もりつちの徒然なるままに

<禁無断転写> ウォーゲームの話、戦史の話(かなり濃い目)、旅の話などを書いてみました。

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鋭意作成中の空母戦ゲーム「海空戦、南太平洋1942」(以下、本ゲーム)だが、初めて本格的なシナリオにチャレンジしてみた。
テーマは珊瑚海海戦。言わずと知れた史上初の空母対空母の戦いである。

概要とデザイン思想

珊瑚海海戦は元々日本軍によるポートモレスピー攻略戦とそれを阻止せんとする連合軍との間で発生した戦いである。従って日本軍によるポートモレスピー攻略戦は珊瑚海海戦のメインテーマであり、同海戦を扱ったゲームでは必ず取り扱わなければならない事項と言えるだろう。

イメージ 8もう1つ。珊瑚海海戦に限らず、当時の空母戦を扱ったゲームでは決して無視できない要因がある。それは基地航空戦力だ。当時の空母機動部隊は限定された防空能力しか持っていなかったので、敵基地航空兵力に対しては必ずしも優位に立っているとは言えなかった。空母機動部隊の基地航空兵力に対する優位性は主にその奇襲性に依る所が大きかった。従って空母機動部隊による対基地攻撃は必然的に一撃離脱の形をとることになる。空母機動部隊が敵基地航空兵力に対して明らかな優位性を得るようになるまでには、さらなる技術的な進歩を待たなければならない。

この珊瑚海海戦でも例外ではない。日米両軍とも主戦場の近くに航空基地を有していたため、両軍の空母機動部隊は常に敵基地航空兵力の存在を考慮して作戦を立てる必要があった。

イメージ 9この当時、基地航空兵力による対艦船攻撃では、日本軍が連合軍に対して技術的には優位に立っていた。所謂「陸攻隊」である。4000kmを超える航続距離を持ち、航空魚雷による攻撃が可能な陸攻隊は、連合軍艦船にとっては大きな脅威であった。当時、陸攻隊の最前線基地はラバウルである。従ってラバウルから発進する日本軍陸攻隊とそれに対する連合軍艦隊の対応策が、両軍にとって極めて重要な検討項目となる。

イメージ 10本シナリオにおける陸攻隊は、旧式の九六陸攻(G3M)と新型の一式陸攻(G4M)の2種類がある。両者の性能は微妙に違っているが、ここでは新型の一式陸攻で話を進める。
本ゲームでの一式陸攻は、片道25ヘクス(750海里)の攻撃可能距離を持っている。しかし目標が海上目標の場合、攻撃可能距離が2ヘクス減少して23ヘクスになる。ただしこの距離での攻撃の場合、護衛戦闘機は随伴できないので、陸攻のみのよる攻撃となる。相手が護衛戦闘機を伴わない艦隊(水上艦隊等)なら護衛なしでも大して問題にはならないが、空母機動部隊のように護衛戦闘機を伴う艦隊に対する護衛戦闘機なしの攻撃は、リスクの高い攻撃法と言える。零戦による護衛可能な距離は、海上目標攻撃の場合で最大18ヘクス(540海里)。従ってラバウルを中心として18ヘクスの範囲が連合軍艦隊にとって危険領域となる。

下図にラバウルから18ヘクス、23ヘクスの範囲を記載してみた。連合軍艦隊にとっては、以下に示した攻撃範囲に入らないことが、自らの安全のためには重要となるだろう。ちなみに空母戦ゲームの醍醐味の1つは、こんな感じで航空機の攻撃範囲を検討することだと思う。

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余談だが、基地航空隊の意義を再現できる空母戦ゲームって意外と少ない。私のプレイした範囲では、伝説というべきAHのFlat TopとアヴァランチプレスのSWWASシリーズぐらい。空母戦ゲームとしてはもう一方の雄である「日本機動部隊」でも、珊瑚海シナリオでは両軍の基地航空隊は完全無視。別の意味で「伝説」の「航空母艦」(ツクダ)でも、基地航空隊は無視されている。VGのCarrierしかり。
基地航空戦力をゲームに導入する・しないはデザイナー次第であり、珊瑚海海戦についていえばオミットする理由として「実戦で活躍していないから」という点もあろう。しかし基地航空隊の存在が日米両陣営の空母・水上部隊の機動を大きく掣肘したことはその航跡からも明らかだろう。下にソロモン方面で戦われた主な空母戦における両軍の機動海域をプロットしてみた。この図からも日本側陸攻隊の存在が如何に両軍の艦隊機動に影響を及ぼしたかが解ろうというものだ。
陸攻隊(及び連合軍基地航空部隊)の威力を全く無視して、例えば日本空母がポートモレスピーやガダルカナルの近くに平気で接近できたり、あるいは米空母がラバウル近海までノコノコ出てこれるようなゲームを、私はシミュレーションゲームとしては認めない。

