日々雑感

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『オシムの言葉』 木村元彦著 集英社インターナショナル
http://www.bk1.co.jp/bookimages/0262/026235370000.jpg

 Jリーグ「ジェフ千葉」の監督を3年務めて、年間予算J1最下位のチームを
2005年のナビスコカップで優勝に導き、日本代表に選ばれてW杯にも出場したFW
巻を育てた手腕を買われ、ジーコに続いて日本代表の監督に就任した「イビツァ・
オシム」について書かれた本です。2005年12月に出版されていますが、今回の
代表監督就任を狙っていたかのような、良いタイミングでしたね。
 Jリーグはあまり見ていないので(最近、TV中継も少ないですしね)、正直言って
オシムという人のことは、今回代表監督に招聘されるまで知りませんでした。
最近ジェフが強くなったなとは思っていたのですが、その理由がオシム監督を
呼んだからだったとは。
 オシムが、名古屋グランパスで活躍した「ピクシー(ドラガン・ストイコビッチ)」
が率いたユーゴ代表をイタリアW杯でベスト8に導いた監督だと聞いては、名古屋圏
出身の人間としては捨て置けません。グランパスでのピクシーのプレーは本当に
素晴らしかった。'96年の天皇杯優勝、チャンピオンズファイナル優勝という勲章も
彼がベンゲル監督の期待に見事に答えてみせたからこそでしょう。当時私は、名古屋の
大学に通っており、グランパスを応援しに瑞穂競技場に行ったりしていました。あの
ピクシーを育てたオシムという人のことをもっとよく知りたい!というわけで、
この本を手に取ってみました。この本の巻頭には、ストイコビッチからの言葉が
載せられています。曰く、「私のキャリアの中でも最高の指導者の一人であった」

 著者の木村さんはアジア・東欧の民族問題を追いかけているフリーのライターです。
かねてから旧ユーゴのサッカー界を取材しており、すでに『誇り』、『悪者見参』の
2冊を上奏しています。この『オシムの言葉』でユーゴ3部作が完結するとのことです。
蛇足ですが、『誇り』はストイコビッチについて書かれた本でこちらも是非読んで
みたいですね。
 物語は、2003年にオシムがジェフのキャンプに合流するところからはじまります。
彼がどのようにしてジェフを変えていったか。巻や阿部をどうやって育てたか。
そして、オシムという人はどういう境遇で育ち、キャリアを積んでいったか。
90年のイタリアW杯とは旧ユーゴにとって、オシムにとってどういう大会だったのか。
舞台は再び日本に戻り、通訳の間瀬秀一氏へのインタビューに1章を割き、
ジェフを率いた3年間のオシムの言動をつづります。

 1冊を通して感じるのは、著者のオシムへの深い敬意です。旧ユーゴ圏ではオシム氏は
非常に尊敬されており、世界最高の指導者の一人と考えられているようです。
民族紛争が激化した旧ユーゴの最後の代表監督。自身も、家族も内戦に巻き込まれながら
一方で、サッカーでは常に最高のパフォーマンスを見せ続けたオシム。そのような経験と
相手への深い洞察から出てくる言葉に接するうち、自然と木村さん自身もオシムを尊敬する
ようになったのでしょう。
本書に出てくる旧ユーゴの選手達、指導者たち、日本サッカー界の関係者達からも
すべてオシムを褒め称える言葉しか出てきません。まあ、そういう本と言ってしまえば
それまでですが、この手の本がダメな人は避けた方がよいかも。私は、あまり気に
なりませんでしたが。

 ジェフのHPで発信されたように、オシムは独特の言葉を発する人のようです。
元々数学が得意で、教授になれたのを断ってサッカーを続けたそうですが、とても
論理的で冷静に周りの状況を分析・判断して最適と思われる言葉を選んでいるとか。

