レコードショップ奮闘記 ジャズとロックの中古レコード屋のブログ

2005年8月から始めた横浜上大岡の中古レコード店ビッグ・ビート・レコードです。 楽しいことや苦しいこと。 ご意見待ってます。

このアーチスト達にぞっこん!

[ リスト | 詳細 ]

昔から聴いてるアーティスト、今でも活躍してるグループ、いつのまにか姿を見なくなったプレーヤー、感動させてくれたアーティストなどは数々あれど、この一枚ってのを独りごとします。 キング・クリムゾン? ローリング・ストーンズ? クラプトン? そんなのどうでもいいじゃないですか。 陽の当たらない、当たらなかったプレーヤーって取り上げたくなっちゃうじゃないですか。 ここでは参加ミュージシャン、曲名、レコード番号、録音日などは割愛します。
記事検索
検索
レコードをジャケットから取り出し、レコード盤に汚れがあれば拭き取り、ターンテーブルに乗せ、針先をきれいにして、針をゆっくりとレコード盤の一曲目に落とすまでの緊張した時間はたまらない。

デジタル時代になってからはボタンひとつですぐに再生されるからアナログ・レコードのようなゾクゾクするような期待感は得れない。

ジャケットを眺めながら、レコード盤に針が乗っかって音が飛び出すまでの間というのは暗闇で映画の始まりを待つときの気分と似ているような気がする。


洋画の場合はヌーベルバーグあたりからタイトルバックに凝った映画が多く出た。
中には映画が始まってしばらくしても一向にタイトルバックが出てこないで、一体いつになったら出てくるのかとそればっかりが気になる映画もあった。
映画のタイトルバックというのは本編とは違う楽しみがあって、本編がなくても楽しめるような映画もあったりする。

また、タイトルバックは本編のイントロとして観る人の気持ちを確実にひとつの道へと導いて行ってくれる。
かといえば、アメリカの大手の映画や邦画のように会社の大きなマークと大きな音で仰々しく始まるのもある意味では「映画が始まるよ」と教えてくれているようなものだ。

レコードの出来を暗示させるような秀作ジャケットを選ぶとすれば2枚、3枚どころか何十枚も候補に挙がってしまうし、人に依っては100枚近いかも知れない。

モダン・ジャズでとびきりのジャケットといえばソニー・クラークの「クール・ストラッティン」は上位にくるだろうし、外せないでしょう。

Sonny Clark/Cool Struttin' (blue note)
||[[attached(2)]]イメージ 2||

本家アメリカではなぜか評価が低いが、ひょっとしたらジャケット・デザインが内容以上に日本人に訴えかけるものがあったのかも知れません。

古き良き時代のアメリカを思わせる、ハイヒールを履いた女性が歩く姿、その向こう側を歩くトレンチコート姿の男性とその奥に停まっている車。

女性の足の角度も絶妙で、そのハイーヒールの足はまさしく50年代のトレンドで、それを見ただけでその頃の空気にひたることが出来るというものでしょう。

また、リズミカルな感じの遊び心のあるレタリングもバランスが良く、惹きつけるものがあります。
考えてみたらブルーノートの作品のほとんどが演奏者のポートレートであるのに本作を含めて僅か数枚がこのような街のショット等が使われているという事実も興味深い。

「クール・ストラッティン」の演奏内容は確かにいい。 しかし、このジャケットでなかったら魅力は半減していた?

イギリスのグラスゴーといっても日本人には馴染みが薄く、あまり知られていない都市でしょう。

グラスゴーはイギリスのスコットランド南西部に位置する、スコットランド最大の都市で、中心都市のエジンバラよりも大きな街だ。
1960年代には100万人以上いた人口はその後減り続け、現在では75万人あまり。

イギリス国内ではロンドンとエディンバラについで3番目に観光客が多く、年間300万人ほどがこの街を訪れている。
15世紀創立の名門グラスゴー大学を擁し、かつては造船等の重工業が盛んだった産業都市であるとともに、1990年にEUの欧州文化都市に選ばれていることからも文化、芸術、若者の街として知られている。

