ナツメの10ちゃんのつれづれブログ

娘と徒然(連れ連れ)に史跡めぐり、食べ歩き日記

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松尾山城縄張からみた関ヶ原合戦
 
昨日、「へうげもの」15巻を購入。
この漫画はちょうど今、関ヶ原の場面。
 
イメージ 2  「へうげもの」15巻
                         古田織部が主人公
 
そこで、以前雑誌『歴史群像』に掲載されていたある記事を思い出したのでご紹介。
松尾山は小早川秀秋が関ヶ原合戦(慶長5年9月15日)に陣取った場所として有名ですね。
 
イメージ 1
『歴史群像』2011FEB.2掲載の「松尾山城縄張図
東西400m、南北300mの西美濃でも屈指の城郭
枡形虎口に櫓台を付設する発達した構造(慶長期頃以降の城構造)
 
 「へうげもの」でもそうですが、通常の関ヶ原合戦感では、急遽西行した東軍(家康)に動揺して常に受け身で西軍は行動しているように描かれることが多いように思えます。
 
 しかし、いちがいにそう言えるのでしょうか?
この点について「歴史群像」では松尾山城の縄張から再考を促してます。
 城の縄張という「もの(遺構)」から、歴史を考えるのはナツメの10ちゃん向きです。
 
 要約すると
★9月12日の段階で、石田三成が大阪城の増田長盛に宛てた書状に
 「江濃之境目松尾之城、何れの御番所にも中国衆入可被置、御分別尤にて候」と あることから、松尾之城(松尾山城)は「中国衆」と称される「毛利本隊」の城と考え られていたであろうこと
 
★松尾山城は、元亀年間に浅井氏が家臣を置いていたことが記録に残っているが 現在残っている城の縄張りは、東西400m、南北300mの西美濃でも屈指の城郭  で、枡形虎口に櫓台を付設する発達した構造であることから、慶長期頃の城構造 と考えられること
 
★8月10日に、関ヶ原以前に大垣城主であった伊藤盛宗は、三成に城明け渡しを要 求され、しぶしぶ退去していることと、小早川家老の稲葉氏の家譜「稲葉家譜」で  小早川勢は「伊藤長門守某を追い払って松尾山新城に入った」こと記されてい  ることから、伊藤氏は大垣城退去後に松尾山に入城していた思われること
 
◎上記の点から、松尾山城は小早川勢が接収するより1月以上前、西軍に大垣を 明け渡した伊藤氏が松尾山城を改築したと考えれば、城の縄張から予測される構 築年代も自然。
    城普請は中国勢主力を将来的に入れることを想定して大規模に実施されたと 
  思われます。(当然、伊藤氏だけの力で築城されたわけではないのでは…)
 
 また、西軍は、大垣城の伊藤氏を松尾山に移動させたあと、大垣城へ主力を入れ、一方で南宮山へ毛利秀元以下の毛利支隊を配置してます。
 南宮山の毛利隊の陣城は大垣方面へ向かっての防御を強く意識して築かれており、西軍が大垣城を基点とした戦略構想を抱いていたが予測されます。
 南宮山の毛利支隊は中国勢(毛利本隊)とともに、大垣城の後詰(後方支援)を担う予定であったのでは。
 ちなみに、南宮山からは大垣方面は一望できるが、関ヶ原は見えないようです。
 関ヶ原への降り口(東軍側)も狭く、そこを敵に抑えられると降りるに降りられない。 (高い位置に陣取ると有利なわけではないので)
 つまり、南宮山の部隊は関ヶ原合戦のとき東軍を見通せなかったし、参戦するには、山を下らないといけないが狭い降り口は東軍が抑えており、多大な犠牲が予想された。
 
イメージ 4 毛利支隊の南宮山陣跡
                                大垣方面の防御を強く意識した構造
 
 つまり、西軍は関ヶ原のかなり前から、大垣城で後詰合戦により東軍を迎え撃つ準備を着々と整えてたわけですね。
 
 しかし、西軍主将でもある中国勢(毛利本隊)の到着前、後方戦略拠点である松尾山城を小早川勢が強制占拠するという不測の事態が発生したため、当初の戦略を変更せざるをえなくなったのでは?って考えているわけです。
 
 ○先に記したように、小早川勢は西軍の伊藤隊を追い払って入って松尾山新城に 入ったと記されていることから、当然西軍の指示に従い入城したわけではなく、強 制占拠であった。
  =この時点で、小早川勢が寝返ったことが西軍には予測できたと思われる。
    ※以後、小早川勢が旗色を鮮明にしないのは、西軍からの引き留め工作があったからでは?
                    
