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ニュースを読んでいたら渋谷のHMV、その他7店舗もこの8月前後に閉店するようだ。 HMV渋谷店といえば、HMVの日本第一号店として華やかに登場したのはちょうど20年前。 閉店の原因はCD不況に他ならないと考えられる。 携帯やパソコンへの音楽配信も違法ダウンロードが激増したことでCDだけではなく、ダウンロードまでもが売れなくなっているようだ。 CDショップをのぞいてみても中には限定商品と称して有名どころが20タイトル、30タイトルが千円で売られていることがある。 それらを買えば当然他のタイトルは売れなくなるだろうし、他のメーカーも追随すれば「待てば安くで買える」という意識が購買者に芽生える気がする。 叩き売りをすればするほど利益率は下がるのは目に見えているので目先の利益を追いかけるメーカーは自分で自分の首を絞めているんじゃないかな。 94年に亡くなったカーメン・マクレイという黒人歌手がいました。 ニューヨーク生まれのカーメンは40年代にベニー・カーター、カウント・ベイシー等のバンドでピアニスト兼歌手として活動。 ジャズ演奏で有名なミントン・ハウスで弾き語りをしていた頃にケニー・クラークと知り合い結婚、一時引退しますが54年にベツレヘムに初アルバムを吹き込むチャンスを得ます。 アルバムは「お口」としてボーカル・ファンの間では親しまれ、そのやや金属的な声を巧みに使った、情感と知性のバランスが垣間見える歌唱が聴くものを虜にした。 日本の芸能人カップル同様にカーメンとケニー・クラークの結婚はうまくゆかず早々に離婚しますが、上記ベツレヘム盤や55年のデッカ盤にはケニーがまだ参加していることから離婚はその後と思われ(傷心の?)ケニーはMJQを55年に退団、56年にヨーロッパに渡っている。 ケニーはよほど辛かったのか、それとも同じ地を踏んでいるのが許せなかったのか、別れた男女のことはわかりません。 さて、カーメンはデッカ・レコードに何枚かレコードを吹き込んだ後、キャップ・レコードを経てメインストリーム・レコードに移籍しますが、弱小レーベルだったからか企画力やプロモーションが苦手だったようだ。 そのせいか内容の素晴らしいライブ盤が多かったにも拘わらずメジャーな人気を得るには至らなかったようです。 そんな過小評価されていたカーメンの素晴らしさを見抜いたDJ、モート・フェガなる人物が自身の手で64年に録音をしたのです。 フェガ氏の私家盤レーベル、Focusから出した「Bittersweet ほろ苦」は非常にナイーブで、渋い内容のバラード集で、カーメンの良さが100%発揮された素晴らしい内容で、隠れた名盤です。 まだ姉御スタイルはそれほどはなく、歌詞ひとつひとつを大事に、シンプルなバックの演奏に乗って情感豊かに歌っています。 まさに目からウロコどころか鼻から牛乳の一枚で、私も個人的にはジャズ・ボーカルのベスト・スリーに入れても良いほどの内容で、今までカーメン・マクレイを過小評価していた一人なのが恥ずかしい。 その後カーメンはアトランティックに移籍し、メジャーに上り詰め、Bittersweetも後にメジャーのアトランティックからも再発されています。 Carmen McRae (vo, p) Mundell Lowe (g) Norman Simmons (p) Victor Sproles (b) Curtis Boyd (ds) When Sunny Gets Blue How Did He Look Guess I'll Hang My Tears out to Dry The Meaning of the Blues If You could Love Me Spring can really Hang You up the Most Second Chance If You could See Me now Here's That Rainy Day I'm Gonna Laugh You Right out of My Life Ghost of Yesterday I'm Lost Come Sunday CDや音楽配信、と手軽に音楽を楽しめ、音楽もある種使い捨ての時代ですが、上述モート・フェガ氏のように資財を投じて、いいものを後世に残したいと願う人は今現在どれだけいるのでしょう。 フェガ氏のおかげでカーメン・マクレイの「Bittersweet」という渋く素晴らしいバラードがぎっしりと詰まった作品が聴ける幸せを感じている今日この頃です。 |

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いつも素晴らしいブログですね。
カーメン・マクレイ聴きたくなって、HMVオンラインで3枚買っちゃいましたよ。3枚買うと割引になりました。早く聴きたいな〜、楽しみです。
2010/6/8(火) 午後 7:05 [ A ]
あらら、影響受けちゃいましたか。 HMVの回し者じゃないんですが。。。(笑)。カーメン・マクレイは年代に依って声や歌い方が違うんですよね。 私はブログで紹介した中期のものがしっとりしていて好きです。 カーメン・マクレイはどうもライブになると張り切り過ぎるようです。 サービス精神が旺盛だったんでしょうけど。
2010/6/8(火) 午後 7:28
初めまして、こんばんわ。かな?カーメンを載せたら、参考のブログ欄にこちらがあったので伺いました。大好きなカーメンなので嬉しいです。またお邪魔します。
2011/9/13(火) 午前 4:49 [ carmenc ]
テクニックや歌の崩し方は天才的といえるかも知れませんね。アトランティック以降の姉御スタイルがちょっときつくて聴く機会が減っています。それはちょうどこってりとしたステーキなような味わい。カーメンは日本人歌手でいうと美空ひばりのような存在だったのかも。最近はもっぱらお茶漬けサラサラだから、たまにはステーキもいいかな。ご訪問ありがとうございました。
2011/9/13(火) 午後 2:45