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◎パンドラの箱の底には・・
人類は原子力発電というパンドラの箱を開けてしまったが「パンドラの箱」の寓話にも様々な解釈があり、人類にあらゆる厄災をもたらした後、底には「希望」という最後の光が残されているという。
原発ゼロは今やボロボロに傷ついた地球を労りつつ修復する力を持っていて、その源は原発温排水の大幅減少である。
100万キロワット級の原発がフル稼働すれば、周辺海水より7℃も高い温排水が毎秒70トン、東京ドーム1杯分が5時間で排出され、1日なら約5杯分が周辺海域を温め続ける計算になる。
ほとんどの原発が稼働を停止し、温排水の放出に歯止めがかかった時、北は宗谷海峡と津軽海峡、南は対馬海峡に閉じられた内海として、温排水の影響が出やすい日本海の秋田沖に焦点を当てて調査した結果、事故前に対して2〜3℃温度が下がった事を立証したのは、機械工学の専門家、平松健男氏だった。
さらにその影響が大きかったのは、九州電力の川内原発近くの海に温暖系のサメやエイ、ウミガメなどの死骸が打ち上げられる事がなくなった。
海がそれぞれ自然の姿を取り戻しつつあり、全世界の原発が止まれば地球を癒す効果は大きい。
また、自然のエネルギーへの転換が進み、テクノロジーの飛躍が期待される。
現在、日本の企業を飛び出し、アメリカのエネルギー省の支援を受ける研究所で、日本人の研究者が新しいパネルを開発した。
それは、通常の太陽光パネルが可視光線しか利用しないのに対し、紫外線や赤外線など太陽が持つ全てを電気に変える物である。
日本でも風力の弱点であるエネルギー転換効率の悪さを克服する小型風力発電機が開発されている。
ただ、その普及を阻んでいるのが各種の規制で、大元締めは経産省である。
そして、まだ権力がある原子力 マフィア、原子力 ムラを崩壊させる取り組みは国民一人ひとりがそれぞれの立場で「原発は要らない」と言い続けていく事こそが「希望」という光だ。
いま安倍政権が早急に取り組むべき事は、これからもずっと続く被曝作業員の為の「セーフティネットの構築」と「子ども被災者支援」を実行に移す事だ。
それすらできないなら、すぐにも政権から降りてもらわなければならない。
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2013年10月1日 七つ森書館・発行
恩田勝亘・著「福島原子力帝国」より抜粋、要約
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◎日本国民の責任
福島の事故では15万人以上が避難し、野菜、魚介類、飲料水までもが汚染され、この後も事故前の日常は戻ってくる事はなく、しかも原子炉は放射性物質を放出し続けている。
世界有数の地震国日本に54基もの原発ができ、使用済み核燃料が2万トン以上あるのに、事故が起きるまでは国民の大半がこの状況の危険性を認識していなかったのは、政府、行政、電力会社がマスコミや教育システムを通して、安全性を繰り返し語ってきたからだ。
2011年以前に配布された小中学生向けの副読本に書かれていた原発の安全性については、全くの嘘だという事がバレて回収せざるを得なかった。
現在配布されている副読本についても情報が偏っていて、低レベルの放射線でもガンの原因になる事や汚染地区の地図さえ書かれていない。
国会事故調査委員会の調査では、当時、福島県のほとんどの住民がヨウ素剤を摂取していなかったことが明らかになった。
住民がいつヨウ素剤を摂取すればいいのか、地元の首長が勧告を受けるのは、知事から受ける方法と原子力安全委員会から受ける方法と2つあったが、当時はどこからの指示も首長には届いていなかった。
県内にはヨウ素剤を摂取するように勧告した首長(三春町)もあったが、多くの首長が原子力安全委員会からの指示を待っていたため実行できなかった。
情報が届かなかっただけでなく「副作用がある」という安全委員会の警告を恐れた事もあった。
日本にある緊急被曝医療体制は、被曝の程度により1次、2次、3次と分かれているが、被曝量が多い人を治療する3次医療機関は広島大学と放射線医療研究所の2カ所しかなく、この2カ所も一度に10人以上は受け入れられない事が分かり、日本は大規模な原子力災害には対応できない事が判明した。
まずは、今までは安全、安心といって推進してきた政府と電力会社は、現在も進行中の放射性物質の拡散を止める事を最優先にすべきである。
また、地震国であることは間違いのない事実なので、原子炉の完全閉鎖は時間との戦いになる。
科学者は科学的事実を伝える事が大事で、政府や電力会社の代弁者になってはいけない。
そして、国民のすべての責任として、今ある原発を早く完全に停止することである。
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崎山比早子・・元放射線医学総合研究所主任研究官
東京電力福島原子力発電所事故調査委員
2015年3月3日 株式会社ブックマン社・発行
ヘレン・カルディコット・監修
河村めぐみ・訳「終わりなき危機」より抜粋、要約
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