西軍=青 東軍=赤
※当初、大垣城への後詰合戦を意図した西軍は、小早川勢が突如松尾山城を占拠したことで戦略が瓦 解。急遽、関ヶ原へと移動して野戦を余儀なくされる(「歴史群像」から)
 イメージ 3
 
 
イメージ 5
小早川秀秋が強制接収した松尾山城想像図 「歴史群像」から
 西軍が大垣城を核とした後詰合戦の後方拠点(毛利輝元本隊用)として築城か
 
 <ここからは、ナツメの10ちゃんの想像です>
 小早川秀秋への戦後の過分な恩賞、毛利一族への仕打ちを考えると、
実は、上記のような背景があったのかもしれないですね。
 東軍からみた両者の評価は以下の通りだったのではって思ったりします。
 (小早川への評価)
 合戦で裏切ったという戦術的功績以上に、西軍の後詰合戦という戦略を根本的に覆した功績を高く評価された。
 小早川勢の松尾山城への強制占拠が西軍の軍勢を分散(大垣城・南宮山部隊は遊軍化)させ、家康の得意な野戦決戦への契機となったと東軍が考えた。
 (毛利への評価)
 地図上(平面的)には毛利が東軍後方を抑えているようにみえるが、立体的にみれば実はかなり動きづらい状況にあり、決戦では事実上遊軍化していた。よって、戦後は非参戦を東軍にほとんど評価してもらえなかった。
 
 こう考えると、戦後の両者への処遇も理解しやすいのでは?
 あくまで、勝手な仮説なんですが…。
 
イメージ 6 「へうげもの」の小早川秀秋
                                     かなり変な人になってます…
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徳川家康26巻
織田信長 6巻<5巻?>
豊臣、毛利、東北の覇者、歴史物読んでいます。

ナツメの10ちゃん : こんがらがった。
関が原は、家康側が不利になったとき、約束どおり寝返って東軍が勝つ。
大阪は今でも小早川は許されていない。
政治の舞台に出てこれないと聞く。

皆殺しされた、ちょうそかべの下士、坂本龍馬に江戸は仇取られる。
歴史は面白い。

知ったかぶりごめんなさい。

2012/8/4(土) 午後 7:04 [ オリーブ ] 返信する

次々と本をたくさん購入されるんですね。
前テレビで放送していたような・・・?

そう言えは先頃本屋さんで“地獄”の絵本見ました、
貴方のところで見せてもらったのだと・・
この頃は立ち読みされない様に、ビニールで本が包まれているのにおどろきました。
知らないと言うことは以下に本を買って無いかって事 笑

勉強家の10ちゃんに ナイス

2012/8/5(日) 午前 1:01 [ tmisatojp ] 返信する

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( ̄ko ̄)<伊藤盛宗じゃなくて、伊藤盛正でつ

当時の推定年齢で15歳以上〜20歳未満の少年当主。
関ヶ原のせいで人生がドラマチックになった一人ですね^^;
三成から、かなりしつこく「大垣退去要請」が来たようです。

稲葉家譜では早い段階から井伊直政に接触して家康へ味方する旨を伝えてた。とあるそうですが、江戸期の記録なんで何とでも言える・・(._+ )☆\(-.-メ)オイオイ
その後の動きを見てると「普通に去就に迷った」感じがあります。
まぁ西軍からも個々に引き止め工作があったのと、
(稲葉たち家老に三成は支度金として金品提供してたとか)
集まった西軍のメンツが意外に多かったから、様子見したのもあるんじゃないかなぁ〜と考えてました^^

2012/8/5(日) 午前 9:53 栞 返信する

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自分の過去記事で伊藤盛正の特集組んだのがあるので、
関連記事として、こちらにトラックバックします^−^

勉強家の10ちゃんにヽ(*´∀`)ノ★ぽち

2012/8/5(日) 午前 9:55 栞 返信する

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オリーブさん
こんばんは。コメントありがとうございます。
私のブログは一応根拠は記してるつもりなんですが、あくまで手前勝手(言いたい放題)な仮説です。今回も通常は江戸時代につくられた古文書等から描かれている通説に対して、城縄張等をつかっての仮説です。言い過ぎなところはご勘弁を…。

2012/8/5(日) 午後 10:30 [ ナツメの10ちゃん ] 返信する

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tmisatojpさん
こんばんは。地獄の絵本はお孫さん用に?薦めときながらも心配に…。

2012/8/5(日) 午後 10:34 [ ナツメの10ちゃん ] 返信する

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栞さん
間違い訂正感謝です(^_^;)
やはり、「物」専門なので限界が…。まあ、遺構や遺物のような「物」から言えることもあるのでは?って思ってます。
稲葉もですが、当時の家老クラスの武将には様々な工作が両陣営からあったんでしょうね。当然ですよね。特にカリスマ性の薄い当主の有力家臣には。二股外交も当たり前の時代でしょうから。哀しいかな、「裏切り」もやりようで、「戦略」という言葉にすり替えられますから。

2012/8/5(日) 午後 10:42 [ ナツメの10ちゃん ] 返信する

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歴史好きな、又は言いたい放題、推理推察していける、
貴方に出会えて嬉しいです。
ミサト様に感謝。

太平洋戦争の真実知ったら、世界に、私は恥しい。

10ちゃん!多いに語りましょう。
間違っていいじゃない。生きていた訳じゃないもの。
今の政治家平気で嘘言うもの(^。^)。又来ます。

2012/8/6(月) 午後 7:06 [ オリーブ ] 返信する

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