|
「だよなぁ…やっぱり、さすがにベイリーも、こんなの着るのは嫌か。う〜ん、困ったなぁ」 母メーテルが今、何でも無い事のようにさらりと口にした言葉は、ベイリーの胸にぐっさりとささっている。 おいこら、ちょっと待て。 問題はところはそこか??? もっと根本的な問題があるだろう! とベイリーは頭を抱える。 そんなベイリーの事をちっとも気にせず、天然な母メーテルは心底困ったように落ち込んでいる。 やっと分かった。 さっきあんなに嬉しそうにしていたのは、これを私が着てくれるだろうと思ったってことだ。 そして「やる」と言っていたのは「殺す」の方のやるじゃなくて、「あげる」の方のやるだったのねと、勘違いが解消したベイリーを一気に疲労が襲う。 本当に母の常識外れも勘弁して欲しいものだ。 (だいたい、こんなのアタシ好みじゃないってば!!!) それ以前に、あのノートンがママの為に選んだ物を貰うというのが、そもそも嫌だ。 それ以前にそんな事考えたくもないし、何もかもが普通なら絶対に考えられないし… (死んでも着たくないわよ、そんなの!!) 何を言っても無駄な母メーテルを持った身は辛いと、ベイリーが頭を抱えて落ち込んだ。 そこに、更なる楔が打ち込まれた。 「ベイリーは私と違ってスタイルがいいし、似合うと思うんだが…」 「や、やめてよママ!!似合うとか言わないで!」 そういう想像もしないで!と慌てて付け足す。 問題は…似合う似合わないじゃないのよ!! 我が母の常識ハズレも信じられないレベルまで来てしまったと思う。 …って、ママ、笑顔で言ったってダメなんだから! しかし、メーテルはベイリーがそれらの下着を着ることに嫌悪感を抱いているとは思わず、ただ照れていると思ったようで、無邪気に追い討ちをかける。 「うん、ベイリーにぴったりだ♪」 ぶちりっ。 母親ラブの娘、ベイリー。 母親に対しては限りなく太い理性を持っているベイリーがぶちきれた瞬間だった。 ベイリーは怒りのあまり、母がランジェリーを仕舞い込んでいるクローゼットの引き出しを、泣きながらその場にぶちまけた。 「ふざけないで!!」 「ベイリー?」 メーテルは、何故ベイリーが突然泣き出してしまったかも分からないし、突然怒り出した理由も分からず、オロオロと慌てだした。 「そもそも、ママの下着なんて、私がサイズ合う訳ないでしょ?こんな小さいの、ママの他に誰が着るのよ!」 ベイリーは怒りのあまり、普段なら絶対に言わない、メーテルが気にしている事をストライクど真ん中で指摘した。 メーテルは凄まじい勢いで打ち込まれた言葉に、ショックの余り真っ白になった。 「ベイリー?」 「自分がコレ着るの嫌だからって、どうして娘の私に勧めるのよ? その発想事態がおかしいわよ! アタシに進める前に、ノートンにこんなの要らないって言えばいいでしょ!」 ベイリーは、口調を緩めることが出来なかった。 「それに、どこの世界に、年頃の娘にこんなの着てほしいと思う母親がいるのよ!」 「ごめん。そんなつもりじゃ…」 メーテルが今になって漸く謝罪を口にしたが、ベイリーにとっては遅すぎた。 「ママ…嫌い」 ベイリーは、メーテルが「嫌い」と言う一言をとても恐れていることを知っていて、敢えて口にした。 大好きな母にデリカシーの無い事を言われて傷ついたのだ。 だから余計に、言わずにいられなかった。 ベイリーは言うだけ言うと、部屋を後にした。 (第六話へつづく) |
全体表示
[ リスト ]





うわーー母娘ゲンカ発生だーー
村ぽちして行こうっと。。
2007/10/7(日) 午後 8:30
クライシスさん
村ポチありがとうございます。
そうですね〜、ベイリーは母溺愛なので、この2人の喧嘩は珍しい行動っす^^;
2007/10/7(日) 午後 8:39