堯(たかし)の半生

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中国古典アラカルト

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【40】転ばぬ先の杖

40】深謀遠慮をもって事にあたれ(三事忠告)
 
   既に起こった事実に基づいて、
      これから先に起こるであろう事を予測して事に当る。
   火事になってから薪を安全な場所に移す。
   船が転覆してから救命具を買う。
   病気が重くなってから薬を求める。
   国が滅ぶ原因は一朝一夕にできるものではない。
今日起きた事件を小さな事と放置するから憂慮すべき事態を招く。
 
現実には事が起きてから原因を除去するたけでも
実行できれば良い方です。
90%以上の企業はそのレベルで、
問題が起きてから対策を取ります。
そうすればしばらくは良いのですが、
人が入れ替わったりすると
対策が継続されなくなることが多いのです。
原因は、申し送りがされなかったり、
現場の作業者への教育がなされなかったり、
あるいは製造品種が変更になったとき適用されなかったりです。
これらの一つでも定着させるために“バカヨケ”と言って
間違えを犯すことが出来ないよう、例えばケーブルをつなぐとき
ケーブルの断面を非対称にしておき、
さかさまにつなげないようにします。
あるいは官能検査と言って人の感覚で判断する場合、
検査員の横に判断の限度見本を置いておきます。

ブログを始めて9年近くになります。
中国の古典はもうネタが尽き、新たに書けるものがありません。
中国古典シリーズは完了致します。
見て頂いた方々には有難うございました。


【39】人材の登用

39】人材の登用(三事忠告)
 
   昔の天子は臣下に領地と戸籍を授けるとき、
      自らも深く頭を垂れたが、いつの間にかすたれてしまった。
   天は人民の生命を天子に託し、天子は宰相に託した。
   我々は人民の生命を守るよう天から負託を受けたのだ。
   しかるに人民を犬や豚のように扱うのは負託に背き、
      やがて国を滅ぼす。
   企業においては、経営者と従業員の関係でしょう。
「企業は人なり」と言いますが、具体的な話しはあまり聞きません。
「従業員に感謝の気持ちを持て」と言われますが、
実際、感謝の気持ちで接しているという自覚が希薄にように
思えます。
① 出来の悪い部下をどんどん他部署に出す中間管理職を見ます。
  また、少数精鋭を唱える管理職を見ます。
  本当に出来の悪い部下の使い道がないのか、
自分でどれだけ育成の努力をしたのか。
   ② 「経営層の人材に恵まれていない」と嘆く中間管理職がいます
          が、船頭多くして船山に登る”ということわざを知らないの
          でしょうか。
     特に緊急事態では判断は一元化した方がスピーディーで
          良いのです。
     また、規模の小さい会社では経営層の人材に恵まれないのは
          現実ですが、規模が小さくとも良い会社には経営層の中に一人、
          優秀な取締役がいればよいのです。
     オーナーでなくても番頭さんでも良いのです。
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【38】自覚以外ない

38】きびしく自分を律すること。(三事忠告)
 
   今更言われなくても分かり切ったことです。
   しかし、これがなかなかできないのです。
   宰相ともなれば善行も悪行も思いのままのはずです。
   最も清貧に相応しい宰相は諸葛孔明です。
   20年間宰相の立場にあり私財を増やすことはありませんでした。
   翻って現代の社長さんたちを見るに、
中小企業の社長で程度の差こそあれ、
自らの利益より従業員の利益を優先した人は見たことがありません。
先ず、最初に犯すのは公私混同です。
社用車の私物化、経費による高級車の所有です。
法に触れるわけではありませんが、私利私欲に走る第一歩です。
凡人ですから、
ある程度は自尊心を満たしてあげないとダメなのですが。
しかし、誰も忠告はしてくれません。
自覚する以外に道はありません。
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37】曲突、薪を(うつす)は、恩沢なし。(漢書)
 
   煙突の近くに薪を積んでいた人に、
「火事になるかもしれないので、
  煙突を曲げて、薪を移したほうが良いですよ。」
と注意してくれた人がいました。
   その家の人は、余計なことと無視しました。
   ところが実際に火事となり、
      近所の人たちが消火してくれボヤで済みました。
   その家の人は、
      消火してくれた人たちにお礼として食事に招待しましたが、
   最初に注意してくれた人の姿はありませんでした。
   招かれた人の一人が、
   「消火をしてくれた人を上客として招待しているが、
    “煙突の出口を曲げて薪を移せ”と
        言ってくれた人を招待しないのはおかしい。」
   と指摘しました。
 
   昔の話しではありません。我々の日常に良くあります。
   サラリーマンの世界では
元責任者で、今は別の部署に居る人から
忠告をされても真に受けず、無視するケースをよく見かけます。
①今は現責任者の指示の下に動いており、部外者の忠告
②指摘されたことは現時点、問題となっていない
ため真摯に受け止めないのです。
現責任者や当事者より、元責任者は経験も豊富なはずです。
そして問題が起きて奔走する破目になり、
経営委員会等で叱られます。
元責任者は自身の失敗から分かっており、
事前に忠告してやったのに・・・。
こうした場面でも当事者は、精々、
“あのとき指摘されたよな”で終わり、
感謝の気持ちまでは行きません。
   そして、“今更、どの面下げて・・・”と
      却って会いたくないと思うのでは。
   本当の恩人は誰でしょうか。
   会ってお礼が言えたら、その素直さから将来性有りと思えます。
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36】智者の考えは必ず利と害の両面から考える。(孫子)
 
   これを地で行ったのが三国志の諸葛公明です。
   公明は劉備から“魏を打って欲しい”と云う遺言を残されました。
   しかし、魏の軍力は自軍の7倍で常識的には勝目はありません。
   戦うべきではありませんが遺言もあります。
   公明は最悪の事態、つまり敗戦だけは避けることを考えました。
   そのためには不利な条件を全て吟味して行きました。
   遠征により物資の補給、つまり兵站はままなりません。
   (兵站を軽視して
        兵隊を見殺しにしたのは太平洋戦争の日本軍でした)
   公明は現地で農耕までして食糧を確保しています。
   五丈原の陣中で没します。
   勝てはしませんでしたが、負けもせず国を守りました。
   私は海外進出の検討の場に立ち会ったことがあります。
   全員が、“行け行けどんどん”で
      話題は“どれだけ利益が上がるか”でした。
   そこで、“撤退の条件を決めて下さい”と提案しました。
   何年かして結果は撤退でしたが、火傷はせずに済みました。
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