「君たちはプロだ。休むのは引退してからで十分だ。」
「忘れないで欲しいのは、休みから学ぶものはないという点」
「シュートは外れる時もある。それよりもあの時間帯に、ボランチがあそこまで走っていたことをなぜ誉めてあげないのか」
「走れなかったら、どうやってサッカーをやるんだ?」
スペインの某銀河系軍団を評して
「ジダンやベッカムやロナウドやいろんな人間を集めても、じゃあ彼らのためにいったい誰が走るんだ?だからあそこはスペインでもヨーロッパでもチャンピオンに成れないだろう」
「走り過ぎて死ぬことはない」
「重要なのは、ミスをして叱っても使い続けることだ」
等々。。。

上記の言葉からもわかるように、彼の目指すサッカーはとにかく走ることが基本。
空いたスペースに走り込み、パスを出した後も相手を釣り出すために走る。
何のために、どこへ走るかを常に考えてプレーする。
リスクを冒して攻める。
引いて守って、カウンターでたまたま1点を取って勝った試合は、勝ちは勝ちだが
そんな試合を続けていてはサポーターに見放されてしまう。
そんな彼の哲学を、これからの4年で日本代表にどれだけ浸透させられるのか。
3年でジェフを強豪チームに変えたオシムは、4年で日本代表をどれだけ強くできるのか。
これからの日本代表の試合、そして4年後のW杯が非常に楽しみです。

本のタイトルリレー2

次は「課」ですね。
これは迷いました。
試しにbk1で「課」を検索してみると10,412件がヒット。また、「課題」で検索してみると11,092件がヒット。つまり「課」が含まれている本は、たいてい『現代日本の課題』みたいなお堅い本がほとんどのようなのです。途方に暮れて検索結果を眺めていると、ん、どこかで見たことのある作者さんがいる。これなら、と思って早速アマゾンで注文。bk1でなかったのはアマゾンの方がたまたま発送までの時間が早かったから。ちょうど在庫があったんでしょうね。

「こちら、郵政省特別配達課!」小川一水 (朝日ソノラマ ソノラマノベルズ)

http://www.bk1.co.jp/bookimages/0262/026273210000.jpg

bk1はこちら
新進気鋭のSF作家、小川一水(いっすい、と読みます)さんの作品です。
公式HPはこちら→小川遊水池
早川文庫から出版された「第六大陸」で2004年に第35回星雲賞を受賞されています。
私がこの作者を知ったのも、「第六大陸」でした。
月面に娯楽施設を作るという発想の奇想天外さ、発想を実現させるための技術的問題点の克服、その構想を進めるのがうら若き天才少女という取り合わせの妙、少女の孤独な家庭環境と彼女の真意、彼女を支える主人公との恋、SFに必要なものはすべて含まれているという良作でした。
この作者なら、おもしろいに違いない。
というわけで、届いた本を読んでみました。

本書は、1999年と2001年に朝日ソノラマ文庫から2冊に分けて出版された作品を、1冊にまとめたものだそうです。従って、上下2段組ながら458ページという結構な量で、読む前はちょっと間に合わないかなと焦ったんですが、もともとがソノラマ文庫ということでさくさく読めました。

内容はこんな感じです。
民間の業者がはじめた宅配便に押されて下降線をたどっていた郵便小包。しかし、国の後ろ盾をもつ郵政省(現在はご存じの通り日本郵政公社ですが、この作品では郵政省のままです)がなりふり構わず反撃に出ます。「ゆうパック」、「ふるさと小包」などの新商品を開発して、徐々に取り扱い数を増やしはじめると、さらに特別配達課、通称トッパイを新設。目的は民間運送業者が逆立ちしてもできない配送サービスの提供。どんなものでも1kgあたり40円の郵便小包料金で、どんな手段を使ってでも輸送する。彼らが任務を全うするまでの炎の軌跡を熱く描いた力作!

