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【40】太宗は教育熱心で、
魏徴始め側近にも世継ぎへの帝王学教育をさせました。
婦人は賢夫人で育児にも手抜かりはありませんでした。
それでも世継ぎは帝王に相応しい人材には育ちませんでした。
太宗は血筋にこだわらず相応しい者を登用することを考えました。
しかし当時は世襲が当り前で、世継ぎが即位します。
世継ぎの正室には子が無く、側室が寵愛を受けていました。
嫉妬した正室は、
太宗時代に女官として仕え、太宗の死後(太宗は53歳のとき大腸が
んで死去)尼となっていた者に世継ぎの好みの者がいることを知り、
寺から出しあてがいました。
すると今度はこの尼の側室が一手に寵愛を受け、
その後、権力も一手に握り、
中国史上唯一の女帝・則天武后となります。
人を育てることは本当に難しいものです。
知り合いのご夫婦も二人とも高学歴で、
人格的にも問題ないのですが、
お子さんの一人がぐうたらな生活をしています。
周囲の経営者の方々を見ても、
必ずしもお子さんに恵まれているとは言えません。
この子を“こう云う人間に育てよう”と
考えること自体間違っているのでしょうか。
それは神の領域で、
親は社会生活のための基本を教えることが本分なのでしょうか。
完
自治会長のため、土日に時間を取られ中国古典からの投稿はネタが尽きまし
た。しばらく気ままに投稿し、その間ネタを仕込みたいと思います。
それでも投稿しようと考えているのは、老荘思想のみです。
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帝王学・貞観政要の教え
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【39】太宗の娘が結婚することになりました。
太宗は係の役人に、
太宗の姉妹が結婚したときの倍の費用を掛け
勢大な式とするよう命じました。
これに魏徴が意見しました。
「皇帝の姉妹を長公主と言い、娘を公主と言います。
一方に長と云う字が付いていますのは
位が上であることを意味しています。
皇帝陛下におかれましても、
情と云う点では我が子には格別なものがございましょう。
しかし、公主の祝賀が長公主を越えることは
道理に適うものではございません。」
取引先の社長の子どもの結婚式に呼ばれると
結婚する当事者の知り合いとは思えない来賓が多く来られています。
国会議員、県会・市会議員の先生方や著名人、地元の名士などです。
結婚は家と家の結びつきとの見方もありますが、
むしろ結婚当事者が自分の恩師などを主賓に呼べず困惑しているの
ではないでしょうか。
社長が戒めなければならないことは、
① 占いや迷信に惑わされないこと
② 宗教・信仰は悪まで個人レベルとする
③ 家族のことを持ち込まない
④ 祝賀パーティーなどは前例を越えない
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【38】太宗に、
「良く当る預言者がいます。
国策の決定に参考になさっては如何でしょうか。」
との上奏がありました。
太宗は、「私は人民のために尽くし、
人民から信任を得て皇帝の位にある。
そんなバカバカしいものを参考にする気は微塵もない。
身を正し、徳を修めていれば良い。」
むしろ占いなどが広く信用されていたころに、
卓越した見識だと思います。
孫子も
“勝敗を予測するに占いなどの
何の根拠もないものを参考にしてはいけない。
情報を集める。
それも多ければ良いと云うものではなく、
情報を確かなものと不確定要素のあるものとに分け、
確かな情報のみで勝敗を判断せよ。”
と言っています。
しかし、現代でも詰らぬことにこだわる人はいます。
上場会社の取締役会は議事録を残します。
それには取締役全員の押印が必要です。
ある会社でのことですが、
社長が一人の取締役の印相が悪いとケチを付けました。
取締役は、
“占いや姓名判断などで人生が変わるなら努力する奴はいない。”
とその手のことには無頓着で、使っていた印鑑も三文判でした。
そんな詰らぬことを言われるとは夢にも思わず、
無視しようとしましたが、
“社長も大人気ないが、それを突っぱねても大人気ない。”と
過去に3本セットで注文して作ったうちの1本が遊んでいたので
何も言わずに変更したそうです。
社長は印相が良ければ経営も良くなると思っているのでしょうか。
占いなどが気になるのは、
自信が持てないとき・弱気になっているときです。
もっと検討を重ねれば自信も持てるようになり、
科学的根拠のないものに振り回されることはないでしょう。 |
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【37】魏徴は、
「孔子は“人は教育により善にも悪にもなる。
人の種類に善悪があるわけではない。”
と言っています。
同様に嗜欲や喜怒の情は賢者も愚者も同じです。
賢者は節操がありこれを律っし、
愚者はほしいままにするだけです。」
「嗜欲喜怒は賢者も愚者も皆同じ。」という場面は、
余ったジュース1本の扱いから日常的にあります。
我々はそれで人格評価の材料とします。
不思議に思うのは、政治家や経営者、弁護士など十分とも思える
収入を得ているのに時には僅かなお金で身を滅ぼすことです。
“その僅かな金額は貴方の人生を掛けるに値するのか!”
と思うことがあります。
これこそ嗜欲は皆同じようにあり、
地位が有りながら節操がなかったと言うことでしょう。
何十年も前、銀行員の方が、
“量脇を警備員に守られて、
ジュラルミンケースに札束を詰めて何度も運んだが
不思議と欲しいと云う気は起きなかった。”
と聞いたことがあります。
この方は節操があったのか、
あまりの多さのお金に感覚が麻痺したのか。
企業にあっては、経営層は立場上、多くの金額を操作できます。
そのため監査役に見はられています。
経営者の皆さん、
“お金は来るなら拒まないが、追い求めることはしない”
程度にしておきましょう。
トップの腐敗は会社全体を腐らせます。 |
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【36】有終の美を全うできない十項目を述べ、こう締めくくりました。
「禍や不幸は入り口があるわけではありません。
人が招くから来るのです。
今まで良く統治されていたものが、今は悪い兆候が現れています。
このまま国に禍を招くかどうかは、
陛下お一人の心構えに掛かっております。
私が処刑されるのは覚悟の上です。
申し上げた十項目を考慮して頂ければ満足でございます。」
「良く言ってくれた。
有終の美を全うしなければそなたに合わす顔が無い。」
太宗は史官に命じて、このやり取りが残るよう記録させました。
集団が緩むかどうかはリーダー一人に掛かっていると
感ずることは現代でも日常的に見られます。
しかし、部下が指摘してくれたり、
リーダーが自覚して態度を改めた実例は、
殆ど見たことがありません。
40人ほどの取引先のことです。
100年以上続いた老舗で現社長は創業家の直系です。
就任後黒字を続けていましたが、
次第に業績が悪くなり、赤字に転落しました。
上場していないためか
経営内容は原価すら掴めていない杜撰なものでした。
従業員には赤字経営であることを伝えず、昇給さえしていました。
幹部には赤字に気付いていた者は当然いましたが、
誰一人改善を具申する者はいませんでした。
数年後、銀行主導で売りに出されました。
社長が体裁を最優先にし、部下にものを言わせない経営をすれば
必ず会社は潰れるということです。
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