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36.【戦いは相手が立ち直れないまでやる】
太平洋戦争は、日本の真珠湾攻撃で火蓋を切りました。
このとき、終結していたアメリカの太平洋艦隊を中途半端な攻撃で切り上げたと聞きます。
そのため、アメリカは修復可能な艦を大急ぎで修復しました。
このとき、完全に撃沈していればどうなったのでしょうか。船を最初から建造することになり、立ち直りは相当遅れたはずです。
相手を溺れさせようとしているとき、相手が水を2〜3回飲んだくらいで止めては相手の息の根を
止めることはできません。相手の息の根が止まるまで沈めるのです。
終戦間もない頃、キャラメルメーカーはグリコと紅梅キャラメルが双璧で市場争いをしていました。
紅梅キャラメルが有利になり、グリコはもう一歩も後に引けなくなってしまいました。
このとき、紅梅キャラメルは手を緩めず、グリコが立ち直れなくなるまで攻めなければならなかったのです。
まだ、息が続くグリコは秘策に転ずるのです。全国販売を止め、大阪から日帰りで配送できる関西圏のみの販売とし、他は紅梅キャラメルには分からないようカモフラージュして撤退したのです。
日帰りできる関西圏のみに市場を限定したことで、運賃は軽減され、在庫は少なくなり、利益率が向上したのです。これを機にグリコは徐々に体力を付け、逆に紅梅キャラメルを駆逐したのです。
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韓非子・もう一つの帝王学
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35.【修正の効かない部分を丁寧に】
ある彫刻家が言うには、
「人の顔は、最初は鼻は大きめに、目は小さめに作ると良いです。
理由は大きい鼻は小さく修正ができるし、小さい目は大きく修正ができます。
しかし、その反対は出来ないからです。それ以外は失敗しないよう、丁寧に作ることです。」
「韓非子」は言います。
これは彫刻に限ったことではありません。どんなことにも通用します。
国や会社についても修正が効かないところは念入りに作り上げなければならないのです。
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34.【援助のタイミング】
ある会社が、経営が立ち行かず、行く末が危ぶまれる状態となりました。
役員会で検討した結果、同業の大手の傘下に入ることになりました。
当然、社長自ら同業大手の社長に援助を申しでました。
同業大手の役員会では、
「今、援助するのは如何なものでしょうか。
今援助すれば現在抱えている負債なども背負い込むことになります。
相手が悪くなるほど、当社の援助の重要性が高まります。潰れかけを援助するより、一層のこと潰れてしまえばそれまでの負債は消え、全てがゼロの状態から再出発ですから、そのとき援助すれば 当社はリスクを犯さず、潰れた会社と従業員を救うということで、残った社員からは感謝され、世間の聞こえも良いのでは。当然、赤字部門は撤退させ黒字部門だけを吸収しましょう。」
同業大手は、援助を見合わせることにしました。
小さいリスクで効率よく成果を上げるにはタイミングがあるのです。
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33.【こうまでされたのでは】
ある会社の社長、部下をまとめて忠誠心をあおることに長けた人でした。
その方法はただ一つ、全従業員の奥さんの誕生日、独身者には両親の誕生日を人事に調べさせ簡単なものではありますが、プレゼントを贈ったのです。
幸い、従業員は300人程度で平均年齢が40歳程度ですから、220人が妻帯者で80人が独身とすると、380人がプレゼント対象者です。送料込みで1人当り2000円かけたとして、年間で76万円掛かることになります。
そこまでされると社員自身も“家族まで大事にしてくれる”と好印象を持ちます。また、社員が辞めたくても、奥さんや両親が許さないので、辞める人はいません。
これが高いのか、安いのか、社員のやる気を引き出すための社長の努力です。
トップにはこうした演出も必要なのです。
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32.ちょっと一息【シラミの団結】
一匹のブタに寄生しているシラミたちが言い争っていました。
そこに、もう一匹のシラミが通りかかり、「何を揉めているの?」と訪ねました。
「一番美味しい血の吸い易い場所の取り合いだよ。」
「お前達、バカなことで争っている場合じゃないぞ。3ヶ月先の祭りにはこの家でもブタを1匹丸焼きにして祝うのが毎年の行事となっている。当然、その1匹はよく肥えたブタだろう。他のブタを見たところ、このブタも丸焼きの候補となるだろう。それを防ぐことの方が先決ではないのか。」
画してシラミはみな一致協力して必死になって血を吸ったため、ブタは痩せて行き祭りの食卓に上ることを免れました。
利害関係が対立していても、それ以前の共通する問題が発生すれば協力すると云う例えです。
「孫子」も兵を死地(勝つ以外、生きて帰れない場所)に置けば、一丸となって実力以上の戦力を発揮すると言っています。これを実施して見せたのが、韓信の「背水の陣」です。
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