またグラスウィージャン(Glaswegian)と呼ばれるドイツ語に似た方言を話す事でも有名な都市だ。


ペンタングルの中心人物、バート・ヤンシュはそんなグラスゴーで生まれ、エジンバラで育った。
バートはロンドンやヨーロッパ各地を回ってギターを弾き、歌い、放浪の旅を続け、65年にデビュー作をリリースして英国のボブ・ディランとも呼ばれた。

その後、バートがジョン・レンボーンと出会いペンタングルは67年にめでたく誕生した。
ジャズ、ブルース畑出身のダニー・トンプソン、テリー・コックスのリズム隊とブルース系ボーカリストのジャキー・マクシーが加わりデビュー作が完成した。

Pentangle/Same (transatlantic)
||[[attached(3)]]イメージ 3||

キンクスとザ・フーのプロデュースとお金に汚いことで有名なシェル・タルミーに依るプロデュースのもと68年に録音、翌年にリリースされたペンタングルスのデビュー作はジャズ色が濃厚なものとなっています。

メンバーそれぞれの経験等がぶつかり合ったそのサウンドはアコースティック・フォーク・ジャズと形容するのが一番適していると思える。

ジャズ・イディオムに裏打ちされたリズム隊をバックに二本のフォーク・ブルース的ギターのアンサンブルに清楚なヴォーカルが絡むサウンドはそれまでになかった新鮮な響きだ。

自作曲や英国トラッド曲等を見事なアレンジでフォークやジャズ、ブルースをルーツに持つ個性派メンバー達の緊張感ある音のぶつかり合いが聴かせるアンサンブルは非常にスリリングで美しい。

5人のシルエットが写るデビュー作での彼らの堂々とした風情はどうだろう。

「ブルー・サージ」はサージ・チャロフが56年に録音した作品です。

サージは服地用のあや織りの織物生地だ。
学生服、スーツ、スカート、コート等に広く使われる生地だがサージには昔から学生服のイメージがつきまとっている。
つまり「ブルー・サージ」というタイトルはプレイヤーの名前にうまくひっかけたお洒落な作品だ。

ジャケット・デザインも秀逸で、モノクロ写真に映る女性の右手にはバカでかいバリトン・サックスがあり、ダミースタンドに掛けられた青いサージ生地に寄りかかっている構図とレタリングもお洒落だ。

内容の方も素晴らしく、「ナイト・ライツ」辺りのジェリー・マリガンを聴いてバリトン・サックスの音色に惹かれたら、サージ・チャロフの作品を聴くのもいいものだ。

サージ・チャロフは33歳の若さでこの世を去っているが、本作は彼のラスト・アルバムで、「ボストン・ブロウ・アップ」と並ぶ代表作でもあり最高傑作だ。

ソニー・クラーク、リロイ・ビネガー、フィリー・ジョー・ジョーンズという意表をつく共演陣にも驚かされる。

Serge Chaloff/Blue Serge (capitol)
||[[attached(2)]]イメージ 2||

Serge Chaloff (bars)
Sonny Clark (p)
Leroy Vinnegar (b)
Philly Joe Jones (ds)

A Handful of Stars
The Goof And I
Thanks for The Momory
All The Things You Are
I've Got The World On A String
Susie's Blues
Stairway To The Stars

1961年初頭、グリニッチ・ヴィレッジに忽然と現れたボブ・ディランは瞬く間に各方面からの評価を集め、60年代フォークの寵児として君臨した。

アメリカ社会を鋭く糾弾する自作のプロテスト・ソングや思慮深く人間の内面を綴った作品が広く注目を集める中、彼が次に行ったのはエレクトリック・ギターを手に奔放な歌詞を叩きつけるように歌い、自身の音楽を完全なるロック化した、それまでには全くなかった音作りだ。

賛否両論を呼ぶことになるが、彼の行った試みはフォーク・ソングとロックの垣根を完全に無くしたことで音楽界にとっては大きな功績となる。

Bob Dylan/Highway 61 Revisited
||[[attached(2)]]イメージ 2||

Like A Rolling Stone
Tombstone Blues
It Takes A Lot To Laugh, It Takes A Train To Cry
From A Buick 6
Ballad of A Thin Man
Queen Jane Approximately
Highway 61 Revisited
Just Like Tom Thumb's Blues
Desolation Row