前半は短編集、後半は長編となっています。
運ぶものは一軒家だったり、普通の速達だったり、原発から盗み出されたプルトニウム(あ、ネタバレ(^_^;))だったり、医薬品だったりしますが、それぞれどうやって実現させるかというあたりで、主人公たちが悪戦苦闘する姿を描いています。ちょっと脳天気すぎる部分もありますが、これは後半への布石ということなのでしょう。
後半はもう少し重い話で、完全自動化された配送網が全国に広がろうとしている現代において手から手への配達にこだわる意味とは、というのを考えさせるお話になっています。後半が文庫で発売された2001年、世の中は不況の嵐。民間宅配業者はリストラを断行して何とか生き残ろうとしています。そんな中、郵便局員だけが採算度外視で仕事をしていて良いのだろうか。もっと効率の良いシステムに配送を委ねるべきではないか。こんな社会や上からの圧力の中、主人公たちは手から手へ配達することにこだわって頑張っていきます。最終的に特別配達課は無くなってしまいますが、その精神は残るということで一件落着。ラストシーンがあまりに恥ずかしいので、その分はマイナスとしても、十分に楽しめる内容でした。

全編を通じて、特に前半はそうなのですが、笹本祐一さんの影響が強いようです。作者本人も小説を書こうと思ったきっかけが笹本さんの本だと書いているので、ある程度は仕方ないところでしょうか。しかし、後半、社会情勢を反映させながら、かつ重くなりすぎないようにストーリーを展開するあたりに非凡なところを感じました。

出てくる特別車両(カウンタックから新幹線まで)がすべて真っ赤に塗られ、かつ、目立つように〒マークが白抜きで書かれているあたりはお約束ですね(^_^;)。アニメになっていたら爆笑すること間違いなしです。今からでもアニメに、いやいや織田裕二・・・はちょっと歳を取っているので、坂口憲二あたりに主演してもらって是非とも実写で映画化して欲しい作品です。


だいぶ疲れてきましたが、気を取り直して最後の「後」です。

「黒後家蜘蛛の会」 アイザック・アシモフ (創元推理文庫)

http://www.bk1.co.jp/bookimages/0023/002373160000.jpg

bk1はこちら
えーと、もう有名すぎてあえてご紹介するまでもない気がします。しかも、全5巻のうち1巻しか読んでいない私と違って、本楽家協会の皆様の方がよっぽど読み込んでいらっしゃるに違いない。

<黒後家蜘蛛の会>の会員−−化学者、数学者、弁護士、画家、作家、暗号専門家の六人は、毎月一回晩餐会を開いていて、四方山話に花を咲かせていた。が、いったん話がミステリじみてくると会はにわかに活況を呈し、会員各自が素人探偵ぶりを発揮する!だが、毎回毎回真相を言い当てるのは、給仕のヘンリーだった!安楽椅子探偵の歴史に新しい一ページを書き加えた連作推理小説。

ロボット工学3原則であまりに有名な、SF界の巨匠、アイザック・アジモフ(ちなみに創元推理文庫では『アシモフ』と表記されているが本人はアジモフと呼ばれることを望んでいたとか)の作品です。彼は多作で知られており、SF作品の他に科学エッセイ、聖書研究書、自伝なども書きましたが、推理作家としてもよく知られています。その代表作がこの黒後家蜘蛛の会です。「エラリィ・クィーン・ミステリ・マガジン(EQMM)」に連載され、彼が死ぬまで書き続けられました。会員制の倶楽部に集う6人の会員が毎回違うゲストと話題を持ち込み、謎解きを楽しむというのが基本的な形です。謎は毎回違いますが、殺人事件がおこることはほとんど無く、いかに出されたパズルを解くかという謎解きがメインのお話です。会員の6人がありったけの説明をした上で、最後に給仕役のヘンリーが最も簡単に説明できる解答を導き出すというもの。各話読み切りで、短い作者の解説も付いています。そこがまたおもしろかったりします。雑誌では編集者の意向でこうせざるを得なかったけれども、本当はそれはいやだったので、単行本収録に当たって本来の形に直したとか、作者のこだわりがよくわかります。
改めて読み返してみても、謎解きの部分が全く古くさくないのが驚きです。生物時計を逆手に取った『日曜の朝早く』、結局全部がウソだったという(半分反則な)オチの『明白な要素』などなど。この機会に5冊全巻読んでみようかな。

