権をWP側が握ることになる。その機会を利用してテヘランやエスファハーンといったイランの主要都市を占領してしまうのだ。兵力の優位と航空支援を生かせば、侵攻第1Turnにこれらの大都市を占領することは必ずしも不可能ではない。そして侵攻第1Turnに奇襲効果が得られるのであれば、WP側としても兵力不十分のままイランへ侵攻する必要性が薄れる。私の想定するWP側のタイムテーブルは、第3Turn「南方軍管区動員」、第6Turn「侵攻/介入」、第8Turn「総動員」、そして第9Turnに「第3次世界大戦勃発」である。「3,6,8」と覚えておけばよい。

無論、NATO側が機先を制してイラン侵攻を行う可能性もある。特にイラン陸軍と中央党が両方ともNATO傘下に入っている場合だ。この場合、イラン地上部隊の約2/3がNATO側になびく。イラン共産党やツデー党、親衛隊等はWP側に残るが、それでもイラン地上部隊の半数はNATO側になびくので、イラン侵攻を強行する選択肢はある。さらに、もしイラク介入が望める場合(NATOは予めイラク介入の可能性を知り得る)、イラク軍の有力な地上・航空部隊がNATO傘下に入るので、メリットは大きい。従ってWP側としては、NATOによるイラン侵攻の可能性も「あるもの」として準備しておく必要がある。

無論上記はあくまでも「捕らぬ狸の皮算用」である。外交ゲームはお互いの腹の探り合いの部分が大きいので、対人戦でどのような展開になるのかは予想できない。

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