ロック・サイドのマイク・ブルームフィールド、アル・クーパー、ポール・グリフィス等を従えて録音した本作が発表されたのが65年8月のこと。

ピーター・ポール・アンド・マリー等フォーク・シンガーがボブ・ディランの作品を取り上げることはあったがロック・グループが彼の楽曲を取り上げることはなかった。
しかし、本作がリリースされる直前、バーズに依る「ミスター・タンブリン・マン」のエレクトリック・カバーがフォーク・ロックの口火を切っていた。

ディランは7月に行われたニューポート・フォーク・フェスでエレクトリック・ギターを手にフォークの反逆児となっていた。

そうするうちにシングルとして出た「ライク・ア・ローリングストーン」がヒット・チャートを爆走し、2位となる。
変貌したボブ・ディランの生み出すサウンドを非難していたフォーク・サイドのファンをも黙らせてしまい、誰もディランを止めることなど不可能だった。

聴けばわかるが本作はフォーク・ロックというよりも純粋なロック・アルバムだ。

以後、彼はいろいろなタイプのサウンドを取り込み、またザ・バンド、ダイアー・ストレイツのマーク・ノップラー、トム・ぺティ、ジョージ・ハリソン、グレイトフル・デッド等数多くのビッグ・ネームとの共演も果たしているのは彼がいろいろなサウンドにリスペクトし共有するという他のプレイヤーの生み出すサウンドに対してなんの偏見もないことを証明している。

ディランはまさにシーンの先端に屹立、破格のモンスターであり続けている。

マーク・ボランの活動は67年にスティーヴ・トゥックとデュオ・グループ、ティラノザウルス・レックスを結成したのが始まり。
デビュー当初のサウンドはアシッド感覚あふれるサイケデリック・フォークで、中近東の旋律やアフリカン・ビート、怪しげなボーカルとすべてにおいて摩訶不思議なサウンドを展開していました。

但し、当然メジャーなヒットに結びつかなかったが、パートナーがミッキー・フィンに交代、キラキラの衣装に身を包み、T・レックスと改名、電気的な音を聴かせるデュオにガラリと変貌したのが転換期。

本作は電気的な音の導入で表現の幅が大幅に広がり、T・レックスの人気を決定付けたばかりかグラム・ロック・ブームに火をつけた71年発表の大ヒット作。
それまでのアンダーグラウンドでフォーキーなサウンドからブギを基調としたスタイリッシュなロック・スタイルに変貌したのが成功の要因だ。

T. Rex/Electric Warrior (fly)
||[[attached(2)]]イメージ 2||

Marc Bolan (vo, g)
Micky Finn (perc, vo)
Steve Currie (b)
Will Legend (ds)
Ian McDonald (sax)
Burt Collins (flh)
Howard Kaylan (back vo)
Mark Volman (back vo)

Mambo Sun
Cosmic Dancer
Jeepster
Monolith
Lean Woman Blues
Get It On
Planet Queen
Girl
The Motivator
Life's A Gas
Rip Off

収録されている楽曲もメロディアスなものが多く、特に Get It On, Jeepsterは日本も含めてスマッシュ・ヒット。
ハードなギターのリフによるシンプルなブギによって一時代を築いたといってもよく、グラム・ロックという新しいカテゴリーを確立した代表的作品だ。

初期の不思議な雰囲気を損なわずに電気的な音の処理を完全に使いこなし、自然なポップ感覚を醸しだしているのはマーク・ボランのセンスといえます。
それにしても邦題の「電気の武者」ってのも今考えたら笑える。

サックスには元キング・クリムゾンのイアン・マクドナルド、バッキング・ボーカルに元タートルズ、マザースの二人、ハワード・ケイランとマーク・ヴォルマンも参加しています。

デビッド・ボウイを見出したトニー・ヴィスコンティがプロデュースしたのも大きく、電気的な音の導入がなければT・レックスの成功はなかったでしょう。

マーク・ボランは成功したのもつかの間、30歳を前に自動車事故でこの世を去っているのは気の毒としかいいようがない。


.

ブログバナー

ビッグ・ビート・レコード
ビッグ・ビート・レコード
男性 / B型
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について

過去の記事一覧

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
検索 検索

Yahoo!からのお知らせ

スマートフォンで見る

モバイル版Yahoo!ブログにアクセス!

スマートフォン版Yahoo!ブログにアクセス!

よしもとブログランキング

もっと見る

プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事