(画像・・わら屋根のツララ(シンザイ) <雪国の暮らし>より )
昭和二十九年一月二十九日(金)天候 大雪
今日も朝は少ししか積もっていなかった。
しかし、学校に行きがけにはポツリ・ポツリと降りだしていた。
学校に着いたら、たちどころに大雪となった。 風もものすごい風が吹いている。
雪は四校時になる頃、ますますすごくなった。 外は真っ白くなって視界がきかない。
今日は久し振りの寒さで朝からシンザイの大きなのが下がっていたが、非常に寒いので昼になっても溶
けるどころか、もっと大きくなるばかり。
六校時の音楽の時間は理科が遅かったので、D組だけ後から行った。
後から行って良かった。 と言うのは先に行った者がピアノをかまってふたをこわしていたからだ。
先生が来られピアノを開けようとしたが、開かない。
それからC組やE組の者が黒板に先生のニックネームの「キツネ」を書き、「オマンサン」やら
「ババ」などと書いていた。
先生がそれを消され、大変腹を立てて、「ピアノをかまった者と黒板に書いた者は手を上げて」と言
われた。
多く手を上げた。 そしてその者に、「職員室の廊下で待っていなさい」と言われた。
えらいけんまくだ。
それに先生が「キツネ」を消される時「ワー、ワー」と言ったのでよけいだ。
そして、今日は授業をしないと言われたので、また「ワー」と言って出た。
D組からも二人がばつをくらった。
一人が三百円位も返さないといけないと言う。
えらいこった。
雪もぶっとうしで降り続いていたが、小降りになったので帰った。
すごい西風だ。
帰って哲ちゃんと蛇の川へスキーをしに行ったが坂がゆるいので新道へ行ってすべった。
暗くなりかけたし、風も出たので帰った。
(注) シンザイ=ツララ、かまって=悪戯して、オマンサン=御満稲荷神社、
三百円=ピアノ修理代金の負担金、えらいこった=大変な事だ
<コメント>
今日は大雪で寒く、ツララも溶けないくらいであった。
6校時は音楽の時間であったが、たまたま5校時の理科の時間が延びてしまい、D組の者は遅くなって
しまった。
しかし、これが幸いしたようである。
ピアノを悪戯して蓋を壊したり、音楽の女の先生の渾名のキツネやなんかを黒板一杯に書いて、先生
がそれを消す時、「ワーワー」と大声ではやし立てる騒ぎとなった。
先生は授業を止めて職員室に帰ってしまった。
この後、ピアノを壊した者から300円徴収するらしい。
これは大変な金額である。
先生は男の先生の応援を得て、騒いだり悪戯した者は皆罰をくらった。
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