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イメージ 11少し話がそれた。次に連合軍基地航空部隊の威力圏を検討してみたい。連合軍の主力はP-39戦闘機とB-26爆撃機である。実の所、ポートモレスピーにはRAAF(豪州空軍)所属のキティホーク戦闘機隊も配備されていたのだが、惜しいかな珊瑚海海戦の直前に零戦隊との交戦で全滅してしまった。再編成されたキティホーク隊がポートモレスピーに再進出してくるのは、7月末のことになる。
さてそのP-39とB-26だが、航続距離の短いP-39が洋上で日本艦隊を捕捉するのはかなり困難であった。ゲーム上の航続距離は18となっており、そこそこ長いのだが、洋上目標攻撃の場合は自動的に航続距離は2ヘクス減少するので16ヘクスとなる。航続距離は往復分になるので攻撃半径は8ヘクス(240海里)になる。これは地図を見れば明らかなとおり、日本の艦隊なり船団なりがニューギニア南岸に回り込んだ時、漸く攻撃を仕掛けることができる。従って主要な対艦船攻撃任務は、B-26等の中型爆撃機による援護戦闘機なしという形で実施されることになろう。
B26の航続距離は16ヘクス。ただし、この場合の16ヘクスは2Turn分の飛行が可能という意味での16ヘクスである。これに海上目標攻撃による移動力の減少分を適用すると、その攻撃範囲は14ヘクス(420海里)である。これは陸攻隊には及ばないものの、かなりの攻撃半径であり、ポートモレスピーを基地とした場合、珊瑚海とソロモン海の西半分がほぼすっぽりとその範囲内に収まる。

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次に両軍の配置だ。
本ゲームには2種類の珊瑚海海戦シナリオが用意されている。すなわちMO作戦全体を扱う「珊瑚海キャンペーン」と、決戦場面に焦点を絞った「珊瑚海の決戦」だ。両者の違いは、前者が5月4日〜9日までの6日間を再現するのに対し、後者は5月7日からの3日間に焦点を絞っている。登場兵力はほぼ同一である。今回は、後者の「決戦」シナリオをプレイすることとした。

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初期配置によると「瑞鶴」「翔鶴」の2隻はエリアJ、輸送船団はエリアG又はHに初期配置することになっている。一方、米機動部隊はエリアR又はSに初期配置する。このような状況下で両軍の戦略を考えてみた。

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日本軍の戦略

イメージ 12まず空母機動部隊の戦略を考えよう。日本軍は2隻の大型空母「翔鶴」「瑞鶴」と1隻の改造空母「祥鳳」を持っている。史実は「祥鳳」を分離させて輸送船団の援護に回したが、それが裏目に出て5月7日の海戦で「祥鳳」を失った。今回はその愚を避けるため、「祥鳳」を機動部隊本隊に投入し、兵力の集中を図ることとした。
「祥鳳」を加えることによって日本機動部隊は零戦6ユニット、96艦戦0.5ユニット、99艦爆5ユニット、97艦攻5ユニットの計16.5ユニットとなる。これは米機動部隊の計16ユニットを上回る戦力となる。さらに零戦は性能面でF4Fワイルドキャットに勝り、その上米軍は「ほぼ戦力外」のTBD艦攻を含んでいるので、実質的な戦力差はさらに顕著になる。
日本軍は麾下の航空兵力を以下の通り編制した。

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索敵部隊が97艦攻1ユニットのみというのがやや心細いが、それは基地航空部隊の長距離索敵機と水上部隊搭載の水偵隊によって補うものとした。また攻撃隊の護衛戦力が心許ないが(護衛1に対して攻撃3)、艦隊防空戦力を確保する必要があるので、目を瞑るしかない。

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