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しろねこさんことマダムホワイトが校長を務める本楽家大学ミステリ学部へ入学したは良いものの、あまり活動できずにいます。 そもそも、あまりミステリは読まないので(じゃぁ、なぜ入学したのか?と怒られそうですが)。 現在2回目の課題が出ていますが、私にはとても超えられそうにない壁が立ちはだかっている感じがします^^;) かといって何もしないのも申し訳ないので、最近読んだライトノベル界では有名な作家のミステリ(?)などを。 『しずるさんと偏屈な死者たち』 上遠野浩平 富士見ミステリー文庫 エレベーターを降りると、私はこの階に一つしかない病室のドアをノックする。
いつもきっかり3秒後に 「・・・どうぞ」 と声が返ってくる。 私がドアを開けて病室に入ると、彼女はベッドの上で身体を起こしていた。 「いらっしゃい、よーちゃん」 「こんにちは、しずるさん」 しずるさんは、にこにこと微笑みながら私を見ている。 よかった。どうやら身体の調子は良さそうだ。 しずるさんはいつも穏やかで優しい。 しずるさんとのおしゃべりが楽しくて、暇を見つけては押しかけてきている私のことを、いつも微笑みながら迎えてくれる。 けれども、しずるさんにはひとつだけ、とても困るところがある。 私からすると目を背けたくなるような残酷な事件とか複雑に込み入った謎とかに、ひどく執着して興味を示すという癖だ。それも、難解なら難解なほど強い興味を示す傾向がある。 ところが私ときたら、そういう殺人とか猟奇事件といったものが人一倍苦手なのだ。 あまり事件のことは聞かないで欲しいと思いつつも、 「よーちゃん、お願いよ」 と、上目遣いで懇願されてしまうと、私には断ることが出来ない。 「しかたないわねぇ」 とため息をつきながら、それでもしずるさんのために集めてきた雑誌や新聞の切り抜きを取り出すことになるのだ。 「ねぇ、よーちゃん。人が人を殺すときというのは、その段階で既に失敗をしているということなのよ。つまり殺人というのは、基本的には失敗の埋め合わせであり、自分の怠惰をごまかそうっていう姑息なものなのよ。」 しずるさんは決して声を荒げることなく、淡々と言葉を継ぐ。 「そこに不条理はあっても不思議はないわ。あるのはただ、ごまかしだけ。。。」 そんなことを言いながら、毎回、不可思議な事件を鮮やかに解き明かしてしまう。 私は、しずるさんとおしゃべりできるのが楽しくて、ついつい付き合ってしまうのだ。 今日もほら、 「ところでよーちゃん、最近はなかなか面白いことが起こっているみたいね?」 こういう時のしずるさんは少しだけ活き活きとしている。 念のためにと思って持ってきた“資料”が、どうやら役に立ってしまうみたい・・・ というわけで、病院でほぼ寝たきりに近い生活を送っている「しずる」さんが、友人の「よーちゃん」が集めてくる情報だけで事件の謎を解いてしまうという、「安楽椅子探偵」ものの短編集です。 事件といっても、肩から切断された両手を顔にめり込ませたうえに片足しかない「からかさ小僧」のような死体が見つかった事件とか、風の強い日に凍った男が空を舞った事件とか、6時間前まで生きているのが確認されている男がミイラになって野の花に囲まれているのが見つかった事件とか、一般的な事件とは少し様子が違います。 仲の良い二人の少女が戯れにおしゃべりしているだけ、という見方も出来る作品ですが、一見、奇想天外に見える事件をどうやって論理的に説明するかという点ではやっぱりミステリの範疇に入るのではないでしょうか。ちょっと、苦しい所もありますが^^;) しずるさんはいつも穏やかで苦しい表情を見せたりはしませんが、寝たきりに近い病人であることに違いはありません。二人とも、この幸せな時間がいつか突然終わってしまうかもしれないことを分かっている、そんな緊張感も漂っています。 続編も出ています。 現在までに、上記1作目に続き 『しずるさんと底無し密室たち』 『しずるさんと無言の姫君たち』 の3冊が刊行されています。 月刊ドラゴンマガジン増刊に掲載されているようなので、まだ続いているのかもしれません。 個人的には好きなシリーズなので、まだまだ続いて欲しいと思います。 表紙や本文中のイラストがとにかくかわいいので、本屋で買うときには躊躇ってしまうかもしれません。そんな時はリンクしてあるYahoo! Booksなどの通販でどうぞ。
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