ちなみに、作者急逝のため1冊分にならなかった短編が6つあるそうで、現在復刊ドットコムにて復刊交渉予定となっています。
また、タイトルの黒後家蜘蛛ですが、1巻の訳者あとがきに説明が載っています。アメリカに分布するゴケグモの仲間で、雌に限ってガラガラヘビより強い猛毒を持っているそうです。また、雄は雌よりも小さく、毒もなく、交尾の後雌に食べられてしまうんだとか(泣)身につまされる話ですねぇ。我が家は大丈夫のはず・・・といって後ろを振り返ってみたり(^_^;)。ちなみに、最近、日本に入って繁殖していることが確認されて話題になった毒蜘蛛のセアカゴケグモも、同じ仲間のようです。


というわけで、少し反則気味ですが3冊をご紹介しました。
何とか、責任を果たせましたでしょうか。

次の方は、「放浪の戦士」、「こちら、郵政省特別配達課!」、「黒後家蜘蛛の会」のなかから1冊を選んで、さらに含まれている文字、単語を含むタイトルの本を次の課題図書として選んでください。
今からゲストブックにこっそりお願いに上がりますので、どうかイヤな顔をせず引き受けてくださいね。

本のタイトルリレー1

本の少ない図書館のhimaさんから本のタイトルリレーを頂きました。
これは「日本本楽家協会」のイベントとして行われているもので
前の人が紹介した本のタイトルに使われている文字・単語が、次に紹介する
本のタイトルに含まれていることが条件です。

さて、himaさんが紹介した本は東野圭吾さんの「放課後」でした。
himaさんの記事はこちら
従って「放」、「課」、「後」のいづれかを含むタイトルの本を探さなければなりません。
しかし、ぱっと思い浮かばない・・・。
やむを得ず、本棚を上から順番に見ていくことにします。

「放」
ない。。。あ、1冊だけあった。
し、しかしこの本は、本楽家協会の方々にはあまりにも受け入れられないのでは(^_^;)

「課」
ない

「後」
お、隣の部屋の本棚で見つけました。そういえば1巻だけ借りて読んだ覚えがあります。
しかし、あまりにも有名すぎて、やっぱり不向きかも。
1巻しか読んでないし、全巻読むのは大変そうだし。

「後」で無難にまとめる方が良いかも。でもこの本って本楽家協会の皆様の方がよくご存知な可能性が高いし、そもそも読書の分野を広げるためっていうのがタイトルリレーがスタートした理由だったはず。かといって全く興味のなさそうな分野の本を紹介されてもなぁ。などとうだうだ考えた末、よし、せっかく選択肢が3つしかないのだから、これを逆手にとってそれぞれのキーワードに付き1冊ずつ紹介しよう!ということにしました。ちょっと反則な気もしますが、どうかご了承ください。

それでは「放」から

「放浪の戦士 デルフィニア戦記1」茅田砂湖 (中央公論社 C・NOVELS)

http://img.papy.co.jp/sc/item/cover/1-8231-c200.jpg

デルフィニア戦記というシリーズの第1巻です。
bk1はこちら

初版の日付は1993年10月25日。もう13年も経つんですね。私が持っているのは第9版で1996年になっています。それでも、もう10年。結構長い付き合いになりました。
本の背面に書かれている紹介文を載せます。
 刺客に追われる漂白の戦士ウォルと 異世界からの迷子リィ
 剣戟のさなか 孤独な二人の戦士の偶然の出逢いが
 デルフィニア王国の未来を アベルドルン大陸の運命を
 大きくかえていく
 やがて『獅子王』と『姫将軍』と 呼ばれることになる
 二人の冒険譚はここからはじまる

一度は玉座に就きながら内乱によって王の座を追われた戦士と、いきなり知らない世界に飛び込むことになった金髪碧眼の少女。普通ならこの二人が偶然出会えば恋が始まるところですが、主人公たちの関係はあくまで対等です。これは次のシリーズのスカーレット・ウィザードにも受け継がれていて、茅田さんの作品の大きな特徴と言ってもいいと思います。作者自身も「強い女性が大好き」と言っておられる通り、茅田作品では男顔負け、というより普通の男より強い女性たちが活躍することが多く、自然と男女の関係が対等に近くなるのでしょう。それだけではなく、お互いに相手を尊重する姿勢を崩さないことに好感が持てます。現実の男女関係でも、お互い尊重できるような関係を築けたら理想的ですね。

