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マッチレポートです。
アジアカップの最終予選第1戦、イエメン戦。大事な公式戦であるのは間違いないところですが、一方で来月に迫った南アフリカW杯のアジア地区最終予選・オーストラリア戦も念頭に置き、全体の底上げという意味で今回は代表経験が浅い若手主体のチーム編成となりました。
さて、ゲームは終始日本がボールを支配し、ほとんどハーフコートで展開されていきました。キックオフ直後から日本は鋭い動きと早い切り替えでイエメンを圧倒。その流れの中で先制点を奪います。その後もその勢いは続き、ミドルシュートなどで相手ゴールを脅かしました。しかし追加点はなかなか取れず、前半は1−0で折り返し。すると後半開始直後にこの日唯一と言ってよいセットプレーでのチャンスをイエメンに決められてしまい、同点。それでも日本は慌てずに自分たちのプレーを繰り返し、ついに勝ち越し点をゲット。結局これが決勝点となり、日本が2−1で勝利を収めました。
それでは私的ポイントです。今回はいつものチーム全体についてのポイントに加え、新戦力が多く出場したゲームだったので個人の評価もしてみたいと思います。
GOOD
90分間通して全員の出足が鋭かった
BAD
フィニッシャー不足
良かった点
まずは、選手みな動きが軽く、 攻守において非常に出足が早かったことを挙げたいと思います。キックオフ直後に攻撃陣が揃って相手ゴールへ迫ったシーンが象徴的でした。イエメン側はちょっと面食らっていたのではないでしょうか。
特にボールを失った後の守備への切り替えが素晴らしく、自分のところでボールを奪われたらそのまま自分が奪い返しに行くという姿勢が前線の選手全員から感じられましたし、そこに周りも関わって常に2,3人で囲む形が瞬時にできていました。これによってイエメンは全くパスをつなぐことができず、苦し紛れのクリアをするのが精一杯になっていました。
さらに、今回のゲームではその動きが90分間持続されていたように思います。守備時の高速プレスは有効な戦術ですが、やはりどうしてもスタミナ面で長続きしないという懸念があります。しかし今回は終始効果的なプレスを掛けられていたのではないでしょうか。
そこにはタイミングを見計らった選手交代と高い位置でボールを奪いフィニッシュで終わることで生まれる好循環が要因として考えられます。特に、早い段階でマイボールにして攻撃をフィニッシュ(シュート)で終わらせられていたことで結果的にうまく「休む時間」が作れたのは大きいでしょう。つまり、
ボールを失う
↓
すぐに奪い返しに行く
↓
奪い返すorクリアボールを拾う=早い段階でマイボールにする=守備に割くパワーを極力抑えられる
↓
攻撃をシュートで終わらせる
↓
一呼吸置ける=次への準備ができる(守備の態勢を整える、プレスをかける)
という流れがあったのです。
これがフィニッシュできずに「ボールを奪い、奪われ」が続くとやはりスタミナ面で厳しいでしょうし、切り替えを繰り返すうちにどうしても選手の距離間にギャップが生まれ、間延びして攻め込まれることにもつながります。
今後に向けて、この戦い方を成り立たせるためのひとつのポイントとして、攻撃は毎回フィニッシュまで持って行くということが浮かんできたのではと私は感じました。
悪かった点
これはこのブログでも度々書いてきたことですが、 クロスに対してのフィニッシャーが不足していると感じます。スタメン攻撃陣のなかで、サイドからのクロスに合わせるフィニッシュの形を持っているのは岡崎選手くらいだったように思うのです。
誤解がないように書いておくと、もちろん他の選手に得点力がないと言っているのではありません。田中選手や興梠選手にはスピード、クイックネスを活かした突破やドリブルからのシュートがありますし、香川選手のテクニカルなシュートや憲剛選手の正確なミドルシュートもチームの武器です。
ただ、ボックス内で競り合いながらもしくは一瞬の隙を突いてクロスに合わせるという部分は足りないのではないでしょうか。これではいくらボールを回してサイドからクロスを送ったところで、結局ゴールという結果にはなかなか表れません。
その点、巻選手が交代で入るとはっきりと変化が見られました。明確なターゲットができたことで送り手はまず巻選手を捉え、もし巻選手がフィニッシュできなくてもその裏や潰れたところを他の選手が狙っていくという形が生まれたのです。また、巻選手自身も積極的にニアサイドへ飛び込むことで相手DF陣を引きつけており、これらによって決定的チャンスがいくつか作れました。
今の日本ならばどんな相手であっても、ある程度はボールを支配しながらアタッキングサードまでパスワークで持って行くことはでき、そこから最低でも2,3本は良質なクロスからチャンスも作れるようになっていると思います。そうなるとあとはそれを決められるかどうか。そのプレーが勝ち点を引き寄せることに直接つながるでしょう。
攻撃陣のメンバー編成の際には誰がフィニッシャーになり得るかも考える必要があるのでは?
