El Fuelle

バンドネオンで回る日々

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1時過ぎ、澁谷のアップリンクに行って整理券を貰う。3番目だ。食事をして、2時の開場を待つ。「1番から5番迄の方、ご入場下さい。」との案内で、入場。狭い所にぎっしりと椅子が埋まっている。3番目の列の真中がちょっと通路に少しはみ出ていて、バンドネオン奏者の真ん前になるいい座席を確保。しかも、パイプ椅子でなく、ディレクター椅子なので座り心地もいい。

 オリヴィエ・マヌーリさんのホームページには、バンドネオン・メモランダムからリンクさせてもらっている。フランス人だ。そのその御本人が来日されたので、今日という日を待ち望んでいた。
 白髪をもじゃもじゃさせていて一見ボヘミアン風。彼のバンドネオンは1936年製、使用歴 20年という事だそうだ。

 やがてプログラムが始まった。峰満里恵さんの歌で始まる。

 1.「スール」しっとりとした良い歌だ。私は、エドムンド・リベロが好きだ。峰さんは、ちょっと調子が悪いのか、聴いていていまいちの感がする。
 2.「パリに錨をおろして」 この曲からギターの高場雅美が曲の開設を始める。作詞はカディカモ、作曲はガルデルの伴奏ギタリストギジェルモ・バルビエーリで、彼はガルデルとともに亡くなったそうだ。
 3.「亜麻の花」 エクトル・スタンポーニ作のワルツ。これも良い曲だ。
 4「タンゴの街」 スールを作ったオメロ・マンシとアニバル・トロイロがやはり同じ風景を前にして、スールの前に作ったという。ちょっと感じがにているが、このほうがちょっとタンゴっぽい。
 5「チキリン・デ・パチン」 
 6「我が両親の家」 これは、バンドネオン・ソロ。マヌーリの演奏はちょっと大人しい。
 7「バンドネオン」 バンドネオンとコントラバス(斉藤轍)のデュオ。ピアソラのトロイロ組曲の第1曲目だそうだが、あまり聴いたことがない曲だった。

 ここらか後半

 8「B・B」 バンドネオン・ソロ。エルネスト・バッファとオスバルド・ベリンジェリの合作。これも、あまり聴かない曲だ。
 9「最後の酔い」 トロイロが酒を飲んでいて、作ったそうだ。
 10。「瓦屋根の古い大きな家」
 11、「ボルベール」
 12.「ミロング」 バンドネオンとコントラバスのデュオ。マヌーリ自身の作。ミロングとはミロンガのフランス語だそうだ。あえてミロングというところが、フランス人の自己主張かな。コントラバスの熱演が見物だった。
 13.「想いの届く日」
 14.「ロス・マレアードス」
ときて、アンコールがラ・クンパルシータ。

 総じて、峰さんの歌が多かったし、正直言って彼女のスペイン語の発音が聴き難く、全体として感激製の薄いコンサートだった。
 マヌーリさんは、外貌に比して、演奏は大人しい。バリバリのプロという感じはしなかった。興味を引いたのは、両手に小さなマイクを取り付けて弾いていたことだ。バンドネオンは、右と左から音が出るし、蛇腹の伸び縮みで音のでる位置が違うので、スタンドマイクだと音の拾い方がアンバランスになる。バンドネオン横浜の演奏会の時、石居先生から、左手で主恩を弾く時にはマイクの位置を考えて座る向きを変えるようにと指導されたが、それってなかなか難しい。
マヌーリさんのように、両手にマイクをつけて弾けば平等に音を拾うわけだ。なかなか合理的といえる。しかし、何となくマヌーリさんの演奏が平板に聞こえたのはそのせいかもしれない。

 帰りに石川浩司さんが、私を見つけて声を掛けて下さった。お会いしたのは、最後のレココンの時1度だけなのによく覚えていてくださった。病気で、元気が出ないよとのお話だったが、タンゴ界では貴重な方だ。ご自愛を祈念してお別れした。
 

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