この主人公二人を軸に、王の幼なじみ、国内最大の貴族を束ねる王の従兄弟、国を代表する騎士団の団長、ならず者(と思われていた人々)を代表する元貴族の美丈夫、暗殺を生業とする一族の腕利き達、そしてデルフィニアを我がものにしてくれんと画策する各国の王たち。魅力的な人物達が舞台狭しと活躍します。
それぞれの人物が魅力的なことはもちろん、特に王やリィ、周辺の人々の真剣かつ、軽妙なやりとりがとても好きでした。筆者もあとがきに書いていましたが、読みながらついついニヤリとしたり、吹き出してしまうこともしばしば。電車の中では読めない本の一つです。

イラストは沖麻実也さん。リィの人間離れした美貌を良く表していると思います。
ただ、このイラストが買うときに恥ずかしいという方もいるらしく、中公文庫でも発売されています。個人的には、ノベルズの方をオススメします。最近は通販で買えますし、最近発売された外伝はまだ文庫化されていないようですし。
なんと化粧箱入り全巻セットなるものまであるようです(^_^;)。
1から全部そろえるというのも大変なので、図書館で借りていただくか、内緒でコメントを入れてもらえば、全18巻(18巻のみ上下巻)+外伝1巻まとめてお貸ししますので、遠慮無くどうぞ♪

につづきます(^_^;)

イメージ 1

南極って一度は行ってみたいと思いませんか?
その昔、「南極物語」(リメイク版じゃなくてオリジナルの方ね)を見てから
ずーっとそう思っていました。
見渡す限りの雪原、コウテイペンギンの行列、夜空を彩るオーロラ、白夜、etc....
でも、冷静に考えてみたら南極って寒いんですよねぇ(^_^;)。
スキーですら、「わざわざ高い金払って寒いところに行く奴らの気が知れねぇ」などと
毒づいている私のこと、南極なんて行こうものならきっと防寒着を3人分ぐらい
着こんで、建物の中でふるえているに違いない。
自分が行けないのなら、せめて行った人の話が聞きたい!
というわけで、本書を見つけたときに即断でお買い上げ。
和田誠さんの表紙もポイント高かったです。

著者の西村さんの本業は海上保安官です。
1989年の第30次南極越冬隊につづき、1997年に第38次南極越冬隊として
合計2年間を南極で過ごした南極のスペシャリスト(?)。
本書は第38次越冬隊の時の1年間をつづったエッセイです。
海上保安官がなぜ南極越冬隊で料理人をしているのかは結局謎ですが
彼らがどんなものを食しているのか、どのような行動を取っているのか
非常に興味深く、時に爆笑をこらえつつ(特に電車の中は危険!)、
読ませていただきました。

まずは第30次越冬隊が帰国の途に就くところから物語は始まります。
悪天候でヘリが飛べず、感動の別れとならなかったところから、著者は
南極への再挑戦を決意します。
日本の便利な生活に慣れて、南極への思いを忘れた頃、第38次越冬隊への
お誘いを受け、再び南極へ。
しかも、今度は昭和基地ではなくさらに奥地、標高3,800m(ちなみに富士山は
標高3,776mなので富士山より高い)、年平均気温-57℃、最低気温-80℃という
ドーム基地「ふじ」での越冬です。
会社には-80℃のディープ・フリーザーがありますが、夏に汗ばんだ腕を
うっかりつけたりしたら最後、汗とともに皮膚までが張り付き、皮ごと
引きはがすしかない状態に追い込まれてしまうという、恐ろしい機械です。
すいません。ちょっと脚色しました(^_^;)。
とはいえ、本当に皮ごと引きはがす羽目になった人がいることも事実。
周り一面、そんな温度になっているなんて、想像も付かない世界です。
少し暖かい日、それでも-40℃という極寒の戸外でのジンギスカンパーティ
では、缶ビールは1分以内に飲まないと氷の固まりになり、焼いた肉も
焼けたそばから口に入れないと速攻で冷凍に逆戻り。アルコール度数の高い
ウィスキーやウォッカは何とか液体を保ちますが、それでも20分ぐらいで
氷が浮いてくるという状態です。
彼の地ではアルコール度数65〜70度の「コンクウィスキー」が標準で、
ふつうの40度くらいのものは「軟弱なウィスキー」と呼ばれているとか。。。
まさに人外魔境という他はありません。