それでは次に個々の選手について。
失点シーン以外はピンチを迎えておらず、ゴールキックすら蹴っていない展開。だからこそアピールのためにも完封したかったでしょう。
セットプレーで高さをアピール。ビルドアップではもっと絡んでほしいところです。
素早いカバーリング。守備の準備だけでなく攻撃に関わるプレーももう少し見たかったと思います。
ボールによく絡み、際どいシュートや素晴らしい突破からのクロスなどで貢献。ただ、失点につながったような不用意なファウルが散見されたのは気になりました。
いつものようにタイミング良くボールを呼び込みクロスでチャンスを作ったものの、後半はサイドがノッキングした影響もあり少し存在感が薄くなってしまいました。
プレーエリアを広く持ちながら攻撃を司っていました。トラップから縦パスへの流れが実にスムーズ。パスワークのキープレーヤー。
中盤の中央でどっしりと構え、最終ラインの前で相手の攻撃を遮断。憲剛選手とのバランスも◎
主に左サイドで起点に。巧みなキープでマークを引きつけ、相手DF陣の穴を探っていました。もうちょっとシュートにトライしてもよかったのでは。
見事に1ゴール1アシストの結果を残しました。シュートシーンがもっと見たかったところですが、豊富な運動量は光っていました。
貴重な先制点。欲を言えば後半迎えたゴールチャンスのうち、1つは決めてほしかったところです。ただ代表定着へ向けてはアピールできたと思います。
特徴を出せるだけのプレースペースがなく、目立ったプレーはなかなかできませんでした。選手交代の切り札としてのテストもさせてあげてほしい選手。
気持ちのこもったプレーで勝ち越し弾を生む流れを作りました。状況によっては周りがもっとシンプルに彼を使ってあげてもよいのではと感じます。
初出場。積極的なプレー姿勢は見えたものの、やや空回りしていた感もあります。今後もメンバー争いに食い込んでいってほしい存在です。
初出場。プレー時間は短かったですが、そのなかで何とか存在感を示そうとしていました。乾選手同様に今後が楽しみな選手です。
終盤、岡崎選手、乾選手、金崎選手あたりがサイドの深いところでボールに絡もうとするため、両SBが駆け上がるスペースがなくなってしまっていたのは改善ポイントでしょう。これは連係面でまだ仕方ないことかもしれませんが、たとえば中盤の選手が思い切って逆サイドの裏へ斜めに抜ける動きなどを入れられれば良かったのかなと思います。
以上です。
最後に今回のテレビ中継(日テレ系列)について。以前、私がこのブログで提案していたことが、さりげなく、ちょっとだけ実現されていました。
それは ゲーム中の選手紹介の画面で使われる選手の画像についてです。目立ったプレーをした後など、画面はその選手のワンショットになり右下もしくは左下に選手のプロフィールなどが出ますが、そこで使われている画像が今回工夫されていました。 所属クラブのデザインをバックにしたものから日の丸を背負うようなバックに変化していったのです。
(画像は先制点直後の岡崎選手の紹介画面)
↓↓
私はかねがね代表ゲームの中継の際、選手紹介の画像をそれぞれの所属クラブがもっと明確にわかるようにしたらどうかと考えていました。具体的には、代表ユニフォームを着た画像ではなく、それぞれのクラブのユニフォームを来た画像を使うということ。
Jリーグの認知度は間違いなく年々上がっていますが、それでもまだ地域差があったり、地元のクラブすら知らないという人たちが数多くいるのが現状です。「代表でよく見るこの人はどこのチームにいるの?そのチーム何色?」って思っている人が結構いるのではないでしょうか。そこでこのような取り組みはJリーグのさらなる普及・発展において意義があると思います。
ただ、「ちょっとだけ実現」としたのは今回ユニフォームまでは見られなかったこと。それでもチーム名の後にさりげなくエンブレムが入っていたりと、私の意図するところは実現されていました。
…って書きましたが、もしかして最近のデジタル放送ならば中継観ながらデータボタンで確認できたりして(^^; 私の部屋はまだバリバリのアナログ放送なので、その辺りのことをご存知の方は教えてください!
