もりつちの徒然なるままに

<禁無断転写> ウォーゲームの話、戦史の話(かなり濃い目)、旅の話などを書いてみました。

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MBTは、GMT社が2016年に発表した戦術級シミュレーションゲームだ。テーマは1987年の中欧戦線。当然ながら仮想戦である。登場するのは、在欧米軍と旧ソ連軍。米ソの機械化部隊同士の通常戦闘を、1Hex=100m、1ユニット=1両、1門、1個班〜分隊で再現する。
システムの詳細は、こちらの記事を参照されたい。

シナリオ紹介

今回プレイするのは、シナリオ3「The Gap:GDR Western Border,27 September 1987」である。タイトル通り1987年9月27日を想定したシナリオだ。フルダ峡谷にてソ連軍第8親衛軍に所属する第79親衛戦車師団(当然カテゴリーA級の最強部隊)に対し、米第11機甲騎兵連隊(ACR)が遅退戦術を展開するというもの。
登場兵力は米軍が機甲騎兵中隊1個で、改良型M1戦車(M1IP「エイブラムス」)が5両とM3A1「ブラッドレー」が5両の計10両。他に歩兵や自走迫撃砲が登場する。
対するソ連軍は、増強戦車中隊1個で、T-80BV戦車が13両とBMP-2歩兵戦闘車が8両。他に支援砲兵、偵察車両、乗車歩兵等も登場する。単純計算で米軍の約2倍といった所か。

勝利条件を見ると、両軍の撃破得点以外にソ連軍の盤外突破に失敗したユニット1個につき、その価値ポイントに相当するVPが米軍側に入ってくる。対して盤外突破したソ連軍ユニットについては、最初の16ユニット限定だが、価値ポイント相当のVPがソ連軍に転がり込む。この事から、米軍としては可能な限りソ連軍の盤外突破を妨害するように戦うのが得策だ。

今回はソ連軍2名、米軍1名の計3名でプレイした。私はソ連軍の半分、戦車10両と機械化歩兵1個小隊(BMP-2 3両)を指揮する。

1Turn

米軍の主力は戦線左翼の3.20高地に布陣している。特に2両のM1IPエイブラムスがハウダウン姿勢で待ち構えている。こちらを突破するのは困難であることは明らかだ。

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攻撃の先鋒を承った我が混成戦車中隊は、戦線右翼の1.18高地の、さらに右側裾野を迂回し、そこから1.18高地を攻略することにした。1.18高地上には米軍のM3A1ブラッドレーが1両と1個分隊の歩兵しかいない。力で押しつぶせるはずだった。

イメージ 2

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2Turn

戦線左翼から友軍の機械化歩兵中隊が登場した。こちらは3.20高地正面に布陣し、建物を利用して姿を隠しながら3.20高地に迫る。
一方、私が指揮する戦車中隊は、じりじりと1.18高地に迫っていく。

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3Turn

ソ連戦車中隊が1.18高地に到達した。しかし高地に上がった瞬間、谷を挟んで反対側の3.20高地に布陣したM1IPが、距離1200mから徹甲弾を放った。エイブラムスの105mmライフル砲から打ち出されたAPFSDS弾はT-80BVの正面装甲を易々と貫通し、同車を擱坐させた。
高地の背後ではBMP-2から歩兵が下車。突撃態勢に入る。

イメージ 4


4Turn

1.18高地を占領したT-80BV戦車隊が報復の砲火を浴びせる。3両の戦車が谷を挟んだ向こう側の3.20高地に布陣した1両のエイブラムスを集中射撃。車体後面に命中したAPFSDS弾が、1両のエイブラムスの息の根を止めた。初戦果。しかしもう1両のエイブラムスはしぶとい。3発の125mmAPFSDS弾がエイブラムスの砲塔正面に命中したが、エイブラムスの強靭な装甲は徹甲弾を悉く跳ね返した。予想はしていたが、エイブラムスの重装甲に舌をむくソ連軍なのであった。