ところで、越冬隊の人は1年間もいったい何を食しているでしょうか。
日本と違って、いつでも補給が受けられるわけではありません。
すべて最初に持って行く必要があります。
何しろ冷蔵庫、冷凍庫のいらない場所です。
逆に言えば、すべてが問答無用で冷凍食品になってしまう場所です。
肉や魚はまぁいいとして、新鮮や野菜ってどうしてるの?
と気になっていたら、なんと冷凍野菜ってトウモロコシやニンジンだけじゃ
ないんですね。ジャガイモに始まって、タマネギ、ニンニクの芽、アスパラ、
白菜、タケノコ、インゲン、ホウレンソウ、オクラ、ニラ、カボチャ、レンコン、
長ネギ、ピーマン、キュウリ、大根など、至れり尽くせり。
おまけに、ドーム基地で植物栽培装置を動かして、レタスなどを育てています。
卵にしても、卵白だけ、卵黄だけ、全卵、冷凍錦糸卵など、様々な種類が。
冷凍ゆで卵だけは見つからなかったそうですが、今ではあるかもしれませんね。
牛乳は、常温で長期保存できるLL牛乳というものを持って行くのが南極越冬隊の
スタンダードだったらしいのですが、それでも8ヶ月ぐらいたつとどろどろになって
飲めたものではないとか。
さすがに北海道出身の著者は、子供の頃に凍った牛乳を解凍して飲んでいた
体験を生かして、300リットルの牛乳を冷凍で南極に持ち込み、事なきを得ます。
今みたいに冷凍技術が発達していなかった昔は、いったい何を食べていたんでしょうねぇ

そして、ドーム基地での著者は、1に酒を飲み、2にパーティーを開き、3に料理をし、
4で肉体労働に従事するといった具合で、とにかく良く酒を飲む。
それも缶ビールなんて贅沢なものはありません。
現地製造のあやしいビールやら上述のコンクウィスキーやらをがぶ飲みしてます。
寒いと体を中から温めるというのは、本当なんですねぇ
料理はさすがに専門家。
足りないものはテキトーにその辺のもので代用するという、実にプロらしい
手腕を遺憾なく発揮して肉体労働で疲れた男達の胃袋を満たしていきます。
「めんつゆ」や「ポン酢」って味付けにも使えるんだ。へぇー。
と、普段料理をしない私は感心することしきり。

仲間の一人と険悪な雰囲気になったりと、いろいろありますが、兎にも角にも
1年のおつとめを終え、日本に帰ってくるまでがつづられているこのエッセイ、
本来はWeb上で公開されていたものだとか。
普段知ることのない世界をかいま見ることができます。
興味を持たれた方は、ご一読を。

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ちいらばさんの日本本楽家協会には、私のような中途半端な本好きが
参加してもと、あまりにも畏れ多くて今まで参加していなかったのですが、
皆さん楽しそうに活動していらっしゃるのを見て、遅まきながら仲間に入れて
もらえないかなー、などと思ってしまったので、入会申込書を出すことにしました。
といっても、この記事をトラックバックするだけですが。
課題は「本の楽しみ」です。

個人的には本好きというよりは、お話好きという感じでしょうか。
活字にしろ、漫画にしろ、動画にしろ、そのお話の中にどっぷりと
つかるのが楽しくて読んだり見たりしています。
なので、新聞記事のような事実を淡々と告げるだけの殺伐とした文章は
苦手だったりします。
新聞でも、連載記事やコラムなんかは一生懸命読むんですけどね(^_^;)。
やっぱり基本は大人買いでしょう。
何冊も積んで、ひたすら読むのが至福の時・・・。
夜中に読み返し始めたら止まらなくなって、気がついたら外が
うっすらと明るくなってたなんてことがしばしばあります。
次の日大変です(涙)。

