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7月後半から8月中旬にかけて、長々とお休みしてしまいました。 ご訪問もできず、コメントをいただいたものには何とかお答えしようと したのですが、それもできないままズルズルと日にちが経ってしまいました。 それでもご訪問いただいた方々、コメントを頂いた方々には心からお礼申し上げます。 その間、読んだ本がこれ。 しろねこさんから教えていただいたバイオハザードものです。 本の内容と読みどころについては、しろねこさんのすばらしい記事を是非お読み下さいね。 この本が何より素晴らしかったのは、淡々と出来事を書き連ねる姿勢と、もともと役所に勤めておられたという作者さんの体験が生きているかのような、登場人物達のリアルな行動です。 誰も自分の職を失うようなことはしたくないし、余計なことに首を突っ込みたくはない。 地方都市であれば、周りの知り合いの目も気になるところ。 残業代も限度額を超えてサービス残業になり、これ以上頑張っても何もいいことはないはずなのに、それでも自分の責任の範囲でできることはやっておきたい。 「周りから批判されながらも、逃げることもできずに最前線で行動せざるを得ない人々を描きたかった」 と作者は述べていますが、彼らは自分の仕事の範囲をここまで、と割り切って背中を向けることもできたはず。 残業代が出ないから。 今までに経験のない事態だから。 上に問い合わせたらここまでで良いと言われたから。 いくらでも理由は付けられます。 事実、彼らは様々な立場の人々に働きかけ、何度も断られます。 それでも静観することはできなかった。 そんな彼らの小さな行動の積み重ねが、新しい事実を明らかにし、やがて新型ワクチンの一斉接種につながっていく。 そこにあるのは、仕事に対する責任感かもしれませんし、使命感かもしれません。 でも、最も大きいのは、自分の行動が他人に及ぼす影響を理解する「想像力」ではないでしょうか。 今この仕事を適当にすませてしまったら、その結果何が引き起こされるのか。 それが分かっているか、いないか、ということが彼らの行動の根底にある気がします。 それとは対照的に、決定的な情報を持っていながら、自分には関係のない話と自分の商売にのみ汗を流す人。 また、原因に心当たりがありながら自分たちの保身のみに関心がある人々。 そんな人々のせいで、新型日本脳炎は着々と勢力を拡大していきます。 彼らには他人のことは視野に入っていません。 自分の行動が、自分に対してどのような利益をもたらすか、不利益を回避できるか、ということにしか興味がないのでしょう。 常に他人のことを考えて生きていくことは不可能ですし、自分や自分に近しい人のことが一番大事ですから、自分を含めて誰でもがどちらの立場にも成りうるのだと思います。 そういう意味では、自分に「想像力」があるのかどうか(あまり自信はありませんが^^;)、考えさせてくれる小説でした。 バイオハザードものといっても、生物兵器が出てくるわけでもなく(途中まではほのめかされたりしますが)、一見、とても地味な小説なのですが、非常に面白く読むことができました。 非常に前向きに、医学のためによかれと思って実施された研究。 地方都市の医療レベル向上ために、市長が頭を何度も下げて誘致した大学病院。 コスト削減のため(おそらく真面目に仕事をした結果)安い業者に廃棄物処理を委託してしまった病院事務。 必ずしも悪意のある行動ばかりではなく、善意から行われた行動が不幸にも引き起こしてしまった災厄。 日々の生活から逃れられない、地域医療の最前線にいる人々のわずかな勇気がどのように未知の災厄を克服していくのか。 災厄の正体が徐々に見えてくる中盤からラストへ繋がる展開は圧巻です。 日本脳炎感染のピークは秋。 これからが本番です。 本書を読むのにもっとも適した季節と言えるかもしれません。 最後になりましたが、しろねこさん、面白い本を紹介していただいてありがとうございました。
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