ソ連側の対戦車射撃が今一つ冴えない理由は、エイブラムスの重装甲と、もう1つ。両者の位置関係にある。待ち構えている米軍が制高点を押さえているので、ソ連側の射撃は下から撃ちあげる形になり、米軍の射撃は上から撃ち降ろす方になる。「MBT/Panzer」シリーズでは、上から撃ち降ろす射撃が有利になっているので、逆の位置関係だとなかなか装甲を射抜けない。

その間、1両のT-80BVがM1IPの105mmAPFSDS弾を受けて爆発炎上する。ソ連軍の損失は戦車2両となった。ソ連軍戦車隊は、3.20高地から撃ってくるエイブラムスとの交戦を避けるため、山頂からやや降りた所に陣地変換を行った。ここなら3.20高地との間に木々が生い茂っているので視線を遮っている。

イメージ 9


5Turn

後手に回ったソ連軍だったが、1.18高地を押さえたことで優位に立った。高地斜面に陣取るT-80BVが、1200mの距離から麓の果樹園に布陣するM1IPを射撃。2発の125mmAPFSDS弾を命中させた。1発は砲塔に命中して弾かれたが、1発が車体に命中して貫通。内部で爆発してM1IPを擱坐せしめた。
さらに別のT-80BVは、200mの近距離からM3A1ブラッドレーに対して徹甲弾を発射。これが目標に命中して撃破した。

強敵を倒してホッと一息のソ連軍戦車小隊。そこにいきなり2発のミサイルが飛来した。有線誘導のTOW-2対戦車ミサイルだ。1発のTOW-2は僅かに目標を逸れたが、もう1発のTOW-2はT-80BVの砲塔正面に命中した。最大800mmの装甲貫徹力を誇るTOW-2は巨大なエネルギーをT-80BVの正面装甲に叩き込む。しかしT-80BVの爆発反応装甲が戦車を救った。爆発反応装甲の爆風はHEAT弾のメタルジェットを拡散させため、TOW-2のHEAT弾はT-80BVの複合装甲を貫くだけの力を失ったのである。

歩兵部隊は米軍歩兵に対して近接突撃を実施し、これを撃破した。

イメージ 10


6Turn

先手を取ったソ連軍。1.18高地斜面に布陣した3両のT-80BVが、麓に布陣する1両のM1IPと2両のM3A2を狙った。その悉くが目標に命中。1両のエイブラムスと2両のブラッドレーを残骸に変えた。高地から撃ち降ろす射撃の場合、装甲がその効果を完全には発揮できないのである。
この段階でエイブラムス3両、ブラッドレー3両を失った米軍プレイヤーが投了。ソ連軍の勝利に終わった。

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感想

プレイ時間はセットアップを含めて約4時間であった。1Turn30〜40分である。全Turn数は15Turnなので、完全にプレイしようと思えば8〜10時間程度かかる計算になる。
時間がかかった理由は、元々が手順の多いゲームであったこと(例えばT-80BVが主砲射撃すると、弾切れ判定、命中判定、撃破判定の3段階を踏む必要がある)もあるが、その他細かいルールが多いので一々ルール確認をする必要があったこともある。そう考えると、慣れればもう少しペースアップが期待できる。

確かにMBTは簡単なゲームではない。手順は多いしルールも多い。手軽にできるゲームではないことは確かだ。しかし現在戦車戦をこれほど精密に、かつプレイ可能なレベルでまとめ上げた作品は他にはない。また冷戦終結によって遂にその優劣を実地で確かめることがなかった西側戦車と旧ソ連の新鋭戦車との対決をゲームという舞台で再現できるのも大きい魅力である。私自身、他にシナリオをプレイしたくてウズウズしている。

戦車好き、現在戦好きなら、お奨めできる作品である。

イメージ 5

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