|
「お前も同じ男として、俺の気持ち分かるよな!?なぁ!?」 途端に勢いを増して息子の俺に泣きついてくるから、本当に何とも言えなかった。 ただ、俺はノートンの気持ちも、ベイリーの気持ちも、母さんの気持ちも分かる。 そして全ての原因は、極めてシンプルな所にあると思った。 「母さん…いつも男物の下着着てるよね。なんで?」 ずっと不思議に思っていたことを、俺はとうとう口にした。 「知らんっ。俺が頼んでも着てくれないんだよ」 だから、余計に、観たい!! 水を得た魚のように、ノートンがあられもない内容を正直に叫ぶ。 正直、父親であるノートンがこんな内容で騒いでいるのを見ると、年頃の俺の事も少しは考えてくれと思う。 というか、俺が凹む。 それでもまぁ、純粋に、ノートンは母さんに女性物の下着を身につけてほしかったんだろう。 「結婚する前からずーっと男物なんだもんなぁ…」 しかも俺が買い置きしていた下着を勝手に持っていくし、とノートンは当然の様にしょげている。 終いには、愚痴り始めた。 ノートンの下着をメーテルが勝手に持っていくのを見越して、わざと女物の下着の買い置きしか用意しておかなかった事があったが、メーテルに 「お前、そういう趣味でもあるのか?」と変態扱いされるわ、 挙句の果てには他に女がいると思われるわで散々だったと、ノートンは泣き始めた。 男は男物。女は女物。 そう説明したのだが、なぜか母さんは納得しなかったらしい。 それでも最初は根気よく説得していたノートンだったが、メーテルが嫌がり機嫌が悪くなると自分の命に係わるので、遂にはそれも仕方がないと諦めたらしい。 結婚したら変わるかもしれないというわずかな期待もあったようだ。 けれど、メーテルの趣向も相変わらずで…その現実を突きつけられる度に凹んだ、とますます収集がつかなくなった。 確かに。うちの母さんはちょっと変わっているかもしれない。 一目見て「女性」と分かるような代物は、あまり身につけたがらない。 ベイリーとは大違いだと思った。 最後の手段として、ノートンは、いつかメーテルが自分の為に着飾ってくれるだろうという淡い期待が捨てられず、勝手に洋服や下着を買ってきては、何も言わずにメーテルのクローゼットにしまいこむという方法を取ってみたらしい。 特に結婚記念日やノートンの誕生日など、着て貰えそうな日が近づくと念入りに準備してみたとノートンはえらく自信を持って言っている。 それは逆効果ではなかったのかと突っ込みたかったが、かろうじて俺は堪えた。 ノートンは実際にメーテルがそれらを着ているのを目の当たりにしたことがなく、期待は年々裏切られ続けられた。 きっと着るのが嫌で捨ててしまったんだろうと悲しみに打ちひしがれて、ある日メーテルのクローゼットをこっそり除いてみると、ちゃんとの奥にしまってあるのを確認した。 これは…もしかしたら自分の見ていない所で着てくれているのかもしれない!! という妄想に発展し、かくして、ノートンは日常的にメーテルの着替えや風呂を覗き見するようになったらしい。 …ってか、なんちゅう人が俺の父親なんだろう。 (やっぱり俺達の父親は…ラフロイグさんだ!) 「でも、今まで着てた事がないんだよなー…」 「っていうか、ノートン。もう諦めたら?」 そうすれば、万事が解決ではないか。ボウモアは心の中でため息をついた。 「ぬわに〜!?諦めきれる訳ないだろ!?諦めるくらいなら死んだほうがマシだ!!」 って、一体そのエネルギーは何処から湧いて来るんだよ。 そんなエネルギーがあるなら、もっと有効活用してくれ。 とボウモアは本気で思った。 俺は絶対諦めないぞ〜!と横で大声で叫んでいる声が聞こえ、俺はふらりと眩暈がした。 (第八話へつづく) |
全体表示
[ リスト ]





なんか、、、ノートンが壊れ始めているような気がするのですが・・・・(笑)ポチっていきますー
2007/10/9(火) 午後 10:27
クライシスさん
ノートンはいつでも壊れていますから…^^;お恥ずかしい限りです。
2007/10/10(水) 午後 2:13