次はバーレーン戦!
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昨日のような緩いプレッシャーの中でもクロスの精度はまだまだでしたね。強烈なストライカーが居ない日本にとってはゴール前に正確なクロスが出るということが非常に大事なので、今後もさらにサイドの選手には修正を期待したいです。
2009/1/21(水) 午後 2:17
シュート一本だけなのに1点入ってしまうトコロが怖いですね。
キーパーは確かにボールに触る機会がありませんでした。(笑)
所属クラブがわかり易いようにというのは・・グーです。
2009/1/21(水) 午後 10:19
残念ながら残業で試合は見れなかったのですが、シュート数を見ると
内容は圧倒的だったようですね。しかし、スコアを見ると大接戦・・・
やはり日本の永遠の課題かもしれないフィニッシャー不足が露呈した
試合だったようですね。。。この現状を踏まえると、釜本氏がいかに
日本で稀有な存在であったかがわかりますね。。。 次のバーレーン
戦でのアタッカー陣の爆発に期待です♪
2009/1/21(水) 午後 10:55
KOBAYASHIさん→サイドバックは常連の内田選手と駒野選手でしたが、そこからのゴールは残念ながら生まれませんでしたね。ただ、あれだけゴール前の守備に人数を割かれたらイエメン相手といえどそうそうクロスも合わないでしょうね。これはかなり極端な話で現実的ではないですが、日本がW杯で勝つためには、ひたすらFWがクロスに合わせる練習をすれば…と思ったりもします。
2009/1/21(水) 午後 11:55
こばんさん→ホントにシュート1本でやられてしまいましたね。しかもその時間帯が悪い典型。ゲームを通じて、やはりサッカーというスポーツは思い通りに行かないものだなと感じました。
所属クラブをわかりやすくしてほしいというのはずっと思っていたことでした。それまで興味がなかった人たちがサッカーに関わっていく入り口として依然代表戦は大きな力を持っているので、それをうまく活かしてほしいですね。
2009/1/22(木) 午前 0:06
てじゃんさん→シュート数は多かったですね。バーやポストに当たったものもいくつかありましたし。それを決められるかどうかがやはり日本と世界の差でしょうね。
ただ、最近指導者の勉強などをしていて思うのは、シュート数、枠内シュート、決定率をそれぞれ数字の上だけで単純に結びつけ評価してよいのかということ。悪いリズムや空気を一度断ち切るために無理矢理にでもシュートに持って行くのはそれはそれで意味のあるプレーですし、相手にシュートを見せることでその後のパスやドリブルがより効果的になったりもします。そう考えると数字には出ないシュートの効果ももう少し評価すべきだと思うのです。まぁもちろん、シュートはゴールを奪うのが第一の目的ですが…。
バーレーン戦では釜本氏もうなるようなアタッカーの活躍が見られれば嬉しいですね!^^
2009/1/22(木) 午前 0:30
う〜ん奥深いですね。。。でも、確かにゴールにならなくても、
枠にすら飛ばなくても、試合の流れを変えるためのちょっと無理な
シュートやクリア紛れのパント気味のパスだって、戦術的に大きな
意味があるビッグプレーがありますよね♪ そうしたポイントを
しっかり読み取れれば、またサッカーの醍醐味をより深く味わう
ことが出来ますよね^^ 楽しいぞ、サッカー!
2009/1/22(木) 午後 10:34
てじゃんさん→ちょっと偉そうなこと言っちゃいましたかね(^^;
でもサッカーにおいての数字の扱いって本当に難しく、特にシュートについてはそう感じます。ゲームを振り返るならばプレーの中身や効果にも目を向ける必要があると思うのです。たとえばボールポゼッションについて最近は、『数字で圧倒していても、実際のところは「持たされている」のかもしれない』と考えられるようになってきましたよね。そういう考え方が他の数字を見るときにも必要ではないでしょうか。
選手経験がある人ならば共感していただけるでしょうが、ゲーム中、選手は数字を気にしてプレーなんてしませんよね。ですから観る側の私たちもあまり数字に左右されず、まずピッチ内で起きている現象を見つめることがサッカーの醍醐味をより深く味わうということになるかなと思います。楽しいですね、サッカー!
2009/1/23(金) 午前 0:59