もともと、コミックや少し軽い小説(今でいうライトノベルズ?)が好きです。
ライトSF(似非SFともいう)みたいなのも大好きです。
本格的なSFも読んだりしますが、読んでもちんぷんかんぷんなお話は
受け付けません。
自分の中で最も秀逸だと思ったSFはロジャー・ゼラズニィの「新世界シリーズ」
(早川SF文庫)です。かなりオススメです。
アイザック・アシモフの「ファウンデーション」シリーズ(早川SF文庫)も好きです。
日本では田中芳樹の「銀河英雄伝説」(徳間ノベルズ)でしょうかねぇ。
ほぼリアルタイムで読めたっていうのが幸せだったと思います。
高校の図書室で予約待ちをしてたのが懐かしいです。
シャーロック・ホームズは一生懸命読みましたが、それ以外の推理小説は
明智小五郎と金田一耕助、アルセーヌ・ルパンぐらいしか読んだことないです。
東京都北区西ヶ原に住んでいたことがありますが、内田康夫の小説も
読みませんでした。ちょっともったいなかったかも。
「浅見光彦(註1)」が好きなお団子屋さん「平塚亭(註2)」の近所に
住んでいたんですが。
(註1)内田さんの小説に出てくる探偵です。
(註2)実在します。みたらし団子が有名らしいです。

コミックでは、メジャーどころよりすこーしマイナーなものの方が好きです。
ベタベタな少女コミックから少年コミック・青年コミックまで大丈夫です。
昔、楽器を習っていた時、そこの生徒がほとんど女の子だったこともあって
待合室には「りぼん」しかなかったという時期がありました。
今でも「有閑倶楽部」は好きですが、この頃の影響が大きい気がします。
さすがにお店で買うのは恥ずかしい歳になりましたが。
「絵がきれい(というか自分の好み)」という基準でマイナー系のコミックばかり
買っていた時期もありました。
後々そのコミックの人気が高くなると、一人で悦に入ったりして。
端から見たら、危ないヤツですね(汗)。

ちいらば会長や本楽家協会の皆さんのように高尚な本は得意ではありません。
恋愛ものもだめですねぇ。
最近では、「ダヴィンチ・コード」がおもしろかったですが、どっちかというと
前作の「天使と悪魔」の方が好きです。こちらは一読の価値ありですよ。
ちょうどローマ法王が崩御されて、コンクラーベが開催された直後に読んだので
かなりリアルな感じを受けました。
あの記憶が薄れる前に是非一度読んでみてください。

社会人になって、世間で話題のビジネス書という類の本が多くなりました。
多少は大人になったってことでしょうか?
いや、ビジネス書を読めば大人ってもんでもないですが。
おもしろい本ももちろんありますが、やっぱりその時話題の本って、年月がたつと
忘れられていくのかなぁ、という印象を受けることが多いです。
「格差」ものとか「品格」ものとかね。
ま、旬な本ということでは悪くないとは思いますが。

本屋で初めて見て勘だけに頼って買ったコミックや小説がおもしろかった時の
爽快感は捨てがたいのですが、最近は本屋に頻繁に行くことも難しいです。
なので、すでにかなりお話が進んでいるものを、ネットなどで
あらすじなんかを確かめてから、まとめ買いをすることが多くなりました。
「ARIA」なんかはこのパターンですね。
コミックは割とネットでのダウンロード販売と相性がいいメディアだと思うので、
もっと多くの種類ができるようになるといいと思います。
成人指定だけじゃなくてね。
まぐプレebookは比較的頑張っていると思うので
今後に期待です。

長々と書いてきましたが、「本の楽しみ」というよりは、単に自分の好きな本を
羅列しているだけですね(^_^;)。
もしかして課題としての評価は不可だったりして!?
こんな奴でよろしければ、本楽家協会の端っこにでも参加させてもらえればと思うのですが
どうでしょうか、会長?

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